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天文衛星“あかり”は“はやぶさ2”の目的地を8年前に撮影していた

2015年09月17日 | 宇宙 space
赤外線天文衛星“あかり”が撮影した、
小惑星“1999 JU3”の画像が公開されました。

“1999 JU3”は、
小惑星探査機“はやぶさ2”の目的地として知られる小惑星で、
この画像は2007年5月16日に撮影されたものなんですねー

“あかり”がとらえた小惑星“1999 JU3”。
左下には別の小惑星“2000 RY100”も写っている。


2007年の小惑星“1999 JU3”

約10分間の観測時間中に取得された多数の画像データの中から、
波長15マイクロメートルでの画像を2枚選び出して重ね合わせています。

約7分の間に小惑星が空を移動していく様子が、
写っているんですねー

このとき“1999 JU3”は、
やぎ座の方向にあり、可視光での明るさは約22等級。

地球からの距離は約0.99天文単位、
太陽からの距離は約1.4天文単位だったそうです。

また画像には、
偶然にも別の小惑星(67535)2000 RY100も写っていたそうです。

JAXAによると、このような赤外線のデータと、
可視光線による地上観測のデータを組み合わせることで、
小惑星の大きさや表面の性質を推定することができるそうです。

これは、小惑星の素性を明らかにするだけでなく、
探査計画にも重要な情報になります。


日本初の赤外線天文衛星

“あかり”は日本初の赤外線天文衛星で、
2006年2月22日にM-Vロケットによって打ち上げられました。

赤外線専用の望遠鏡と2種類の観測装置を搭載し、
全天にわたって赤外線源を観測。

目標寿命3年を超えて運用され、
2011年11月24日に停波され運用を終えています。

“あかり”は、
約130万天体に及ぶ“赤外線天体カタログ”を作成するなど、
赤外線天文学に関する多くの成果をあげているんですねー

得られた観測データは、世界の研究者に広く利用されています。

あと、“SPICA”という“あかり”の後継機が、
2020年代の後半に打ち上げを目指し、
現在、日本と欧州との共同で検討が進められています。


“はやぶさ2”の目的地“1999 JU3”

“はやぶさ2”は小惑星“1999 JU3”を目指して、
2014年12月3日に打ち上げられました。

現在まで、太陽を周回する軌道を順調に航行していて、
今年の12月3日に、地球スイングバイに挑むことになります。

地球スイングバイとは、
地球の公転速度を利用して探査機の航行速度を上げ、
地球の重力を利用して軌道の変更を行う航法テクニックのことです。

これにより、速度を上げつつ軌道も変え、
2018年の6月か7月ごろに、目的地の小惑星“1999 JU3”に到着。

約1年半にわたって探査活動を行い、2019年11~12月ごろに小惑星を出発し、
2020年の11~12月ごろに地球に帰還する予定になっています。


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