一期一会

日々是好日な身辺雑記

「ウォール街のランダム•ウォーカー」

2020年10月31日 | 雑記
「ウォール街のランダム•ウォーカー」を一週間かけて読み終えた。サブタイトルに(株式投資の不滅の真理)とあるので、普段ほとんど読まないHow To本のようだが、150万部というミリオンセラーで長年世界中で読み継がれた古典的経済書なので図書館から借りて読んでみた。
45年前に初版が出てから改訂を重ねて、今回の本は昨年7月に出版された12版だ。
著者のマルキール教授はプリストン大学の経済学者で、フォード政権下で経済諮問委員会委員を務めた経済・金融の専門家である。

ランダム・ウォークとは(物事の過去の動きからは、将来の動きや方向を予測することは不可能である)という事を意味する言葉である。これを株式市場に当てはめると、投資顧問サービスや証券アナリストの収益予想、複雑なチャートのパターン分析をしても無駄だということだ。

投資と投機の違いから書き始められ、投機家にとってはこの本は何の役にも立たないと断っている。市場の狂気として17世紀のチューリップバブルから、1960年代から90年代の株価バブルについて語られ、1989年の日本の株価ピーク時には株式時価総額はアメリカの1.5倍の4兆ドルに達し、世界全体の株式時価総額の45%を占めたとしている。
そのバブルの最中に公開されたNTTの時価総額はAT&T、IBM、エクソン、GE、GMを全部足したものより大きかったのだ!

その頃は電機を中心にNEC、東芝、パナソニック、三菱電機、安川電機などの株取引をしていたが、現在の運用額の10%くらいで、お金がまとまるとせっせと住宅ローンの繰り上げ返済をしていたのだ。
半沢直樹の決めゼリフではないが、25年ローンを組むとその金利で倍返しだったのだ。

第2部では株価分析の2つの手法テクニカル分析とファンダメンタル分析について述べ、(テクニカル分析は科学的な外見を装っているが、実は占星術と同類である)と。
第3部では新しい投資テクノロジーとしてスマート・ベータとリスク・パリティについて書かれているが、このへんからガクンと読むスピードが落ちたが、4部構成501ページを読み終えた。
45年前が初版だがこの第12版では行動経済学や仮想通貨を取り上げているので、大きな改訂を続けているのだろう。 因みに仮想通貨に関しては、価格上昇の度合いと短期間の価格変動幅の大きさから、チューリップバブルも凌駕する、史上最大のバブルだと断じている。ドルコスト平均法など投資戦略についても述べられているが、一貫して述べられているのは(個人投資家は、個々の株式を売買したり、プロのファンド・マネージャーが運用する投資信託に投資するよりも、インデックス・ファンドを買ってじっと持っているほうが、遥かに良い結果を生む)というバイ・ホールド理論だ。

株式投資理論としては正しいのかもしれないが、株式投資を毎日の生活の張り合いとして、調べ、考え、中小型の成長株を探し、20%から30%の利幅で売買するスイングトレードの考えに合わないし、保有しているだけでは面白味がない。

因みに昨年末の証券口座保有額からコロナ禍で3/19に50%まで下げ、最安値となった保有額も85%近くまで戻した。情報・通信、サービスの中小型株に投資していたのが良かったのかもしれない。
昨日はシステナを利益確定売りし、その資金でバイオ創薬ベンチャーのGNIを買った。
どちらもこの1年間で2回売買しているので、GNIは3回目の買いとなるが、この株はとにかく値動きが軽いというか荒い。そして東証マザーズの小型株だが出来高も大きくなる時があるが、アクティブ・ファンドが関わっているのだろう。
12月決算で増収増益の予想なのだが、10/6に4070円の年初来高値を付けてから昨日の終値1800円まで急落している。11/13がQ3の決算発表でそれまでは下げるかもしれないが、そのリスクも考えた上で逆張りで買った。アクティブ・ファンドの空売りの餌食にならないように、売値は2500円と決め、年末までの売りを目論んでいるがどうなるか。
中国での肝線維症治療薬F351の臨床試験の結果で有効性が評価されたと、IRニュースで発表されたが、専門的過ぎてよく分からない。サンバイオの暴騰暴落の例もあるし、バイオ創薬は難しい。

そして来週はいよいよアメリカ大統領選だ。日本時間の11/4正午頃には大勢が判明するらしいので、この日は家に篭ってネットとテレビに釘付けになるだろう。
NHK BSで9:00から15:50までABCの開票速報が放送されるので見逃せない。
木村太郎がトランプの圧勝と言ってるが、私はバイデンが勝つと思っているし、上下両院も民主党が過半数を占めると思っている。これが最も株価に良いケースだ。
問題は大勢が判明してもトランプが負けを認めず、ゴタゴタが続くと年末株高にはならないだろう。コロナウィルスの欧米での再拡大を受けてNYダウは下げ続け、今日も157ドル安となっている。

もし予想に反してトランプが再選されたら、このブログも止めようと思っている。
あと4年もトランプだと、ブログを書いていても罵詈雑言を浴びせたくなる。
トランプの自画自賛とドヤ顔を見ていると、ロバート・デニーロ言うところの(殴ってやりたい)気持ちになるので、精神健康上良くないのだ。

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