で、ロードショーでは、どうでしょう? 第2373回。
「なんか最近面白い映画観た?」
「ああ、観た観た。ここんトコで、面白かったのは・・・」
『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』
香港の魔都“九龍城砦(キュウリュウジョウサイ)”に逃げ込んだ男が辿る過酷な運命を描くカンフー・ギャング・ドラマ・アクション。
香港映画史上最大のヒットを記録した。
物語。
1980年代香港。
密入国した青年チャンは、黒社会のルールを拒んで己の道を選んだために組織から目をつけられてしまう。
追い詰められた彼は運命に導かれるように、魔都と呼ばれる九龍城砦(きゅうりゅうじょうさい)に逃げ込む。
しかし、チャンは騒ぎを持ち込むものとして、排除されそうになる。
原題:『九龍城寨之圍城』(『九龍城塞包囲戦』)
英題:『Twilight of the Warriors: Walled In』(『戦士たちの黄昏: 壁に囲まれて』)
『SPL 狼たちの処刑台』のルイス・クー、サモ・ハン、アーロン・クォック、リッチー・レンら豪華キャストが集結。
監督は、『ドラゴン×マッハ!』『アクシデント』のソイ・チェン。
アクション監督『るろうに剣心』シリーズの谷垣健治。
音楽は、『イップ・マン』シリーズの川井憲次。
こいつは、アクションの進化が止まらない現在の世界アクション映画界へ、かつてのアクション帝国からの返答だ!
『RRR』に比肩する見るエナジードリンク。
高速で、縦横無尽かつ時代も渡る、カンフーと現代戦闘に武器と素手に奥義と、バラエティ豊かに斬撃が舞う。
中華圧を跳ね返すかのように、香港映画史さえも見せる。
これぞ香港映画の真価とばかりに香港映画人が総力を結集している。
なんといっても、バトルシーンが出てくるたびに、どんどんパワーアップしていきながら関係が深化していく凄み。『るろうに剣心』の『3』のアレヲさらにさらにパワーアップし見せて、現在進行形とはこういうことだと突きつけてきます。
中二だったら、見た次の日にカンフー習いに行ってたな、こりゃ。
ラブ要素をはぶき、10人の漢がガチガチにゴツゴツぶつかり合って帯びた熱は触れたら火傷どころか、骨まで溶けるほど。
ドラマとアクションに凝縮させて、10人いても、まったく交通渋滞が起きなていないのも技あり。
ラブ要素を省いたのも効いている。ギャングものはここで種類が分かれるよね。
もう一つの主役は、5000万香港ドル(約10億円)をかけて制作した九龍城砦。その生活感もりもりの密集度はもう画面を見ているだけで没入させてくれる。この素晴らしさたるや。
スタッフ・キャスト両方が主になって画面に迸っている。
年の初めに年ベスト級を味わえる喜び、だって今年もいい作品に出合え続ける充実を期待させるじゃないですか。
その仲間力は、物語と呼応していて、中年世代、若者世代それぞれの絆、将軍と臣下、師弟関係など恩と情とでかっちりと築いていく。
隣の客がぽかんとくちあっけぱなしからの拳ぎゅんに切りしてたら、俺もそうだぜ!と握手したくなるのが当たり前蹴り。
竜巻で糸は切れても凧は舞う、風に飛ばされても、どこかに芽吹く種のように、という一本。
製作国:香港
上映時間:125分
製作年:2024年
映倫:PG12
スタッフ。
監督:ソイ・チェン
アクション監督:谷垣健治
製作:ジョン・チン、ウィルソン・イップ
原作:ユー・イー(余兒)(小説『九龍城寨』)
脚本:オー・キンイー、ソン・クワンシン、チェン・タイリ、ジャック・ライチュン
撮影:チェン・チュウキョン
音楽:川井憲次
配給:クロックワークス
出演。
レイモンド・ラム (陳洛軍(チャン・ロッグワン))
ルイス・クー (龍捲風(ロン・ギュンフォン)/九龍城砦のボス)
テレンス・ラウ (信一(ソンヤッ)/龍の右腕)
トニー・ウー (十二少(サップイー)/虎兄貴の右腕)
ジャーマン・チャン (四仔(セイジャイ)/治療師)
サモ・ハン (大兄貴/市場のボス)
フィリップ・ン (王九(ウォンガウ)/大兄貴の組の若頭)
リッチー・レン (秋兄貴/九龍城砦の大地主)
ケニー・ウォン (虎兄貴/廟街のボス)
アーロン・クォック (陳占(チャン・ジム)/殺人王)
あらすじ。
1980年代。香港へ密入国した陳洛軍は偽身分証を手に入れる為、黒社会の大兄貴が開催した賭け試合に出場勝利する。
格闘の腕を見込まれ大兄貴から自分の元に来いと誘いを受けるが、黒社会との繋がりを忌避し拒否。
後日偽身分証が出来たとアジトへ赴くも渡されたのは一目で偽造と分かる紙切れ。侮られ手に入れられるはずの金も受け取れない陳は怒りに任せ金袋の一つを奪い逃走。
王九達手下に追われ逃げ込んだ先の九龍城砦。
今度は、城砦内を仕切る龍捲風の一派の若頭の信一に騒ぎの種と追われる羽目になる。
現在三部作として続き2本が製作中。
過去のボスたちの因縁を描くプリクェルと直つながりの続編だそうです。
漫画原作にあるのかもね。だって、冒頭で過去の因縁を一気に見せるものね。
あ、これ、活の香港映画を代表する名作『インファナル・アフェア』三部作と同じね。