草加東高校、越谷西高校、宮代高校の埼玉県東部地区の3高校の演劇部が3月29日、宮代町の進修館で演劇祭を開催、町民や演劇ファン等約100名が、若い感性の舞台を堪能した。
この合同自主公演は昨年末宮代高校特設小劇場で、宮代高校演劇部、久喜高校演劇部、春日部市立葛飾中学校演劇部の3校演劇部で行なった合同自主公演に続くもの。
今回は、「三校+α 合同卒業記念公演 春絢爛!! 今咲き誇る演劇祭 in 進修館」と題して草加東高校、越谷西高校、宮代高校三校の舞台のほか、劇団・越西3年の舞台および幸手商業高校演劇部の運営協力(「本当は参加したかったよ~」との部員も)で行なわれた。
最初の舞台は、、創作劇を中心に「お客様が満足のできる芝居づくり」を目指して活動を続ける「草加東高校演劇部」。
演目は「司会者さん・・」以下206文字の長い題名の創作劇。演劇とは・・・・。
続く舞台は越谷西高校演劇部。
なつみ作「鬼ごっこ 人ごっこ」。
ひきこもりの女子高生ユキの物語。一人の少女と人喰い鬼。なんとも奇妙だが、そんな出合いが・・・。
続いては、劇団・越西三年の「赤ずきん」。
あの「赤ずきん」の物語だが、
現代っ子の赤ずきん。そして、笑って、泣いて・・・。
最後は宮代高校演劇部。
堤泰之作「煙が目にしみる」。
この世に未練があるらしいわけありの、これから火葬にされる幽霊二人(?)。その幽霊と会話ができるボケ老婆が葬儀場でまきおこす奇妙な物語。
宮代高校演劇部は現在、女子9人、男子5人の計14人。昨年秋は地区大会1位。活発な演劇活動を行なっている。
今回の合同自主公演も、宮代高校が中心となって公演にこぎつけたもの。
この4月29日には、パストラルかぞ(埼玉県加須市)で、埼玉県東部北地区の7高校演劇部が「埼玉県高等学校演劇連盟東部北地区2012年度春季演劇発表会」を開催するが、宮代高校は「煙が目にしみる」で参加する。
参加7高校は、久喜工業、蓮田松韻高校、久喜高校、昌平高校、幸手商業高校、不動岡高校、宮代高校。9時40分開演。
【舞台を観て】
高校演劇。懐かしさが先にたつ。もう50年も前のことである。久しぶりに、あの当時を思った。
特に草加東高校の演目にはつい引き込まれてしまった。演劇とは何か。自己表現とは。演芸とは・・・などと考える。
今は知らないが、小生の時代・地域では高校演劇で賞を得ようとすれば創作劇が早いといわれていた。で、創作劇を書いて上演した。
今回の草加東高校同様、観客席も舞台であり、観客も上演者であるーという。沖縄問題にスポットをあて。客席を巻き込んでデモを演じ、観客を講演会の客に見立てる。そして、客席からの質問を受ける(当時、そんな舞台はなかったので、当然、一般客から質問が飛んでくることはないので、サクラを配置して舞台を進行する)という試みも・・・。結果は無残だった。すべてが空回り。苦い思い出である。
ところで、高校演劇の衰退は言われて久しい。特に男子高校生の演劇部離れは激しいとも。
そんな中で、今回の公演パンフレットを見て、宮代高校の演劇部員が、女子9名、男子5名というのには驚いた。すばらしいことである。
今回の公演舞台も、舞台が狭く見え、役者の立ち位置を整理しなければならないと思われるほど、所狭しと役者が舞台に立つ。
部員が多いと切磋琢磨もあるのだろう、舞台のレベルも高い。ふと、役の関係ではなく、部内の関係に戻ったり、高校生の動きに戻ったりすることはあったが、観客をどっぷりと物語に浸りこませる魅力的な舞台となっていた。
さらに、さらに、宮代高校演劇部では、10月上旬ごろ中学生演劇発表会を、12月下旬には「聖夜ッ! 冬の演劇祭」の企画中とのこと。
積極的な舞台公演活動等を通じて、宮代町の演劇文化を引っ張っていく宮代高校演劇部に期待したい。
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