2.ザグレブ、ノヴィサド(ナギ ベチュケレク)、スプリト郵政局管内
クロアチア、スラヴォニア、ヴォイヴォディナ、ダルマチア地方
(1)この地域の一般的状況
1918年には、ハンガリー地域(クロアチア、スラヴォニア、ヴォイヴォディナ)では、額面印紙2 fillérが印刷された通常のハンガリーの郵便為替が使用されていた。
この他に、額面印紙の印刷されていないNachnahme-Postanweisung(着払い郵便為替)とInternationale- Postanweisung(国際郵便為替)が存在していた。
この地域の郵便為替証書の価格の値上げに関する公文書を著者は入手していない。
著者の経験では、1918年12月から1920年3月まで、額面印紙の印刷されていない郵便為替は2 fillér または3 fillér切手を追加貼り付けされて使用された、しかし、この追加貼りつけをしなかった郵便局もある。
1918年12月から1919年3月まで、額面印紙の印刷されていない郵便為替は2 fillér切手を追加貼り付けされて使用された、しかし、この追加貼りつけをしなかった郵便局もある。
1919年3月以降は、額面印紙の印刷されていない郵便為替では、2 fillér (後に3 fillér)切手を追加貼り付けしていない使用例を著者は知らないと記載している。
また、この追加貼り付けの規定が郵便局で例外なく適用されたと著者は推定している。
額面印紙2 fillérが印刷された通常のハンガリーの郵便為替は、1920年6月まで使用され、恐らく使い尽くされたか、あるいは後に10 filirの加刷をされた(後述)。
1919年中頃に、郵便為替の価格が3 filirに値上げされ、額面印紙「Pošta Kraljevstva SHS 3 fil」と印刷された新しい郵便為替が登場した。
この新郵便為替証書の早期使用は1919年7月7日(ZAGREB 6)、後期使用は1920年9月である。
1919年7月から1920年3月には、額面印紙の印刷されていない郵便為替では、3 filirの追加貼りつけを必要とした。
1920年9月の3 filir追加貼りつけの後期使用例が、ダルマチア地方のスプリト郵政局管内で少数例が知られている。
1919年9月から1920年3月には、以下の郵便為替が使用された:
①額面印紙2 fillérが印刷された通常のハンガリーの郵便為替
②額面印紙の印刷されていない郵便為替 + 2 filir追加貼り付け
③額面印紙「Pošta Kraljevstva SHS 3 fil」が印刷された新しい郵便為替
④額面印紙の印刷されていない郵便為替(主としてSHS-Nachnahme) + 3 filir追加貼り付け
表2
追加貼付け2 filir 43例を記載
追加貼付け3 filir (vinar) 24例を記載 (その内4例はダルマチア地方(スプリト郵政局管内))
追加貼付け3 filir (2f +2fバイセクト) PRTROVARADIN 1919年8月6日
追加貼付け4 filir (2×2f) VINKOVCI 1919年9月10日
追加貼付け2.5 vinar
KUZMIN 1919年12月4日、チェインブレーカー5 vinar石版バイセクト=2.5 vinar
SELCE 1920年4月12日、チェインブレーカー5 vinar凸版バイセクト=2.5 vinar
図3
①3 filir追加貼り付けの例
郵便局PRTROVARADIN、クロアチア正刷2 filir切手+同切手のバイセクト=3 filir
②4 filir追加貼り付けの例
郵便局VINKOVCI クロアチア正刷2 filir切手×2=4 filir
図4 2.5 vinar追加貼り付けの例
①郵便局KUZMIN 1919年12月4日、チェインブレーカー5 vinar石版バイセクト=2.5 vinar
②郵便局SELCE 1920年4月12日、チェインブレーカー5 vinar凸版バイセクト=2.5 vinar
3 vinar切手が不足したために、5 vinar切手をバイセクトして2.5vinarを3 vinar切手の代用品として使用したと推定される。
