チェインブレーカー及び関連領域の郵便史

ユーゴスラヴィア建国当時~1922年頃までの旧オーストリア・ハンガリー帝国地域のチェインブレーカーを中心とした郵便史

10 vinar 石版 タイプ

2010年02月14日 08時34分09秒 | チェインブレーカーのタイプ
10 vinar 石版 タイプ
チェインブレーカーのハンドブック「Priručnik Maraka Jugoslavenskih Zemalja,ユーゴスラヴィア切手ハンドブック」には、10 vinar 石版にはタイプは存在しないと記載されています。
しかし、ストークス博士によれば、他の石版と同様に10タイプが存在し、基本的には他の石版と同様に下記のように配列されているそうです。
100枚シートの場合には、10×10=100枚シートで、左の列からタイプ1, 2, 3, ・・・9, 10と配列されています。
50枚シートの場合には、10×5=50枚シートで、左の列からタイプ1, 2, 3, ・・・9, 10と配列されています。
そして、一部のシートでは、通常の配置とは異なるタイプに置換されているポジションが見いだされるそうです。

ストークス博士も述べられていますが、この10 vinar 石版のタイプの特徴は小さな点や欠損であるため、他の額面に比べて確認が困難です。
このため、過去の研究者には発見されず、チェインブレーカーのハンドブック「Priručnik Maraka Jugoslavenskih Zemalja,ユーゴスラヴィア切手ハンドブック」には、10 vinar 石版にはタイプは存在しないと記載されてきたと考えられます。

私が所有している10 vinar 石版を調査した結果
①粗紙の場合
粗紙の表面の凹凸により印刷インクが紙に付着しにくく、小さな白点や欠損が多数発生しやすいため、ストークス博士の述べられているタイプを全く確認できませんでした。
②平滑白紙の場合
インク過剰または不足、印刷時の加圧過剰または不足の場合には、小さな白点や欠損が消滅したり、多数のものが発生するため、ストークス博士の述べられているタイプを確認できませんでした。
また、版が磨耗した場合も同様に多数の小さな白点や欠損が発生するため、確認は困難だと思われます。
私の経験では、よほど理想的に印刷されたものでないと確認できないと思われます。
また、使用済みの場合には、消印のインクが妨害するため確認は未使用よりも困難です。

200716表 30 vinar石版と凸版の混貼り

2010年02月14日 08時29分58秒 | 封書
200716表 30 vinar石版と凸版の混貼り

切手:
スロヴェニア・チェインブレーカー
1次
Mi.105, 30 vinar石版
Mi.105, 30 vinar凸版
2次
Mi.122, 15 para
合計 30 para (120 vinar)

宛先: Wien (オーストリア)

郵便料金
1921年1月31日までオーストリア宛てに対して国内料金を適用
国内封書料金: 書状: 20gまで25 para (100 vinar)
(5 para (20 vinar)過剰)

消印: SARAJEVO 1 16. VII. 20. p *
ボスニア・ヘルツェゴビナのSARAJEVO 1郵便局 1920年7月16日、消印識別記号p *
ドイツ語のK. UND K. MILIT. POSTを削除してユーゴ化した消印。