菱沼康介の、丸い卵も切りよで四角。

日々の悶々を、はらはらほろほろ。

バッジは心につけてある。  『L.A.ギャング ストーリー』

2013年05月17日 00時00分01秒 | 映画(公開映画)
で、ロードショーでは、どうでしょう? 第425回。


「なんか最近面白い映画観た?」
「ああ、観た観た。ここんトコで、面白かったのは・・・」







『L.A.ギャング ストーリー』








ルーベン・フライシャーのギャングVS警察のエンターテインメント・ムービー。



ポール・リーバーマンの手による原作『GANGSTER SQUAD』を映画化。
ミッキー・コーエンVS警察のギャングスター部隊の実話を基にした物語。

原題も原作小説も『GANGSTER SQUAD』で、警察の違法ギャングなりすまし部隊のギャングスター・スクワッドを主役にしている。
邦題は『L.A.ギャング ストーリー』として、ギャング側を主役のようなタイトルにしているのは、売りのスターがショーン・ペンだからだろうし、傑作『L.A.コンフィデンシャル』をイメージしたのだろうか?
これは、正義によりがちな日本映画では珍しいことで、ここからもこの映画の宣伝が混乱していることがよくわかる。


あらすじは、1950年代の完全にギャングのミッキー・コーエンの組織に支配されたロサンゼルスは、警察さえ賄賂にまみれ、手も足もでない状態になっていた。
この状態に怒りを爆発させたオマラ巡査部長は同じ思いを抱えたパーカー市警本部長の命令で、目には目を悪で悪を討つギャングになりすました部隊を結成し、ミッキー・コーエンの組織と戦争を開始する。
それは勝っても負けても闇へ葬られる誇りだけが報酬の戦いだった。
しかも、正義のために、悪を行なうギャングスター部隊は、ギャングさえ相手にしない警察内部のはみ出しものしか入れられないぎりぎりの部隊なのであった・・・。

つまり、今作の狙いは『アンタッチャブル』である。
しかし、あの重厚さではなく、フライシャーの中二病爆発版となっている。



ギャングスター部隊を組むのは、5人。
戦争帰りの正義感の隊長にジョシュ・ブローリン。
ギャングの友人さえいるプレイボーイの警官ライアン・ゴズリング、
暴力過剰の警官に、アンソニー・マッキー。
軍で諜報活動をしていた警官に、ジョヴァンニ・リビシ。
往年のスター警官に、ロバート・パトリック。

彼らを結成させる市警本部長に、ニック・ノルティ。

ミッキー・コーエンにはショーン・ペン。
ショーン・ペンの情婦にエマ・ストーン。


残酷なシーンはあるが、人の子オロの闇には踏み込まず、おおt子が萌えるシチュエーションを重視し、プロットをガンガンに押し進めていく。
この快活さ。

悪に対して、孤独な戦いを挑む様。
仲間を集めていく様。
作戦の成功と失敗。
ピンチピンチピンチ。
もう、実話とは思えぬ虚構感でぐいぐいと物語っていく。



戦争が終わり、躁病的な50年の喧騒を映像で魅せたのは、撮影のディオン・ビーブは『シカゴ』や『SAYURI』などの絢爛豪華な作品で有名だが、他に『コラrテラル』、『マイアミ・バイス』などのマイケル・マン作品のスタイリッシュも撮影している名手。





ギャング映画の雄ワーナーブラザーズ発の娯楽ギャング映画をポップコーンムービーの騎手が手がけた快作。
その激しさと軽さに快哉。














おまけ。

この映画の公開前に、映画館での銃乱射事件があり、銃撃に関してなど配慮をなされて再編集されたそうだが、それをほとんど感じさせない出来になっている。


たしかに、情緒がないのが少々きついかな。
アメリカでさえ、さすがにヒットしなかったのも頷けてしまう内容に大しての軽さは、いっぺん受けは厳しいかもしれないが、すでに『アンタチャブル』やバイオレンスよりの『狼たちの街』などがあるなあk、こういう軽みのあるのもアリだ。











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