538ねん。

プログラムピクチャーとごみ映画を懐かしく語りたいなと・・・

真幸くあらば

2011-07-26 23:14:30 | 邦画
昨日見た「小川の辺」で菊池凛子さんより
その存在感を花を見てるだけで具現化していた
尾野真千子さんが気になり・・・

今月の東映チャンネルでオンエアチェックしておいた
「真幸くあらば」を鑑賞しました

そうなんですよねぇタイトルは
有馬皇子の


磐代の浜松が枝を引き結び真幸くあらばまたかへり見む

から執っていたんですね
この後に

家にあれば笥に盛る飯を草枕旅にしあれば椎の葉に盛る

と続く挽歌ですよねぇ
これで私自身が生活してましたから
スムースに万葉歌がでてきちゃいます(汗

死を前にして己の不明を詠んだものですが
そういう引用からでしょうか
刑務所での物相飯などの克明シーンとかは
なんて思ってしまいましたが・・・

面会室のジェラルミンの板がもどかしいながら
淡々と物語は進みます
映画的にこのようなクライマックスをもってくるとは・・・

女の人にとってはこういう映画がやっぱ好きなんでしょうねぇきっと
小嵐九八郎の原作を、鳥山由起子が脚色
詩人の御徒町凧が初メガフォン
製作がなんと奥山和由さん

やっぱこの人映画で時代をリードするというか
時代を読むのが上手なお方
松竹で権力闘争には敗れたものの
映画に観客が何を求めてくるかを十分に心得てる

女性が好む究極の純愛に
男性客をもとりこむ尾野真千子さんの
体当たり全裸オナニーシーンをクライマックスに据えて
男女の観客両方を満足させるという
奥山和由健在でしたねぇ・・・

御徒町監督の登場人物の心象を
風景描写に託すという使い古された手法ながら
切り取られた絵面に抒情をうまく乗せてるとこはさすが詩人です
と言ったところか

聖書を使った秘密文通とか
突っ込みどころもありましたけど・・・
ラストの尾野真千子さんの顔のアップ
というか表情がこの映画すべてを表わしてましたねぇ


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