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2023年の“ふたご座流星群”は絶好の条件で観察できる! 1時間当たり70個を超える時間帯も!? 見ごろはいつ? どこを見ればいい?

2023年12月08日 | 流星群/彗星を見よう
1月の“しぶんぎ座流星群”や8月の“ペルセウス座流星群”と並び、活動が安定していて流れ星が多い“ふたご座流星群”がやってきます。

2023年の“ふたご座流星群”は、12月15日4時頃に極大(※1)となり、この前後で流星群の活動がとても活発になると予想されています。
※1.極大とは、流星群の活動が最も活発になること。ある場所で見える流星の数には、流星群自体の活動の活発さだけでなく、その場所での放射点の高度や月明かりなども影響する。そのため、極大の日時と、それぞれの場所で多くの流星が見える日時とは、必ずしも一致しない。
12月13日が新月で月明かりの影響もなく、極大時刻にほど近い12月14日夜から15日明け方にかけては、とても多くの流星が観察できそうですよ。
“ふたご座流星群”と放射点(2023年12月15日1時頃の東京の星空)(Credit: 国立天文台)
“ふたご座流星群”と放射点(2023年12月15日1時頃の東京の星空)(Credit: 国立天文台)

絶好の観察条件をもつ2023年“ふたご座流星群”

多くの流星が観察できそうなのは12月13日から15日の3夜。
どの夜も、21時頃から見える流星の数が増え、夜明けを迎える翌朝の5時過ぎころまで観測できそうです。

最も多く見えるのは、12月14日夜から15日明け方と考えられます。
空の暗い場所で観察すると、14日21時頃にはすでに1時間当たりの流星数が30個を超えそうです。

その中でも狙い目は、放射点(※2)が高い空に達する15日0時から3時頃
この時間帯だとさらに多くなり、暗い空で見える流星数は、1時間当たり70個に達する可能性がありそうです。
※2.放射点とは、流星群の流れ星が、そこから放射状に出現するように見える点。流れ星の数は、放射点の高度が高いほど多くなり、逆に低いほど少なくなる。“ふたご座流星群”の“放射点”はふたご座の2等星カストルの近く。
この流星の予想数は、ここ数年のうちでは最も多いもの!
2023年の“ふたご座流星群”は絶好の観察条件と言えます。
2023年12月15日4:00の夜空(大阪)。放射点が高い位置にあり、月明かりもない絶好の条件。
2023年12月15日4:00の夜空(大阪)。放射点が高い位置にあり、月明かりもない絶好の条件。
また、極大の前日に当たる12月13日夜から14日明け方は、空の暗い場所で1時間に10個から25個程度。
極大の翌日に当たる12月15日夜から16日明け方だと、空の暗い場所で1時間に15個から20個程度の流星が見えると予想されます。

流星は放射点の方向だけに現れるのではなく、空全体に現れます。
いつ、どこに出現するかは分からないので、なるべく空の広い範囲を見渡すようにしましょう。
屋外の暗さに目が慣れるまで、最低でも15分ほどは観察を続けるとよいです。

レジャーシートを敷いて地面に寝転んだり、背もたれが傾けられる椅子に座ったりすると、楽な姿勢で観察できます。
大変寒い季節なので、寒さ対策をしっかり行って風邪をひかないようにしてください。

“ふたご座流星群”の母天体は彗星ではなく小惑星“フェートン”

チリを放出して流星群の原因を作っている天体を母天体といいます。

この母天体の軌道と地球の軌道が交差していると流星群が出現することになります。

そう、地球が母天体の通り道を毎年同じ時期に通過する際に、通り道に残されたチリが地球の大気に飛び込んでくるんですねー
チリは上空100キロ前後で発光、これが流星群です。

母天体の多くは彗星なんですが、“ふたご座流星群”の場合は約1.4年周期で太陽系を巡っている小惑星“フェートン”になります。

一般的に小惑星は彗星のように尾をたなびかせチリを放出することはなく、“フェートン”も現在は活動を停止していると考えられています。
2017年のレーダーによる観測では、“フェートン”のおおよその形や自転周期求められた。さらに、2019年には、“フェートン”が恒星の光を遮る掩蔽が観測され、その直径や形を詳しく探ることができた。
チリが多く集まっていれば流れ星の数も増えます。
ただ、“ふたご座流星群”の場合に考えられるのは、チリが“フェートン”の軌道上の一部に遍在しているのではなく、軌道全体に広がって分布していること。

チリも“フェートン”と同じ軌道を運動しているので、地球は毎年のように多くのチリとぶつかることになります。
なので、“ふたご座流星群”の流れ星は“フェートン”の位置に関わらず毎年多く見られるわけです。


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