みかんの部屋

自分の趣味(映画・漫画など)に関しての雑記ブログです。

「意味がなければスイングはない」(村上春樹著) ③

2014-06-17 12:49:17 | 音楽
えっと、どこまでお話したっけ(^^;
そうそう、戦後のアメリカで活躍した二人のユダヤ系ピアニストの話でした。

当時二人が経験した時代・極貧の環境等、似ているようで実は微妙な差があったり、
あるいは同じような体験でも両者の受け止めようはかなり異なっていたり。

性格も演奏スタイルも、ことごとに対照的な二人だったけれど、両人とも物故して
年月の経過した今、振り返ってみるとどちらも甲乙つけがたい高みを極めた存在だった
との評価が識者の間で定着してはいる。

しかし、時代は変化し続けている。
すでにクラシック音楽が「教養」として世に許容されていた時代はすでに過去のものだ。
二人の名を識る若い人はほとんどいないだろうし、クラシック音楽自体も昔ほど世間の
認知度はない(と思う。)

すべては過去となって時間の地層に埋もれていく。一面で残酷なことだとも思う。

「意味がなければスイングはない」(村上春樹著)を読んでの感想はこれでお終い。
ああ、くたびれたなあ(^^;
自分はジャズに興味がないのでメインともいえる部分をすっ飛ばして、「この本は
読み終わった」ことにしましたが、ジャズ好きな方なら、また違った受け止め方が
あるでしょう。全編これ「文章のご馳走」という感じかもしれません。

(この項おわり)


「意味がなければスイングはない」(村上春樹著) ②

2014-06-17 12:13:08 | 音楽
アルトゥール・ルービンシュタイン氏とルドルフ・ゼルキン氏。

第二次世界大戦後に米国で盛んに活躍した、上記二人の異なるタイプのユダヤ人ピアニス
トを対比させ、人物論・音楽論を展開する一章がある。

自分が高校生の頃にも二人のピアニストはそれぞれに有名だったし、LPも数多く売られて
いた。
しかしながら当時の自分は音楽・オーディオの趣味をスタートさせたばかり。とりあえず
交響曲から買い集めようとしていた。
「なぜ交響曲からなのか」というとクラシック音楽を相撲界に例えると、交響曲は横綱の
ようなイメージだったのだ。
器楽曲などは関脇・小結クラスのイメージだった。
もちろんアレもコレもいちどきに買えればたいへん良いが、そんなことは到底無理だった。

なにしろ当時は高校卒業して就職したときに貰える給料の相場は良くて2万円程度。
LPは一枚2千円以上もした。高校生の身分では到底気軽に買えるものではなかった。

まず大河・本流である交響曲の蒐集が一段落したら。ピアノ曲はそれから。
当時の自分の価値観ではそうだった。
音楽というものが解っていなかった、というしかないが、考えてみたらあれからすでに
50年以上が経過している。

そして今、自分の貧しいコレクションの中にもピアノ曲はいくつかあるが、なぜか上記の
二人のCDは一枚も入っていない。
むかしレコード屋で只でもらった新譜パンフレットに二人の名前が載っていたのを記憶して
いるだけ。

話が大幅に回り道になってしまった(^^;

(この項つづく)

「意味がなければスイングはない」(村上春樹著) ①

2014-06-17 11:34:48 | 音楽
だいぶ以前、話題になった本。

ひっくり返したタイトルがちょっと面白いなとは思っていたが、ジャズにさほど
関心のない自分は、いつかこの本のことは忘れていった。

先日 図書館の棚に並んでいるのを見て、実際に手にとってみた。
予想通り内容の大半がジャズ談義。
名前を聞いたこともない自分の知らない人物のオンパレードは、やはり門外漢に
とってはかなりのハードル。

ただ2章ほどがクラシック音楽に割かれていて、自分にとってはその部分ならば
「読める」と思い、借り出すことにした。

以下は その読後の感想。

まずシューベルトのピアノソナタ17番のさまざまなLP・CDを並べてそれぞれの演奏の
特色を対比。そのことが巧まずして優れた論評になっているのに感心した。
シューベルトという人物への考察も納得できるものだし、教わることも多いと感じた。

なにより村上氏のソフトの手持ちの量には圧倒されたし、ここまで突っ込んでの探求・
理解も自分などにはとても及ばないことだ。

読後に自分も確かこの曲のCDは持ってるはずだ....と思い、探してみたが見つからな
かった。やれやれ。
較べちゃイケナイ、と判っちゃいるが氏と自分とでは斯様に深い断崖がある(^^;
取りあえずはアマゾンでCDをチェックしてみよう。

(この項つづく)