一期一会

日々是好日な身辺雑記

「何者」「何様」/ 朝井リョウ

2023年04月15日 | 日記
朝井リョウの2013年直木賞受賞作「何者」を日曜日に読んだ。受賞当時25才の若手作家という事で話題になったが、「桐島部活やめるってよ」の作家とのイメージがあり、爽やか青春物かと思い特に関心がなかった。
それが日経新聞夕刊の今月からの新連載小説「イン•ザ•チャーチ」を読んだら心理描写に優れ、イメージと違う作風だった。手元に読む本がなかったので、図書館の検索をしたら貸出可となっていたので、早速借りて読んでみた。

同じ大学に通う男女5人の就職活動をテーマに物語は展開する。この小説の語り手で大学では演劇活動をする拓人、アパートのルームシェアをする光太郎はヴォーカルとしてバンド活動をしている。
コロラドへ短期留学をしていた女子大生の瑞月、同じくマイアミに短期留学し、瑞月の留学仲間の理香。この4人を取り囲む人物として拓人の先輩で大学院生のサワ先輩、拓人の演劇仲間で劇団座長の烏丸ギンジ、サラリーマン生活に否定的で就職活動に対しニヒルに構える理香の同棲相手の宮本。

それぞれの人物描写が多面的で深い。また語り手拓人の言葉で人間関係の心の動きの微妙さが繊細に書かれている。
落ち続ける就職活動の中で、表面的な付き合いとは違う思いがぶつけられる。そして要所に沢以外の6人のツイッターへの投稿文が出てくるが、それがこの小説を構成する重要な要素になっている。ツイッターがメールアドレスから別アカウントを探せるというのをこの本で知ったが、この別アカウントで拓人が宮本や理香、ギンジの事を否定的に描いている事が、理香から暴かれ責められるが、投稿文と並行して理香から発せられる言葉が凄くて深い。

とにかく初めて読んだ朝井リョウの小説「何者」は面白かった。面白いという言葉ではこの小説を適切に表現出来てないと思うが、ボキャ貧なので他に思いつかない。文庫本336ページを日曜日の午後に一気に読めた。



そんな「何者」を読み終えた後に、朝井リョウの小説をもっと読みたいと、図書館の蔵書検索をして貸出可になっていた「何様」「スペードの3」「桐島、部活やめるってよ」の3冊を予約して、ジム休暇日の水曜日に取ってきた。「何様」は「何者」のアナザーストーリーで、光太郎、理香と宮本、サワ先輩こと沢渡、ギンジの4編が三人称で描かれている。「何者」のその後ではなく、光太郎は高校時代、理香と宮本は同棲に至るショートストーリー、沢渡とギンジは「何者」の後という時間設定で描かれている。他2編は「何者」の登場人物とは関係ないストーリーだが、最終篇(何様)は人事担当者としての視線で、就活の面接を受ける学生、それを採用の可否で判定する面接者は何様なのだろうというテーマになっている。「何様」も「何者」同様、一気に読めた。
朝井リョウの小説2冊を読んで一番感じたのは、ストーリーや物語展開で読ませる作風ではなく、
日常的な題材をベースに、登場人物の人間描写、心理描写でそれも決して暗くも重くもなくという作風なのだろう。







一昨日、村上春樹の6年ぶりの長編小説「街とその不確かな壁」が発売になった。その日の日経新聞朝刊の文化欄にインタビューの内容と共に大きく載った。未だ買ってないが、前述の通り図書館から借りた朝井リョウの「スペードの3」と「桐島、部活やめるってよ」を先に読まないといけない。27日からカミさん、娘と4泊5日で九州旅行に行くので、「街とその不確かな壁」はGWの1日〜3日に読む事にしよう。
この3日間は祝日でジムは平日会員の月〜土の利用なので、時間はたっぷりある。今回の旅行のエアーチケットは、息子が自分のANAのマイレージから3人分を手配してくれたものだ。コロナ禍になる前は正規料金での海外出張をよくしていたので、マイレージが貯まりその有効期限が切れるからとの事だった。

