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天文衛星“あかり”がとらえた全天画像

2015年01月21日 | 宇宙 space
天文衛星“あかり”が行った、
遠赤外線観測をもとにした全天画像データが公開されました。

従来のデータよりも解像度が大幅に向上し、より長波長までデータがそろっているので、
星や惑星の誕生を詳しく調べられるなど、幅広い分野での活用が期待されているんですねー

JAXAの赤外線天文衛星“あかり”
(イメージ図)
“あかり”は2006年に打ち上げられ、
2011年に運用を終了したJAXAの赤外線天文衛星です。

今回公開された画像(遠赤外線データ)は、
これまで広く利用されてきた衛星“IRAS”のデータを約20年ぶりに刷新するもので、
解像度が4~5倍向上しているんですねー

遠赤外線観測では、星や惑星の材料なる低温のチリ(ダスト)などの星間物質の分布を把握し、天体が生まれるようすを調べることができるようです。

星間物質が重力で集まると、
まず大きさが数百光年に達する“巨大分子雲”が作られ、
その中で直径数十分の1光年以下の“分子雲コア”と呼ばれる、
特に密度の濃い領域ができます。

今回完成した“あかり”のデータでは、大きな構造の全体を詳しく調べられるので、
巨大分子雲から分子雲コアが生まれる過程を調べることができるんですねー
これは世界で唯一のデータになるそうです。
“あかり”が観測した全天の遠赤外線画像。
青く示された箇所が温かい星間物質(波長90μm)、
赤いほど冷たい星間物質(140μm)の存在を示している。
星間物質が温かい領域ほど、より多くの新しい星が生まれつつある。

また、従来より長い波長の赤外線(波長で160μm)も観測が可能。

なので、温かい星間物質と冷たい星間物質の両方の分布が分り、
星間物質の温度や分布を正確に測定すると、生まれつつある星の数と分布を知ることができます。

さらに、星間物質の出す電磁波の強さを正確に知ることで、
その背後に埋もれた宇宙背景放射の強さの分布も正確に分かるなどなど…

今回のデータは、星・惑星形成の研究以外の分野でも、
広く活用されることが期待されているんですねー
“あかり”が観測した天の川銀河付近の拡大画像。
はくちょう座付近(下図の黄色枠)がとらえられている。



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