森出じゅんのハワイ生活

ハワイ在住のライターが、日々のあれこれをつづります。

カフナストーンの特別展@ビショップ博物館

2022年10月12日 | 日記


けがをしてから1週間。かかと歩きしながら、なんとか通常の生活を送っています(歩きすぎると、かかと&土踏まずが痛くなりますが…)。

週明けは久々にビショップ博物館に行ってきました。6月から始まっていた特別展示、「ヒーラーストーン・オブ・カパエマフ」を見てきたのですね。この日曜日に終わってしまうので、行けてよかった!

ここでいうヒーラーストーン…は、ワイキキのカフナストーンのことですね(ワイキキ警察の横にあります)。これはタヒチから来たヒーラーが、ハワイ出立の際に自分たちの癒しのマナを残していったという4つの岩のこと。皆さんも、見たことがあるかもしれません。

この展示の目玉は、岩の伝説を美しい映像とハワイ語の語りで楽しむ短編アニメ。昨年のアカデミー賞短編映画部門にもノミネートされた秀作です。そのほか、広~い展示会場にはカフナストーンが一度、歴史の舞台から消え去り再発見されたくだり、ハワイの癒しの伝統全般についての展示が設置され、見ごたえがありました。しかもなんと、全ての解説が英語&ハワイ語で書かれているのもすごいです。



そのハワイ語は、ニイハウ島で使われているハワイ語で。クック船長がハワイにやって来てからも、西洋人の干渉が少なかったニイハウ島の言葉が、タヒチ語に一番近いからということでニイハウ語が採用されたそうです。細かいところまで神経が行き届いていますよね!

展示ではさらに、この企画で世に出た「ヒーラー4人は実はマフーだった。男女両性の気質を併せ持つ、特別な人たちだった」という側面に焦点を当て、なぜその部分が物語から省かれてきたかについても語られています。つまりはゲイムーブメントにも関わっていくというディープな企画でして…。過去ハワイで、女装が罪とされる法律があったことなどにも話が発展。カフナストーンの伝統に加えてもう一つ、LGBT、つまり性的少数派の問題がもう一つの軸になっている感じでした。



…正直なところカフナストーンの歴史的、文化的重要性という展示を貫くポイントがなんだか薄れてしまった気がして、この点には少し違和感を感じた私。この二つを分けた企画だったらよかったのになあ~。

ともあれ、全体として素晴らしい企画だったのは確かです! この日曜で終了なので、ホノルルにお住まいの方、お急ぎくださいネ。
コメント (2)
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