チェインブレーカー及び関連領域の郵便史

ユーゴスラヴィア建国当時~1922年頃までの旧オーストリア・ハンガリー帝国地域のチェインブレーカーを中心とした郵便史

210111 15 vinar石版への加刷不足切手50 paraの使用例

2010年07月18日 15時08分32秒 | 封書
210111 15 vinar石版への加刷不足切手50 paraの使用例

郵便物発送地の消印
MARIBOR 1 11. I. 21. 16 1c
MARIBOR 1郵便局1921年1月11日16時、消印識別記号1c
上側がローマ字、下側がキリル文字(セルビア人の使用する文字)の二文字表記の新しいユーゴスラヴィアの全国統一型消印

二文字表記の新しいユーゴスラヴィアの全国統一型消印
スロヴェニア、クロアチア、ダルマチアでは、普段使用する文字がローマ字であることに配慮して上側がローマ字、下側がキリル文字となっています。
一方、セルビア人の住むボスニア・ヘルツェゴビナ、ヴォイヴォディナ、セルビア、そしてセルビア人に近い人々の住むモンテネグロでは、普段使用する文字がキリル文字であることに配慮して上側がキリル文字、下側がローマ字の表記になっています。
日付けは、左から「日、月、年、時間」の順です。

宛先: Zagreb (クロアチア)

不足表示
ハンドスタンプT、黒鉛筆 50 para
赤鉛筆 T 2-

不足切手
Mi.47, 15 vinar石版への加刷50 para
加刷の台切手の15 vinar石版切手は、タイプ33、シート2、pos.83です。

不足料金
国内封書料金は25 para
不足料金は不足額の2倍のため50 para (2 Krona)
これは、貼り付けた不足切手50 paraと不足表示50 para及び2-の記載と一致

不足切手の消印
ZAGREB N1N 12 JAN. 921. N9
D欄は櫛型
クロアチアZAGREB1郵便局1921年1月12日昼間9時、消印識別記号N
このZAGREB1郵便局の消印は、D欄のハンガリー王の王権を象徴する「イシュトヴァーン・クラウン」と呼ばれる王冠が消印から削除され、櫛型に置換されています。
そして、ハンガリー式消印の年月日の表示順序は、左から右に「年・月・日」ですが、これはユーゴスラヴィア式の左から右に「日・月・年」に変更されています。
クロアチアの首都でありながら、ハンガリー型消印を使い続け、ユーゴ化するのを拒んでいたザグレブ1郵便局も、1921年1月になってやっとユーゴ化を受け入れたようです。
それだけ、クロアチア人の反セルビア感情は強かったということなのでしょう。


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