菱沼康介の、丸い卵も切りよで四角。

日々の悶々を、はらはらほろほろ。

紅黒戦。 『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』

2021年12月05日 00時00分55秒 | 映画(公開映画)

で、ロードショーでは、どうでしょう? 第1974回。


「なんか最近面白い映画観た?」
「ああ、観た観た。ここんトコで、面白かったのは・・・」

 

 

 

 

『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ

 

 

記者エディと寄生相棒ヴェノムが、殺人鬼と寄生相棒カーネイジと戦うアメコミ・アクション。

マーベル・コミックスでスパイダーマンの宿敵として人気を博す“ヴェノム”の単独映画として、大ヒットしたアメコミ・アクションの続編。
ソニーズ・スパイダーマン・ユニバースの第2弾。

 

主演は、トム・ハーディ。

共演はウディ・ハレルソン、ミシェル・ウィリアムズ。

 

監督は、新たに、『ブレス しあわせの呼吸』、『モーグリ:ジャングルの伝説』のアンディ・サーキス。

 

 

物語。

地球外生命体シンビオートがジャーナリストのエディに寄生して誕生したヴェノムは今や二人で一人となった。
ある日、収監中の連続殺人鬼クレタスへ取材し、エディはクレタスが手を下したであろう未解決事件に挑み、辣腕記者の地位を取り戻そうとする。

若きクレタスには人生の希望である恋人フランシスがいたが、彼女は研究施設に入れられ、引き離されてしまった過去があり、彼は今も彼女のことを思い続けていた。

エディは、元妻アンに呼び出される。

原案:トム・ハーディ、ケリー・マーセル
脚本:ケリー・マーセル

 

 

出演。

トム・ハーディ (エディ・ブロック/ヴェノム)

ウディ・ハレルソン (クレタス・キャサディ/カーネージ)
ナオミ・ハリス (フランシス・バリソン/シュリーク)

ミシェル・ウィリアムズ (アン・ウェイング)
リード・スコット (ダン・ルイス医師)
ペギー・リュー (ミセス・チェン)

スティーヴン・グレアム (マリガン刑事)

ジャック・バンデイラ (若いクレタス)
オルミデ・オロルンフェミ (若いフランシス)
ショーン・デラニー (若いマリガン)

リーズ・シェアスミス (司祭=ファーザー)

 

 

スタッフ。

製作:アヴィ・アラッド、マット・トルマック、エイミー・パスカル、トム・ハーディ、ハッチ・パーカー
製作総指揮:バリー・ウォルドマン、ジョナサン・カヴェンディッシュ、ルーベン・フライシャー

撮影:ロバート・リチャードソン
編集:メリアン・ブランドン、スタン・サルファス
音楽:マルコ・ベルトラミ

 

 

『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』を鑑賞。
現代アメリカ、記者エディ&寄生相棒ヴェノムが、殺人鬼&寄生相棒カーネイジと戦うアメコミ・コメディ・アクション。
マーベル・コミックスでスパイダーマンの宿敵ヴェノムの単独映画の続編。
無駄を省きまくった超シンプル脚本で、バディ・コメディしっかり、触手アクションも数を絞って一回を長くしている。
コメディ強めの本来のアメコミの王道の方向。そこをブラックさとヴィランの凶悪さを前面に押し出す。だから、よく見るとヴェノムはだいぶ丸くなってる。『うしおととら』、『寄生獣』の人食いとの暮らし自体がコメディの設定になっている。そこには『呪術廻戦』の取り込んだ盛り上げ要素というフィクションの強力なフックがさらに押し出されている。
話のテンポも速く、1.25倍速鑑賞のようで、そこに現代的な映像速度への意識がある。まさかの100分を切っているしね。
MCUがやりづらくなったコメディ路線(『GOG』、『アントマン』、『スパイダーマン』が担っていたがは暗視が進めばシリアスになる。で、『ソー3』でそこに向かわせるがやはりシリアス終わりに。なので、ドラマなどコメディ路線を探っている)で存在感を示す。これはDCでも『スーサイド・スクワッド』や『シャザム』が担っている。その上、MCUではやりづらくなったブラックコメディなので、他のアメコミのヴィラン単独映画が目指す方向を完全につかんでいる。(MCUもドラマでは初の単独ヴィランもの『ロキ』でそれを目指したのがわかるし、今後、『エコー』や『アガサ』でもそこを目指していくのではなかろうか。そして、『デッドプール3』をとりこむことでそこを埋める)
副題にもそこの要素を感じさせているのは巧い。副題つける時はこういうセンスをお手本にして欲しい。
そこに、もう一つ大事な要素がある。それはラブコメ。前作でもやっていたがそれを敵にも入れて、三角関係vs四角関係(マリガンもバシとして見れば五角形でもある)関係の対決にし、強めている。そもそもヴェノムからカーネージは生まれているので、十二角形とも言えるのだ。
しかも、流行りのチーム戦にもなっている。このことによって今作は頭一つ出ており、映画史でもなかなかない構造である。
凶悪なラブストーリーでも複雑サイコパスを演じさせたらウディ・ハレルソンの右出れるのが何人いるか、それを今作でもそれを発揮。付け合わせのリード・スコットが味を変える。ネタ自体は前回と同じシットコムの味わいが続編ならではの楽しみになっており、関係が勝敗以上の価値を持たせている。
なにより、関係というものが物語の面白さが重要だということを思い知る。
記者ものでもあるのだが、記者は関係をあぶりだす仕事ともいえる。
CG祭りの戦闘もきちんとした場所設定と撮影(フルCGとの融合も含め)で滑らかに物語から距離をとらせない。
マルコ・ベルトラミの音楽は、クラシックと現代デジタルサウンドを融合させ、まさに寄生を表す音楽で物語を支える。
やっぱ、こういうひねたカミソリカーブみたいな娯楽映画がないとね。『アイスロード』とかさ。
2+1から3×4で四倍にした双作。

