一期一会

日々是好日な身辺雑記

足立美術館へ

2023年06月16日 | 旅行
旅行最終日の14日(水)の松江は朝から小降りの雨だった。当初の予定ではフェリーの乗船時間まで西ノ島で過ごす予定だったので、雨降りでは身動きが取れず、旅館のロビーかフェリーの待合所で過ごすようだった。

久しぶりにのんびりとNHK BSの朝ドラを見た後で、ホテルの朝食を取りに行った。
一人旅の寝るだけホテルだが、前回泊まった時は朝食バイキングが良かった記憶と写真があったので、朝食付きにしたのだが、だいぶレベルが落ちていた。このコロナ禍の3年で経営も厳しくなり、対象も観光客ではなく、出張客にしたのかも知れない。
他のお客さんを見てそう思った。



足立美術館は松江から安来まで山陰本線の電車で行き、そこからは足立美術館のシャトルバスが出ており10時に到着。入場料2300円のチケットを買って入場すると、帰りのバスの整理券を取ってから廻る事になっている。30分おきのバスの12:30発の整理券を取る。館内は団体ツアーが動きだすには早い時間なのと、梅雨の時期ということもあるのだろう、あまり混雑してなく、静かな環境の中で廻れた。前回は2018年の4月だったので、春の観光シーズンと外人観光客での賑わいだった。

米国の専門誌が選ぶ日本庭園ランキングで
2022年も一位になり、20年連続のトップだ。本来は四季折々に変わる庭園の景観を楽しみたいところだが、山陰は遠い。

足立美術館は庭もさることながら、建築物としても良く考えられた設計だと思う。
鑑賞する人の動線を考えた坪庭•池庭や喫茶室の配置になっている。海外の代表的な美術館にも行ってきたが、このような建築構造の所はなかった。まぁ、庭園と名画を観せるという、この美術館のコンセプトから来てるのだろうが。
(枯山水庭)

(白砂青松庭)

(生の額絵)

(生の掛軸)


美術館では夏季特別展(東西の巨匠たち)と題し、東京画壇と京都画壇の巨匠たちの作品が展示されていた。特に目が引いたのは冨岡鉄斎の(阿部仲麻呂在唐詠和歌図)だ。

遣唐使阿部仲麻呂が、36年後に帰国が許され、その別離の宴で詠んだとされる絵である。

天の原 ふりさけみれば 春日なる
三笠の山に いでし月かも

遣唐使の阿部仲麻呂と吉備真備の青年期から最期までの50年にわたる物語(ふりさけ見れば)が、2021年7月から2023年2月まで、日経新聞朝刊に連載されていた。
安倍龍太郎のこの連載小説を毎朝楽しみにし、この絵に書かれている別離の宴も読んでいたので、余計に惹かれた。この連載中に安倍龍太郎の(遣唐使•阿倍仲麻呂に想い馳せた、河西回廊、天山南路の旅)の帯の付いた「シルクロード 仏の道)を買って読んだ。(ふりさけ見れば)の単行本が出たら買ってまた読んでみよう。

下の写真がその(阿倍仲麻呂在唐英和歌図)で、勿論展示品の撮影は禁止なので、ネット上のスクリーンショットである。

(阿部仲麻呂在唐詠和歌図)


松江駅に戻ったのが13:30頃だったので、米子空港への直行バスに乗るまで2時間半ほどあったので、バスで松江城へ向かう。昼食がまだだったので、松江城近くの神代そばに行くが水曜日の定休だった。もう一軒の八雲庵は無休のはずが閉まっていた。
15:00までの営業だったので、売り切れの閉店だったのだろう。お堀端にあった甘味処に蕎麦もあったので、そこで松江城を眺めながら割子蕎麦を食べる。











その遅い昼食の後は、小泉八雲旧居や武家屋敷のある塩見縄手をぶらり歩きをして、松江城に行く。どこも時間がなかったので外側から観るだけだった。そんな松江城周りの見物をしてから、15:50発の米子空港行き直行バスに乗り、17:35発の便で帰ってきた。

一人旅は2019年6月の京都旅行以来で、その後はカミさんとはウィーン•ブタペスト•ミュンヘン旅行や、コロナ禍の行動制限の合間をぬって、松山、京都、長崎と旅してきたが、一人旅はまた別の楽しみだ、今回のようなEバイクを使っての観光はカミさんには無理だ。

数年前から一人旅の候補として検討しているのが、熊野古道の踏破だ。体力的には自信があるが、スタート地点の和歌山県田辺までの行き方が問題で、新幹線や飛行機で行くのは、この旅の趣旨に馴染まないのだ。深夜バスで田辺へというのが馴染む気がするが、昨年の涸沢登山で実証済みでもあるし• • •。歩く距離と時間を考えると、時期は春か秋になるが、10月は上海旅行が決まっている。

いづれにしても、コロナ禍で止めていた検討をまた図書館から関連本を借りてやろう。一人旅はその性格から家計費からは出ないので、へそくりからの支出になる。
そのへそくりも株への投資分は最近の株高で40%近い利益が出ているので、そろそろ利益確定をして旅資金を増やしておこうと思っているが、6月末決算の銘柄なので配当権利確定日を過ぎてからの売りを想定している。