むかでのり

「ムカデノリ」、好き嫌いで言ったら好きな方の海藻なのだ。

男子だったらトゲがいっぱい出ているだけでテンション↑↑
名前はグロいけどツルツルっとした手触りも良い感じだし
押し葉標本にしても広げるの簡単で出来上がりも綺麗な素直でイイやつ。

ムカデノリに擬態したヒラムカデもたまにあるが
所詮ニセモノなので「どこの大陸製？」と言いたくなるような
雑な感じの仕上がりになってるように俺は感じるのだが
人によってはそれもムカデノリと言いきっちゃったり
さらに発展してキョウノヒモとか言われちゃったりするものだから
海藻知ってる同士だとプチ論争が勃発することも度々。
最終的には協議の結果どちらかが折れるんだろうけど
どちらも内心は「自分は間違ってない」と思ってたりするからタチが悪い。




っていうかさぁ、海藻なんて結構曖昧で種名を言った者勝ちみたいな
結構アバウトな感じの時ってかなりある気がするのは俺だけか？

あなあおさ

ぺらぺらと薄く、ところどころに大小様々な穴が開いている。

自分の所の野菜畑にこんな葉っぱがあったら
「虫喰いだ！」って大あわてでちぎって捨てちゃうかもしれない。

でも、海の中ではこれが普通。
生まれながらにしてからだに穴が開くのが当たり前ってどうなのさ？
穴だけじゃないよ、周りがボロボロになろうが裂けて千切れて流されても
何事も無かったかのごとくそこからさらに育ったりするから驚く。

しかも、海の中といっても潜水艦で行く深海のような特別な所ではなく
アハハハッとか言いながらカップルがおいかけっこをして
「・・・つかまっちゃった」とか言ってるすぐ足下の波打ち際とかにも
こんな不思議な形のものがモサモサ生えてるというか
正確には「生える」って言い方も間違っているくらい
普段陸上生活だけでは分からない不思議だらけなのが海藻なんだなぁ。

だから面白い。