 

 

 

おまけ。

原題は、『VENOM: LET THERE BE CARNAGE』。
『毒液:虐殺しましょう』。

 

2021年の作品。.

 

製作国:アメリカ
上映時間:98分
映倫:G

 

配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント  

 

 

 

「わーお!」なポストクレジットシーンがあります。

 

 

ソニーズ・スパイダーマン・ユニバースは、続いて、第3弾に『モービウス』が待機中。
次に、『クレイヴン・ザ・ハンター』が発表され、『ナイトウォッチ』、『マダム・ウェブ』、『:ジャックポット』が開発中。
そして、ヴィランチーム『シニスター・シックス』も動いているとのこと。

 

 

 

 

 

 

 

ネタバレ。

レイヴンクロフトはマーベルコミックでは有名なスーパーヴィランの収容所。

 

クレタスがエディに送る手紙の上でつぶすのは蜘蛛で、スパイダーマンを匂わせている。

 

まさかのポストクレジットシーンは、そのまま『スパイダーマン:ノー・ウィエ・ホーム』とつながるのだろう。
だが、スパイダーマンまたはスパイダー・メナスと呼ばれており、マルチバースの別のスパイダーマンであることが予測される。
ソニー側の、ソニー×マーベルスタジオでのトム・ホランド主演の『スパイダーマン』新三部作に、『ヴェノム』を融合(寄生)する。
順調に進むなら、『スパイダーマン4』は25年頃ではないかと推測される。

MCU『スパイダーマン』シリーズのヴィランは科学技術を纏うタイプ(バルチャー、ミステリオ)で特殊能力の獲得者はスパイダーマンだけというラインにしている。(『3』のエレクトロもどうやら機械タイプっぽい)
『3』で出てくるドクター・ストレンジは魔術使いではあるが、これもまた努力で獲得した技術ともいえる。だが、サンドマンが出てくるとスパイダーマンと同じになる(3D映像の可能性もまだある)し、変わるし、ヴェノムが入ってくると、そこは変わってしまう。そもそもシュリークがミュータント出ここからXーMENの流れになっていくということなのかもしれない。

ちなみに、MCUは地球在住の者では生まれついての能力者をほぼ無しにしている。アイアンマン、ハルク、ブラックウィドウ、ホークアイ、キャプテン・アメリカ、ファルコン、スカーレット・ウィッチ、ヴィジョン、ブラックパンサー、アントマン、スパイダーマン、ドクター・ストレンジ、シャン・チーなどなど。ソーやロキなど宇宙系だとそういうタイプもいるけども。スターロードは宇宙人とのハーフだし。地球系では後天的に獲得したものばかりになっている。のちにX-MENが来たときのために開けておいたのではないかと思われる。

で、このままヴェノムが合流するならば、シュリークがMCU初のミュータントということになるのではないか。

だが、『ヴェノム』シリーズから見れば、今作の四角関係が五角六角七角と増やしていくという方向性を得られるともいえる。
その先には、シニスター・シックスというさらなる角が待っている。

 

カーネージが司祭をファーザーと呼び、食べることで、ヴェノム(ファーザー(父))を食べてやるとドラマを想像させる。
だが、逆にヴェノムがカーネージを食べる。

 

目を光らせたマリガンは、シンビオートが入ったんでしょうな。
原作では、トキシンというダークヒーローになるそうです。

 

大聖堂対決は、サム・ライミ版『スパイダーマン3』でも工事中の教会だったので、踏襲して原作含めてリスペクとしている。

 

モービウスは予告編で、「俺はヴェノムだ」となっているシーンがあり、どこで知ったのか、という関係についての楽しみがある。
MCUも関係を時期にしており、関係こその人間ドラマの軸であることがわかる。
シンビオートは寄生して人格を得るキャラなので、まさに関係を象徴している。
DCEUが上手くいってないのは、関係の描き方が薄いんですよね。
『スーサイド・スクワッド』シリーズも関係の構築が甘い。
『ガーディアン・オブ・ギャラクシー』は関係の書き方が素晴らしかった分、気になるのよね。(関係は描いているが、分散している。ヴィランは無理矢理関係を結び、ラットは関係で勝利する。ジャベリンの槍とかも関係のアイテムだがあまり強くない。ブラッドスポートも家族ドラマ持つが薄い)

 

シンビートは膨大な記憶をもっていて、それの共有を制限しているらしい。
テレビに映ったスパイダーマンを知ってるような容姿だったのもその一つなのか。

 

 

 

 

 

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