クラシック音楽のひとりごと

今まで聴いてきたレコードやCDについて綴っていきます。Doblog休止以来、3年ぶりに更新してみます。

ワーグナーの舞台神聖祝典劇『パルジファル』 レヴァイン/バイロイト祝祭管

2008年06月17日 05時45分40秒 | 声楽曲・オペラ
僕はワーグナーの良い聴き手ではありません。
LPやCDは幾つか持っておりますが、そう頻繁に聴く方ではありません。
僕にとってのワーグナーは管弦楽曲の作曲家であって、オーケストラ曲ばかり聴いてきたんですが、この春、「バイロイト33枚組BOX」が届いたこともあって、ボチボチ聴いております。
しかし、33枚も長けりゃ、1曲1曲も十分に長い。ステレオに正対して聴いていると寝そうになって、いや確実に寝てしまうだろうと思い、カーステレオ12連奏にぶち込んで通勤音楽にすることにしました。これなら飽きずに、しかも否応なく聴くことが出来ます。

という訳で、今日はワーグナーの楽劇を。
舞台神聖祝典劇『パルジファル』全曲
ジェームズ・レヴァイン指揮バイロイト祝祭管弦楽団の演奏。
録音は1985年7~8月、フィリップスの原盤だった。

クラシック音楽を聴き始めて20数年、実は「パルジファル」は持っていなかった(^^ゞ。
LP時代にはこれという廉価盤がなかったし、CD時代になっても目につかなかった。そのうちに聴こうと思いつつ、今日まで放っておいてしまった。
そしてこの数日、車の中では「パルジファル」ばかり聴いていると、いや、これ、やはり名曲。息の長い旋律、もうどこまでも伸びてゆく旋律、独特の和声、崩壊しかかった調性、リズムは著しく衰えて・・・・・と、なるほど様々な書物が「パルジファル」について書いているとおり。
そしてこのレヴァインの演奏、歌手も立派。
アンフォルタスはサイモン・エステス、ティトゥレルはマッティ・サルミネン、グルネマンツにハンス・ゾーティン、そしてパルジファルは当時絶好調のペーター・ホフマン。充実した男声陣に華やぎを添えるはクンドリーのヴァルトラウト・マイアー。
充実した歌手陣と思う。云うことなし。
そして、レヴァインの指揮棒の充実(といいつつ、僕は「パルジファル」のことはよく分からんので、偉そうなことは書きまへん。)

車の中で聴きながら、おおっ?と思った箇所が幾つもあった。
ブルックナーの音楽が聞こえてきたり、マーラーそっくりのフレーズが出てきたり、R・シュトラウスと同じようなオーケストレーションが響いてきたり・・・・・。

これ、違うんですな。逆です。ワーグナーの音楽があって、ブルックナー、マーラー、R・シュトラウスが出てくる訳です。

そして、ぼくは吉田秀和のかの名著『LP300選』を思い出したのです。
吉田秀和は云います。
「しかし、ヴァーグナーは、絶対に、きかなければならない。それでなければ、ブルックナー、マーラー、R・シュトラウスはいうまでもなく、ドビュッシーの『ペレアス』も、シェーンベルクの『月に憑かれたピエロ』も、(中略)・・・みんなある大切な体験を素通りした上の新音楽になってしまう・・・・。

まさしくその通り。僕はまたその本のワーグナーのところを読み返しました。




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