チェインブレーカー及び関連領域の郵便史

ユーゴスラヴィア建国当時~1922年頃までの旧オーストリア・ハンガリー帝国地域のチェインブレーカーを中心とした郵便史

191120表 小包第3期 5 Krona 1枚貼り

2007年11月24日 21時48分17秒 | 小包第3期
191120表 小包第3期 5 Krona 1枚貼り

小包第3期、クロアチア首都ザグレブからスロヴェニア宛て
小包送票:ハンガリー王国10 fillér(小包送票代金の収入印紙、小包料金に含まない)、ハンガリー語・セルボクロアート語表記、薄青紙、小型

小包ラベル:Zagreb 1 2731
左側に縦にBudapestと印刷されており、このラベルを印刷した場所と推定されます。
料金手書き:10 fillér収入印紙の左横に青紫鉛筆で5

切手:スロヴェニア5 Krona(Mi.111、目打ち後に糊引き)、合計5 Krona

料金計算:
重量料金1 kg----3.0 Kruna
代金引換料金45 K ---20 filir
配達料金---180 filir
合計 5 Kruna (料金手書き、及び貼り付け切手と一致)

消印:
印紙:ZAGREB 919 NOV 20 –N5 D1D (1919年11月20日) ハンガリー型消印
切手:ZAGREB 919 NOV 20 –N5 G1G (1919年11月20日) ハンガリー型消印
クロアチアの首都ザグレブの最も重要な郵便局である第1郵便局では、1919年11月の末になってもハンガリー型消印をそのまま使用しており、ユーゴ化(日月年の順にして年号を919ではなく下2桁の19にする)は全く行っていません。ハンガリー国王の王権を示すイシュトヴァーン・クラウンと呼ばれる王冠も残されたままです。
これは、クロアチア人にとり、ある程度の自治権を認めてくれていたハンガリー王国の方がセルビア王家よりも好ましいという意思表示であると思われます(詳細は、ブログ「チェインブレーカー及び関連領域の郵便史」の開設5、5. チェインブレーカーの使用、を参照)。

特記事項:右下の数値の記載について
手書きで、45、その下に45から右に位をずらして66、さらにその下に44.34と記載されています。明らかに引き算を行っており、小包の到着局で郵便局員が計算して記載したものと考えられます。
45は代金引換料金45 Kであると考えられます。
66は、66 filir (vinar)であると考えられ、郵便為替の料金表(近い将来公開予定)より、以下のように解析できると考えています。
国内郵便為替料金 25Kを越えて50K以下---50 vinar
郵便為替の配達料金---10 vinar
郵便為替証書の料金(収入印紙)---6 vinar
合計 66 vinar
代金引換料金45 Kから郵便為替送金に必要な金額66 vinarを差し引いた44 Krona 34 vinarを小包の発送者に送金したと考えられます。


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