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2020年“ふたご座流星群”の見ごろはいつ? 活動は? 月明りの影響は?

2020年11月02日 | 流星群/彗星を見よう
1月の“しぶんぎ座流星群”、8月の“ペルセウス座流星群”と並び、活動が安定していて流れ星が多い“ふたご座流星群”。

今年の極大は12月14日の午前10時頃。
この時間帯に最も活発に流星が流れると予想されています。

ただ、この時間帯は日中にあたるので、狙い目は13日の夜から14日の明け方にかけて。
12月15日が新月にあたるので、月明りの影響がなく、かなり好条件で流星の観測ができます。

日付が14日に変わるころ、空の暗い場所で観察すれば、最大で1時間当たり55個前後の流星を見ることができるかも。
また、12日や14日の夜も、最大で1時間当たり20個を超える流星が出現すると考えられています。
黄色の矢印は“ふたご座流星群”の放射点。(12月14日AM0:00)
黄色の矢印は“ふたご座流星群”の放射点。(12月14日AM0:00)
いずれの夜も流星は、20時頃から現れ始め、本格的な出現は22時頃から。
夜半を過ぎたころに数が最も多くなり、薄明が始まるまで流星の出現は続くようです。

流星は放射点の方向だけに現れるのではなく、空全体に現れます。
“ふたご座流星群”の“放射点”はふたご座の2等星カストルの近く。
いつ、どこに出現するかは分からないので、なるべく空の広い範囲を見渡すようにしましょう。
街明かりのない空の暗い場所で観察すると、見られる流れ星の数も多くなります。

“ふたご座流星群”の特徴はもう一つあって、それは夜半前からほぼ一晩中流星が出現すること。
“ペルセウス座流星群”と“しぶんぎ座流星群”は、どちらも夜半から未明の時間帯を中心に流星が出現します。

でも、“ふたご座流星群”の流星が出現し始めるのは20時頃という早い時刻。
なので、夜更かしや早起きをしなくても流星観察を楽しむことができますよ。


“ふたご座流星群”の母天体は彗星ではなく小惑星“フェートン”

チリを放出して流星群の原因となる天体を母天体といいます。

この母天体の軌道と地球の軌道が交差していると、地球が母天体の通り道を毎年同じ時期に通過する際に、通り道に残されたチリが地球の大気に飛び込んでくるんですねー
チリは上空100キロ前後で発光、これが流星群です。

母天体の多くは彗星なんですが、“ふたご座流星群”の場合は約1.4年周期で太陽系を巡っている小惑星“フェートン”になります。

一般的に小惑星は彗星のように尾をたなびかせチリを放出することはなく、“フェートン”も現在は活動を停止していると考えられています。
2017年のレーダーによる観測では、“フェートン”のおおよその形や自転周期求められた。さらに、2019年には、“フェートン”が恒星の光を遮る掩蔽が観測され、その直径や形を詳しく探ることができた。

チリが多く集まっていれば流れ星の数も増えます。
ただ、“ふたご座流星群”の場合に考えられるのは、チリが“フェートン”の軌道上の一部に遍在しているのではなく、軌道全体に広がって分布していること。

チリも“フェートン”と同じ軌道を運動しているので、地球は毎年のように多くのチリとぶつかることになります。
なので、“ふたご座流星群”の流れ星は“フェートン”の位置に関わらず毎年多く見られるわけです。


2020年を締めくくる流星群“こぐま座流星群”

もし、“ふたご座流星群”を見逃してしまった時には、12月22日~23日かけて見ごろを迎える“こぐま座流星群”にチャレンジるするのはどうでしょうか。

毎年、12月下旬に活発になる小さな流星群で、極大時刻は22日の午後6時ころ。
ただ、1時間に数個ほどの流星が見られるだけで、見られない年も… 反対に急に活発になる年もあるギャンブルのような流星群なんですねー
母彗星はタットル彗星になります。
黄色の矢印は“こぐま座流星群”の放射点。(12月23日AM0:00)
黄色の矢印は“こぐま座流星群”の放射点。(12月23日AM0:00)
放射点は“こぐま座”の中にあり高度はやや低めですが、一晩中見ることができる流星群。
今年は上弦の月が夜半まであるので、月を視界に入れないように観測してください。


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