図5 PETROVARADINのクロアチア正刷2 filir切手バイセクト
①額面印紙2 fillérが印刷された通常のハンガリーの郵便為替に、クロアチア正刷2 filir切手バイセクト=1 filirを追加貼り付けして、合計3 filirにしている。
②額面印紙2 fillérが印刷された電信郵便為替に、クロアチア正刷2 filir切手バイセクト=1 filirを追加貼り付けして、合計3 filirにしている。
図6 不必要な追加貼り付けをした使用例
額面印紙2 fillérが印刷された通常のハンガリーの郵便為替に、以下の追加貼り付けをしている例がある:
①クロアチア正刷2filir切手を追加貼り付け VINKOVCI郵便局 1919年2月14日
②クロアチア正刷2filir切手2枚=4 filirを追加貼り付け OSIJEK5郵便局 1919年5月2日
③クロアチアSHS加刷3filir切手を追加貼り付け HERCEGOVAC郵便局 1919年2月6日
これらは、適用の誤りの例である。
(2)1920年後半の加刷した郵便為替
種々の郵便為替書式に額面「Kraljevstvo SHS 10 filira」と、その他の文字記載の変更を加刷。1920年9月から1921年3月の使用例が知られている。
(3)30 vinar追加貼り付けが、1920年9月から1921年3月にヴォイヴォディナ(ノヴィサド郵政局)の僅かな郵便局で知られている。
表3
①30 vinar追加貼り付け
30 vinar追加貼り付けの10例の使用例を記載。
ノヴィサド郵政局管内の同時期の30 vinar追加貼り付けの無い使用例2例も記載。
②郵便料金無料の公用便への30 vinarの追加貼り付け
Banat Batschka/Baranya 1920年9月20日
GMBOŠ 1920年9月22日
いずれもチェインブレーカー15vinar石版2枚
③公用印「Susak-Handkasse des Forstamts」 30 vinar+6 vinarの追加貼り付け
1920年9月20日 SUSAK チェインブレーカー30 vinar凸版+3 vinar石版2枚
クロアチア、スラヴォニア、ヴォイヴォディナ、ダルマチア地方
(1)この地域の一般的状況
1918年には、ハンガリー地域(クロアチア、スラヴォニア、ヴォイヴォディナ)では、額面印紙2 fillérが印刷された通常のハンガリーの郵便為替が使用されていた。
この他に、額面印紙の印刷されていないNachnahme-Postanweisung(着払い郵便為替)とInternationale- Postanweisung(国際郵便為替)が存在していた。
この地域の郵便為替証書の価格の値上げに関する公文書を著者は入手していない。
著者の経験では、1918年12月から1920年3月まで、額面印紙の印刷されていない郵便為替は2 fillér または3 fillér切手を追加貼り付けされて使用された、しかし、この追加貼りつけをしなかった郵便局もある。
1918年12月から1919年3月まで、額面印紙の印刷されていない郵便為替は2 fillér切手を追加貼り付けされて使用された、しかし、この追加貼りつけをしなかった郵便局もある。
1919年3月以降は、額面印紙の印刷されていない郵便為替では、2 fillér (後に3 fillér)切手を追加貼り付けしていない使用例を著者は知らないと記載している。
また、この追加貼り付けの規定が郵便局で例外なく適用されたと著者は推定している。
額面印紙2 fillérが印刷された通常のハンガリーの郵便為替は、1920年6月まで使用され、恐らく使い尽くされたか、あるいは後に10 filirの加刷をされた(後述)。
1919年中頃に、郵便為替の価格が3 filirに値上げされ、額面印紙「Pošta Kraljevstva SHS 3 fil」と印刷された新しい郵便為替が登場した。
この新郵便為替証書の早期使用は1919年7月7日(ZAGREB 6)、後期使用は1920年9月である。
1919年7月から1920年3月には、額面印紙の印刷されていない郵便為替では、3 filirの追加貼りつけを必要とした。
