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菱沼康介の、丸い卵も切りよで四角。

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漬かってますかね?  『ピルクスの審問』

2017年06月28日 00時00分22秒 | 死ぬ前に観れるか?

【死ぬまでに観れるか?】第258回は、『ピルクスの審問』(1979)

 

 

原題は、『ДОЗНАНИЕ ПИЛОТА ПИРКСА』。

『宇宙飛行士ピルスクの審問』です。

ピクルスじゃないです、ピルクスです。

主役の宇宙飛行士の名前です。

 

 

上映時間:100分

製作国:ソビエト、ポーランド

 

 

スタッフ
監督 :マレク・ペストラク

原作:スタニスワフ・レム 『宇宙飛行士ピルクス物語』

脚本はペストラクとウラジミール・ワルツキーの共同。

撮影はヤヌシ・パヴロフスキー、

音楽はアルヴォ・ピャルトが担当している。

 

 

出演。

セルゲイ・デスニツキー (ピルクス)

ボレスラフ・アバルト  (ヤン・オティス)

ウラジミール・イワショフ  (ハリー・ブラウン)

ズビグニエフ・レセニ (カルデル)

アレクサンドル・カイダノフスキー  (トウ・ノワク)

 

 

 

物語。

宇宙飛行隊長ピルクスはスキーを楽しんでいるところを、事務局から呼び出される。

そして、重要な事実を知らされた。

すでにいくつかの国ではサイボーグの実用化が進んでおり、まもなくサイボーグが宇宙船の乗組員に加えられるというのだ。彼らは反応が早く、睡眠することもなく、疲労感もなければ、病気にかかることもない。重大な破損がおきても、機能を果すことは可能であるため、宇宙船の操作を行なうのに、人間よりサイボーグの方が安全性が高いと予想されたからだ。

事務局は、宇宙飛行中のサイボーグの能力を解明するためのテスト・フライトの隊長にピルクスを選んだというのだ。彼の報告は広く公表され、否定的ならば、サイボーグ使用は中止されることになる。

ユナイテッド・アトミック・ラボラトリー社は、ピルクスはサイボーグに否定するのではと不安を抱き、ピルクスの車をつけ、巨大トラックで襲うが、失敗する。

ピルクスは事務局の提案を受け入れ、サイボーグの乗組員とともに宇宙船ゴリアテ号で土星へ向かう。

乗り組員はピルクスの他に、第一パイロットで神経学者のカルデル、サイバネティックス学者のトム・ノワク、電子工学者のヤン・オティス、第二パイロットのハリー・ブラウン、技師のクルト・ヴェーベルの五人で構成されている。あらかじめ偏見を持って観察しないよう、誰がサイボーグなのか、ピルクスは知らされていなかった。そこで、ピルクスは乗り組員の正体を見抜くため、さまざまなテストを編み出す。

 

 

 

 

 

人類にそっくりのロボットは、人間にとって味方なのか、それとも敵なのか? スタニスワフ・レムの原作『宇宙飛行士ピルクス物語』(早川書房)に基づき、マレク・ペストラクが監督したSF。

 

 

 

受賞歴。

トリエステの国際SF映画祭で金のアステロイド賞を受賞している。

 

 

 

ネットによると。

原作は、『ソラリスの陽のもとに』、『コングレス未来学会議』などで知られる20世紀最高のSF作家の一人とされるスタニスワフ・レムによる、ピルクスを主役とした連作短編集。

ピルクスが最初は落ちこぼれのロケットパイロット養成所の訓練生だったところから始まってパイロットとして経験を積み、後半では実績を持つ名の知れた船長となっている。

しかし、この本はピルクスの成長物語ではない。

ピルクスが経験を積んでいく中で出会った不思議な現象、事件事故の記述と、ピルクスがそれにどのように対処したかが描かれる。

上下巻で10話のうち、最初の養成所のシミュレータでのテストを切り抜けた話以外は、すべて話の最初に何か事件が起こり、ピルクスが主体的にあるいは傍観者として原因を追及する構成になっている。

 

映画の評価はそこまで高くないようですが。 

 

 

原作は、1966年が初版。

もしかすると、萩尾望都の『11人いる!』の元ネタかも。

 

これは見たい。

 

 

 

 

 

 

 

 

ネタバレ。

物語の残り最後まで。

 

やがて、乗組員のカルデルが反抗する。人間に服従したくないという願望と非のうちどころのないメカニックな本性が、か弱い人間の肉体に優越していると確信していたからだ。サイボーグはカルデルだった。

彼は飛行の放物線を変え、宇宙船を宇宙の奈落ヘ追いやろうとした。しかし、サイボーグは一つのことを考慮していなかった。複雑な状況に追い込まれたピルクスは人間的弱点をさらけ出し、危機一髪の瞬間に命令を下さなかったのだ。

それをサイボーグはピルクスの高い能力だと思い、動きが鈍る。

その機を逃さず、ピルクスはハリーと一緒にカルデルにとびかかった。カルデルは破壊された。

地上に帰還すると、ピルクスは字宙法廷に立たされた。ピルクスはなぜ高価なサイボーグの破壊を末然に防げなかったのかを説明し、自分とハリーの行為が正しかったことを証明しようとするが当事者の言葉は届かない。

しかし、ピルクスのため証言台にあがったトム・ノワクの供述は、理路整然としたもので、言葉の端々に知性と愛情と人間性がうかがわれた。

この証言によって、無罪となったピルクスは、同僚に対する感謝の気持ちにみたされた。これぞ、人間である、と。

だが、実は、トムもまたサイボーグだった。サイボーグはカルデル一体ではなかったのだ。思考するサイボーグはすでに人間とほば同じ能力を持ちあわせていたのだった。

 

 

 

 

 

 

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