クラシック音楽のひとりごと

今まで聴いてきたレコードやCDについて綴っていきます。Doblog休止以来、3年ぶりに更新してみます。

ショパンのピアノ協奏曲第1番 ホ短調 アルゲリッチ(Pf) アバド/ロンドン響

2008年11月10日 05時58分00秒 | 協奏曲
週末の雨で四国はグッと冷え込みました。12月半ばの陽気とのこと。急に冷え込んだので、身体の準備ができていないのでしょう、大変寒く感じる日曜日でありました。そろそろ暖房の支度をしておかなければいかんですね。季節は晩秋。冬支度の候になりました。今日はピアノ協奏曲を聴いてます。ショパンのピアノ協奏曲第1番 ホ短調 作品11。マルタ・アルゲリッチのピアノ独奏、クラウディオ・アバド指揮ロンドン響の演奏。1968年2月、ウォルサムストウ・タウン・ホールでの録音。DG盤。ショパンはピアノ協奏曲を2曲しか書かなかった。どちらもポーランド時代、青春のさなかに、故国に別れを告げてゆく時のものだった。全く、青春の瑞々しさが注ぎ込まれた傑作で、僕はこの曲を聴くと、懐かしさで一杯になる。若い頃、よく聴いたなぁ。毎日毎日ショパンを聴いていた頃を思い出すなぁ。僕がクラシック音楽を聴き始めたのは、ようやく二十歳を過ぎた頃であって、楽器も出来ない、スコアも読めない、音楽用語も分からない、全くのド素人だった。どうもネットで拝見していると、多くの方は小学生の頃からクラシック音楽に親しんでいたり、詳しかったりと、驚くばかりの早熟(いや、ワタクシが遅かったのか・・・)。まあ、しかし、好きでボツボツ聴いていると結構詳しくなったり、分からん音楽が何となく分かってきたりと、クラシック音楽の楽しみは実に大きいわけで、僕などはその遅れてやってきたクラシック・ファンなのだろうが、聴き始めた頃に特に親しみやすかったのは、ショパンだったのだ。ピアノの音色が美しく、いろいろ響きが変わり、何より旋律がロマンティック、時におセンチでとっても綺麗。ショパンのピアノ作品は芸術的にも価値が高いのだろうが、若い頃の僕のような、クラシック音楽のことが何も分からん素人が聴いても、何となく親しめるところに、ショパンの良さがあるように思う。さて、そのショパンのピアノ協奏曲第1番。アルゲリッチもアバドも若い。二人とも元気で前向き。若武者と女傑の、渾身のこれは名作だろう。第1楽章のアルゲリッチの目眩くようなピアノ。絢爛にして鮮やか、情熱に富んだ演奏には、どんどん引きこまれてしまう。テンポの伸縮が頻繁に起こり、特に速いパッセージがスゴイ。指の回転に感嘆してしまう。アッチェランド気味に突進してゆくところなど、凄まじい。若いってエエなぁ。そして、一転一閃、抒情的なところでは、今度は触れなば落ちんばかりの、はかない風情を醸し出す見事さ。素晴らしい。第2楽章の静謐なロマンも素晴らしい。ショパンの想いが、アルゲリッチの指先に乗り移ったかのよう。アバドの協奏も素晴らしい。カッチリとした、ある意味若さに似合わない巧さが魅力。フィナーレは豪快で迫力満点。オケも健闘して、アルゲリッチの炎と一緒に燃えさかるようだ。録音は少し古くなった感じがしますが、演奏の熱気を十分に感じさせる見事なものと思いました。ああ、若いってエエですね。

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