1920年9月の3 filir追加貼りつけの後期使用例が、ダルマチア地方のスプリト郵政局管内で少数例が知られている。
1919年9月から1920年3月には、以下の郵便為替が使用された:
①額面印紙2 fillérが印刷された通常のハンガリーの郵便為替
②額面印紙の印刷されていない郵便為替 + 2 filir追加貼り付け
③額面印紙「Pošta Kraljevstva SHS 3 fil」が印刷された新しい郵便為替
④額面印紙の印刷されていない郵便為替(主としてSHS-Nachnahme) + 3 filir追加貼り付け
表2
追加貼付け2 filir 43例を記載
追加貼付け3 filir (vinar) 24例を記載 (その内4例はダルマチア地方(スプリト郵政局管内))
追加貼付け3 filir (2f +2fバイセクト) PRTROVARADIN 1919年8月6日
追加貼付け4 filir (2×2f) VINKOVCI 1919年9月10日
追加貼付け2.5 vinar
KUZMIN 1919年12月4日、チェインブレーカー5 vinar石版バイセクト=2.5 vinar
SELCE 1920年4月12日、チェインブレーカー5 vinar凸版バイセクト=2.5 vinar
図3
①3 filir追加貼り付けの例
郵便局PRTROVARADIN、クロアチア正刷2 filir切手+同切手のバイセクト=3 filir
②4 filir追加貼り付けの例
郵便局VINKOVCI クロアチア正刷2 filir切手×2=4 filir
図4 2.5 vinar追加貼り付けの例
①郵便局KUZMIN 1919年12月4日、チェインブレーカー5 vinar石版バイセクト=2.5 vinar
②郵便局SELCE 1920年4月12日、チェインブレーカー5 vinar凸版バイセクト=2.5 vinar
3 vinar切手が不足したために、5 vinar切手をバイセクトして2.5vinarを3 vinar切手の代用品として使用したと推定される。
図5 PETROVARADINのクロアチア正刷2 filir切手バイセクト
①額面印紙2 fillérが印刷された通常のハンガリーの郵便為替に、クロアチア正刷2 filir切手バイセクト=1 filirを追加貼り付けして、合計3 filirにしている。
②額面印紙2 fillérが印刷された電信郵便為替に、クロアチア正刷2 filir切手バイセクト=1 filirを追加貼り付けして、合計3 filirにしている。
図6 不必要な追加貼り付けをした使用例
額面印紙2 fillérが印刷された通常のハンガリーの郵便為替に、以下の追加貼り付けをしている例がある:
①クロアチア正刷2filir切手を追加貼り付け VINKOVCI郵便局 1919年2月14日
②クロアチア正刷2filir切手2枚=4 filirを追加貼り付け OSIJEK5郵便局 1919年5月2日
③クロアチアSHS加刷3filir切手を追加貼り付け HERCEGOVAC郵便局 1919年2月6日
これらは、適用の誤りの例である。
(2)1920年後半の加刷した郵便為替
種々の郵便為替書式に額面「Kraljevstvo SHS 10 filira」と、その他の文字記載の変更を加刷。1920年9月から1921年3月の使用例が知られている。
(3)30 vinar追加貼り付けが、1920年9月から1921年3月にヴォイヴォディナ(ノヴィサド郵政局)の僅かな郵便局で知られている。
表3
①30 vinar追加貼り付け
30 vinar追加貼り付けの10例の使用例を記載。
ノヴィサド郵政局管内の同時期の30 vinar追加貼り付けの無い使用例2例も記載。
②郵便料金無料の公用便への30 vinarの追加貼り付け
Banat Batschka/Baranya 1920年9月20日
GMBOŠ 1920年9月22日
いずれもチェインブレーカー15vinar石版2枚
③公用印「Susak-Handkasse des Forstamts」 30 vinar+6 vinarの追加貼り付け
1920年9月20日 SUSAK チェインブレーカー30 vinar凸版+3 vinar石版2枚