クラシック音楽のひとりごと

今まで聴いてきたレコードやCDについて綴っていきます。Doblog休止以来、3年ぶりに更新してみます。

マスネの歌劇「ウェルテル」 クラウス(T)、トロヤノス(Ms) プラッソン/LPO

2006年12月21日 04時59分12秒 | 声楽曲・オペラ
アルフレート・クラウスの絶唱!
彼こそ最高のウェルテルだった・・・・・・・。

クリスマスが近づいて、四国の田舎町でもイルミネーションが光ります。
最近は家の廻りを飾るのが流行。夜になると綺麗な灯りが光る家が増えました。
朝ジョグが出来ないときに、夜ウォーキングをするんですが、今はその光が楽しいですな。ああ、クリスマスやなぁ。

こういう季節に聴きたいのがマスネの歌劇「ウェルテル」。
クリスマス・イヴの悲恋の名場面、名曲「オシアンの歌」があるからですね。

今日はEMI盤で。
アルフレード・クラウス(テノール)、タティアナ・トロヤノス(メゾ・ソプラノ)、ジュール・バスタン(バス)他の歌手たち。
そしてミッシェル・プラッソン指揮ロンドン・フィルの演奏。
録音は1979年。

最初に書いたように、この演奏はとにかく、アルフレード・クラウスに尽きる!
最高のウェルテル!

詩人ウェルテルのデリケートな感受性、傷つきやすい心情、青年の多感さ・・・・・・、クラウスの声は本当にふさわしいと思う。
全く若々しく高貴で、品格ある歌いぶり。
感情が内へとこもってゆくウェルテル。クラウスが歌うと、その心の中で燃えるような情熱が、品良く表現される。
彼の絶頂期の録音だろう。

「オシアンの歌」など、古今無双、比類なき名唱(・・・と絶賛してしまおう)

この演奏が録音された1980年前後には、カレーラスもドミンゴもウェルテルを歌っている。指揮はデイヴィスにシャイー。当時「ウェルテル」ブームだったとは思わないが、この2つもいずれ劣らぬ名盤だろう。
カレーラスはナイーブなウェルテルで良かったのだが、品格と高貴さでクラウスにやや劣る。(でも情熱的で知性的なカレーラス、ボクは好きです・・・・)
ドミンゴも巧いけれど、やはり彼はオテロやラダメスを歌うヒロイックな人だろう。

クラウスの名唱にはさすがに及ばない。

シャルロットのトロヤノスも健闘。美しい歌唱で、クラウスの相手として十分。
(本当はフレデリカ・フォン・シュターデがエエんだがなぁ・・・これデイヴィス盤)

プラッソンも上品な指揮で、繊細で美しい旋律が一杯のこのオペラを、うまくまとめてゆく。やや淡い色彩で、ニュアンスに富んだ演奏はとても好ましい。

録音も1970年代末のEMI、なかなかよろしい。
でも、録音なんて実はどうでもエエんです。
これほどの、クラウスの名唱、絶唱を聴けるだけで至福の境地。
何度でも、彼の歌に酔いたいと思います。

そして、街はいよいよ年の瀬、クリスマスであります。



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