実を言うと、と言うほど深刻な話でもないのだが 昨年の暮れから、積み残しの仕事や、気をつかう仕事、一度片付けたのに蘇った仕事、初めての仕事、腹に据えかねる失礼な客、知人の紹介だったので安く見積もってやったのに、なんとこいつは仕事を依頼するのに「誰でも出来る簡単な仕事なのに高いですね」とぬかしやがった。じゃあ他を当たってみてください、と言ったら二度と来なかったが、兎に角立て続けにやっかいな仕事が相次いで、腹が立つやら、調べ物が多いやらでストレスいっぱい。珍しく寝つきの悪い夜や、夜中に目が覚めて、その後眠れない日もあった。
7、8年前から、致命的では無いものの、目、耳、心臓と次々悪くしているが、
「タバコも止めて健康に気を付けているのに、こう続けて具合悪くなるのはなんか原因があるんですかねえ?」
と耳鼻科の医者に訊いてみたことがある。
すると、
「いわゆる歳のせいが一番。それに、今日タバコやめたからって、それまで吸ってた影響がゼロになる訳ではないでしょ。あと、耳はストレスが関係することも多いですね。仕事からリタイヤした途端、症状が出なくなる人もいますよ」
といわれた。
私は昨年暮れから今年の初めまで、ずっとその身体に悪いというストレスの中にいたことになる。
病院通いが始まった頃、学校の先輩で、士業をしている人から
「なんだな、色んな人がいるけど、丈夫で長生きしている人の共通点はのんびりしていることかな。くよくよしない、なるようにしかならない、細かいことは気にしない。これだよこれ!これでストレスがたまらない。こういうやつが元気で長生きしてる。君もそうしろ」
と言われたのを思い出した。
そこで、一週間くらい前から実践していることがある。夜、ベッドに入って深呼吸しながらある言葉を唱える。
―くよくよしない、なるようにしかならない、ケセラセラ、今は全てを忘れて眠る―
そして眼を閉じる。それ以来、良く眠れるようになった。何となく元気になったような気もする。