クラシック音楽のひとりごと

今まで聴いてきたレコードやCDについて綴っていきます。Doblog休止以来、3年ぶりに更新してみます。

アルゲリッチ/シノーポリのベートーヴェン ピアノ協奏曲第2番変ロ長調

2006年06月26日 05時27分44秒 | 協奏曲
大雨です。よく降ります。
当地は一昨年に水害に遭っていますので、雨は怖いです。
今のところ、あのときほどの雨脚ではないんですが・・・・・さて。

今日はベートーヴェンのピアノ協奏曲第2番変ロ長調。

マルタ・アルゲリッチのピアノ、ジュゼッペ・シノーポリ指揮フィルハーモニア管の演奏。
1985年5月、ロンドンのウォルサムストウでの録音。
カップリングは1番協奏曲。

アルゲリッチがベートーヴェンの協奏曲を録音した・・・・と、発売当時、大変話題になったCD。ワクワクして発売間もない輸入盤を、ボクは永福のアンドー楽器の通販で購入した。懐かしい思い出。
演奏は期待に違わぬ名演。当時、絶好調だったシノーポリ/フィルハーモニア管のバックを得て、アルゲリッチが縦横無尽に演奏してゆく素晴らしさ。レコード・アカデミー賞を受賞したのもむべなるかなという出来だった。ジャケット写真の2人の笑顔がイイ。録音の出来に、満足していたんじゃないかな。
(あの頃は、レコード・アカデミー賞にも今よりも権威めいたものがあったような気がする)。

第1楽章アレグロ・コンブリオ。アルゲリッチのピアノは精力的。キラキラ輝くような音色を生かしながら、強弱の幅が大きく、気宇壮大な演奏を聴かせる。大胆なところがある反面、弱音部では繊細を極める。デリケートで揺らぐようなピアニシモがスゴイ。音が小さいのに迫力が漂う。さすがアルゲリッチ。
コロコロと転がるようなピアノのパッセージは、時にモーツァルト的。ベートーヴェンの後年の論理的な迫力とは一線を画する、まだまだ若いベートーヴェンがこの演奏には、いる。
シノーポリの伴奏は立派。克明で表現の幅が広いのは、独奏者と同様。フィルハーモニア管もいつもながら巧い。

カデンツァはベートーヴェン自身のもの。表現意欲に溢れた名作だと思う。

第2楽章はアダージョ。ベートーヴェンのアダージョはいつだって特別(第九を持ち出すまでもなく)、胸に染みる旋律、惻々と迫ってくる情熱。
そのあたりをアルゲリッチは見事に描き出す。しかも即興的。
ピアノは美しいだけでなく、作曲家の抒情的な部分を表現して、実に雄弁。ニュアンスも多彩。ラストのポツポツと鳴るピアノは、ちょうど今の時期の雨だれのよう。

終楽章ロンドはアレグロ・モルト。アルゲリッチのピアノは、フィナーレに来てますます好調。オケのたっぷりした伴奏に乗って感興豊かな演奏を繰り広げる。ホンマに音色が綺麗。光が零れてくるような目映い音。
いやぁ、素晴らしい。


フィルハーモニア管も好調なんですが、惜しむらくは、オケの音色にもう少し木質の肌触り・柔らかさがあればと思う。・・・・のは欲が深すぎか(^^ゞ





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