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モバライダー mobarider

木星や土星の核は、ゆっくり作られた小さな氷天体が集まってできた?

2015年09月04日 | 宇宙 space
太陽系の2つの巨大ガス惑星、木星と土星の核は、
「ゆっくりと作られた数十センチ程度の氷天体が集積してできた」らしいことが、
コンピュータシミュレーションから分かってきたんですねー


太陽系で最初に作られた惑星

太陽系の惑星のうち巨大ガス惑星に分類される木星と土星は、
太陽系で最初に作られた惑星だと考えられています。

その理由は、
他の若い恒星系の観測から、中心の星を取り巻くガス円盤の寿命が、
100万年から1000万年ほどであることが示されたから。

なので太陽系でも、
こうしたガスが残っているうちに木星と土星が作られたと、
考えることができるんですねー

ちなみに地球が作られたのは、3000万年から1億年と考えられています。
若い恒星系(イメージ図)
ガス円盤が、まだ残っているうちに巨大ガス惑星が作られている。


巨大ガス惑星の作られ方

現在、最も有力な理論である“コア集積モデル”によると、
氷と岩石から成る惑星サイズの核(コア)が最初にでき、
そこへチリやガスが集まって巨大ガス惑星になるとされています。

ただ、木星や土星ほど大量のガスが集積するには、
地球の質量の約10倍重い核が必要となります。

でも、標準的な惑星形成モデルに当てはめると、
こうした大きな核を作るには、
時間がかかり過ぎてしまうという問題が出てきます。

また、数センチから数メートルの小天体が集まって微惑星となり、
さらに残された小天体がそこへ蓄積して、
巨大ガス惑星の核になるというモデルもあります。

この場合、数千年で地球質量の10倍の核が形成されます。

でも、このプロセスをシミュレーションで再現すると、
地球と同程度の質量を持つ天体が数百個も形成されてしまい、
現在の太陽系の姿とは、まるで異なる姿になってしまうんですねー

今回の研究では、コンピュータを使ったモデル計算から、
氷の小天体がゆっくり作られれば、数の問題も解決することを示しています。

このような状況では、
最も大きい微惑星によって小さな微惑星が円盤の外へと弾き飛ばされ、
小さい微惑星の成長も抑えられることになります。

そして最終的に巨大ガス惑星へと成長する微惑星の数が、
限られたものになります。

このモデルでは、5~15天文単位の距離に1~4つの巨大ガス惑星が形成され、
現在の太陽系とよく似た結果になるようです。


こちらの記事もどうぞ ⇒ 巨大ガス惑星誕生の瞬間を初めて撮影