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宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

クレーターの永久影に氷の証拠を発見!

2012年06月23日 | 宇宙 space
月の南極にあるシャックルトンクレーター

NASAの探査機“ルナー・リコナサンス・オービター”により、クレーター内部の22%が氷で覆われていることが分かりました。

月は自転軸の傾きが小さいため南極付近には、内部に永遠に光が当たらないクレーターがあります。








月の南極にある“シャックルトンクレーター”には
太陽光がずっと届かない永久影が存在します



探検家の“アーネスト・シャックルトン”にちなんで名付けられた
 “シャックルトンクレーター”もその1つなんですねー 直径が20km以上、深さが3km以上もあります。

NASAや大学機関の研究チームが“ルナー・リコナサンス・オービター”のレーザー高度計を使ってこのクレーターを調べました。






“ルナー・リコナサンス・オービター”が
レーザ高度計でとらえたシャックルトンクレーターの地形図
青色が最も低い場所、
赤と白が最も高い場所を示しています



すると、他のクレーターよりも明るく、少量の氷が存在することが分かったんですねー
底部の氷が光を反射していたようです。

この成果は月のクレーター形成と、まだ調べられていない領域の研究にも役立つようです。

研究ではクレーターの内部をレーザーで照らして反射率や、地形をこれまでにない精度で細かく測定しています。
出来上がった地図には氷の存在を示す証拠の他に、
形成後30億年以上の間、ほぼ原型をとどめている内部クレーターの姿も明らかになっていました。

クレーターの底には、さらに小さなクレーターがあり、
これらはシャックルトンクレーターが出来た衝突で作られたものと考えられています。

研究チームではクレーターの壁面が底部と比べて、さらに明るいこともつきとめています。
底部ではまったく日が当たらないのですが、壁面上部では日が当たることがあるんですよねー
日が当たると氷は溶けてしまうので、不思議な結果となりました。

この謎に対しては“月震説”が挙げられています。

隕石の衝突や、地球の潮汐力によって月に振動が起こるんですよねー
これにより古く色の濃い表面が壁面から崩れ落ち、下にあった新しくて明るい土壌が顔を出すという説です。

これで明るさの謎は解決。 かも知れません… (^^;

“ルナー・リコナサンス・オービター”は2009年6月に打ち上げられ、現在は科学観測を行っています。
将来の有人月探査に備えたミッションは終えそうですよ。