女ひとり、歳をとる。

お金なしの60代、犬2匹と同居中。

モノクロに沁みる。

2022-04-28 17:46:09 | 映画

 

先週は『親愛なる同士たちへ』と、きのうは『カモンカモン』を観ました。

どちらもモノクロ、画面サイズはスタンダードサイズとビスタサイズ。

いつも観ている映画とは少し感じが違いました。

 

『親愛なる同士たちへ』は1962年にソ連で起こった

ノボォチェルカスク虐殺事件を取り上げています。

物価が高騰して食糧不足が続いていたノボォチェルカスクでは、

大混雑の食料品店で毎日の食料を買うのも大変でした。

でも、共産党の市政委員会メンバーであるスヴェッカは、

いつも裏からたくさんの食料やアルコールを受け取っていました。

 

そんな中、機関車工場でストライキが起こりました。

なかなか沈静化しないストライキに業を煮やした共産党は、工場に幹部を送ります。

でも、事態は好転するどころかますます硬化。

やがて軍隊が突入して、無差別の発砲が始まりました。

工場の敷地は血の海と化します。

洗い流しても、洗い流しても消えない血痕を隠すために、

その上からアスファルト舗装をし直すのです。

 

この騒動に巻き込まれた娘を探して奔走するスヴェッカ。

遺体安置所、病院、墓地など探し回りますが、

どうしても見つけ出すことができませんでした。

娘はどうなっているのでしょうか。

そして、共産党を信じ切っていたスヴェッカの気持ちは・・・・?

 

旧ソ連時代のこととはいえ、ロシアの映画監督が、

ノボォチェルカスク虐殺事件をテーマに撮ったものだと感心しました。

しかも、主演女優は監督の妻です。

ホント、びっくりでした。

 

『カモンカモン』はとてもくつろげる映画でした。

ちょっと風変わりな甥のジェシーを預かることになったジョニーが、

戸惑いながらも、ひとつひとつ乗り越えて、歩み寄っていく、ヒューマンドラマです。

どのシーンも温かくて、

とくにジョニーを演じているホアン・フェニックスの声が、

とてもよかった、心に沁みた・・・。

モノクロのせいか、台詞や表情がダイレクトに入ってきて、

久し振りに胸の奥がしっとりした感じがしました。

沁みた映画でした。

 

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