これから5月は季節も良くなり、本を読むのも自宅ではなく飲み物を持ち、公園のベンチで読むのも良いだろう。そんな手ごろなベンチが幾つもある。

週末の桜

2023年04月02日 | 日記
水曜日のジョギングでの花見が今年の桜の見納めかと思ったが、カミさんが今年は西武鉄道本社前の桜しか見ていないと言うので、昨日は土、日と航空公園で市民フェスティバルが開催されており、図書館への返却本もあったので、見物かたがた花見に行ってきた。
毎年4月のこの時期に開催される市民フェスティバルもコロナ禍で3年ぶりの開催だった。これから全国で3年ぶりというイベントが開催されるのだろう。5月からは新型コロナウィルスもインフルエンザと同じ第5類に分類される。
先月からマスク着用は自主判断となったが、未だ街行く人達もマスク着用が圧倒的で、ジムでもしていないのは片手に満たない。私はマスク代も馬鹿にならないのでしないが、スタジオでのヨガは空気入れ換え対応なので、同調圧力によりマスクを付けている。

午後から行った航空公園は、快晴の天気と春休みという事もあり、家族連れで賑わっていた。
市民フェスティバルという事で、管楽器や弦楽器など音楽のサークル、和太鼓のサークルなどの演奏が数ヶ所で行われていた。昔から和太鼓が好きで、この日もしばらく聴いていたが、カミさんは公園内にある図書館で雑誌を読んでいると先に行った。
和太鼓と言えば、佐渡の和太鼓芸能集団(鼓童)の5月27日のコンサートチケットを購入してある。
一応カミさんにも声をかけてみたが、(私はいいわ)とパスされた。当然予想された返事だったが、登山や旅行と何かと単独行も多いので、一声かけるというプロセスは重要だ。







そして日曜日の今朝はいつも通り4時には目が覚めてベッドから出る。平日の朝は前日予約録画しておいたテレビ番組(日経プラス9)、(WBS)、(国際報道2023)をビデオコントローラ片手に、早送りとCMスキップで見るのだが、日曜日の朝はこの3つの番組録画がない。
日経新聞の配達が4:45頃なので、それまでiPadで1週間分の日経電子版を読み返す。日経電子版は日経新聞の紙面ビューワーとしての機能と、電子版独自の記事もある。
電子版料金で新聞と電子版が読めるのだが、カミさんが新聞紙で読むので両方の料金を支払っている。

日経新聞が届く頃に朝食を作り始め、読みながら食事をする。就寝時間、起床時間のカミさんとの時間差は2時間半から3時間くらいある。日曜日の朝はジョギングの日で、暖かな季節にもなってきたので食事の後は出かけられるのだが、ジムのヨガのネット予約が1週間前の7時スタートなので、それが済むまで出れない。
3分前にアラームをセットしておき、スマホで7時スタートと同時に画面をタップし、スペースも指定して予約するのだが、この土曜日のヨガのクラスが1番の人気で、30名定員が2分で満員となり3人のキャンセル待ちとなっている。幸いにも今まで予約出来なかった事はなく、いつも3番以内での予約になっているようだ。







そんなヨガの予約を済ませた後で7:10には家を出て、今朝はもう一つの桜の見所である多摩湖まで八国山を走ってきた。このコースは家から八国山までの一般道は歩き、尾根道往復35分くらいのジョギングだ。八国山は山と言っても所沢と東村山にまたがる丘陵で、宮崎駿のトトロ森のモデルになった雑木林が広がり、これからの新緑の時期には気持ちの良いコースだ。

多摩湖の土手下の狭山公園の桜は、散り始めではあるが充分見応えがあった。
いつも通る西武鉄道本社前の桜は散ったので、これで本当に見納めだろう。