「おばさん!おばさん!」
バスで隣に座っていた男性が喋っています。
「おばさん!おばさん!」
2度目にその言葉が、わたしに向けられていると気がついて横を向きました。
「〇〇〇で降りるからどいてください」
空いていたバスの一番後ろの席の真ん中に座ったので、
わたしがどかないと、その男性は通路に出られません。
「大丈夫。わたしが先に降りるから」
「じゃ、その停留所を言ってください」
「・・・」
でも、わたしが返事をしないと、ひとり言が始まりました。
よく聞こえなかったけれど、今の出来事を誰かと話している様子でした。
この男性とはときどきバスの中で出会います。
1ヶ月ほど前は、
「おねえさん!おねえさん!」
そのときは、すぐにわたしに話しかけられていると思い振り返りました(笑)。
「ボク、座りたいんだけど」
「わたしは立っているから、席は譲れないよ」
「そうですか」
どうしても座りたかったのでしょうか。
また、あるときは、
「おばさん、どう座ってください」
と、わたしではないおばさんに席を譲っていました。
この20歳ぐらいの男性とどう関わっていいのか分かりません。
関わるって言うと大げさだけれど、
3停留所の間の10分ほどの短い時間ですが、
もう少し彼にやさしくしなきゃとは思うものの、
いつもぶっきらぼうな物言いしかできません・・・。
大きな声でおばさんと連呼されたことも手伝って、
ちょっとへこんだわたしです。
この子、ちょっとバスの男性に似ています。