ぼくは行かない どこへも
ボヘミアンのようには…
気仙沼在住の千田基嗣の詩とエッセイ、読書の記録を随時掲載します。

夕刻の光 改訂

2020-12-03 23:31:00 | 2015年4月以降の詩
夕刻
高台の家の庭に立つ

西の山なみから落ちた
見えない夕陽の残影が
稜線のかたちをくっきりと暗く象る
川向かいの家々の北向きの窓と壁面が
夕映えを反映してほの暗く浮かびあがる

午睡から目覚めて

映画のCGの背景のように
芝居の書割のように
実在の街が虚構のミニチュアに
化す

天然の光が光とも見えず
壁面をかすかに照らし
名残の光が
まるで
ほの暗い白熱電球の照明のように

ふと
京都の金閣寺の
向こうの山蔭からゴジラが現れる
と思った記憶がよみがえる
金閣寺は映画(と小説)のために仮設されたもの
に違いない


※改訂前
夕刻の光(2010/11/15)
https://blog.goo.ne.jp/moto-c/e/f1060405cd45910703cd94361f6828be

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