宮代町議会は2日、一般質問に移り、5名の議員が質問に立った。この中で執行側は、次期第4次中期総合計画の柱の一つとして、定住人口の増加を掲げ「人口減少を食い止め、35000人規模を目指す」とした。
少子高齢化の中で宮代町は人口減少が続いており、この度の国勢調査速報値でも、前回調査(平成17年)比984人減少して33636人となった。こうしたことから、来年度からスタートする第4次総合計画では定住人口の増を施策の大きな柱とする考えで、現在、計画案作りを進めている。
こうした中で開催された3月定例議会だが、初日質問に立った5議員は、総合計画を正面にすえた質問は無く、わずかに、定住人口の増をテーマとした質問が散見されただけとなった。
定住人口の増への取り組みは現在、検討が進められている段階だが、「人口減少をいかに食い止めるかが課題」との認識で、減少を食い止め、増につなげていくためには「東武動物公園、日本工業大学、新しい村などの地域資源を生かしながら、町の魅力を高めることで町の活性化につなげる」とし、アクションとしては「子育て応援タウン第1号といったPRや宮代ウエルカム事業の立ち上げ、新しい村グリーンツーリズム事業などによる魅力アップと産業の振興を図ることで、交流人口を増やし定住人口増につなげていくよう戦略的にソフト、ハードを織り交ぜながら展開していきたい」とし、具体的な施策として「子育て世代をターゲットにした取り組み、貸し農園を定住者に提供していく仕組み、空き家・空き部屋の有効活用の支援、短期的な定住を目指した2拠点居住、流入人口の受け皿となる市街地整備などを進める」としている。
こうした、取り組みによって、定住人口増をはかり、35000人規模を目標とした取り組みを展開したいとの考え。
【一般質問1日目を傍聴して】
宮代町は現在、今後10年間、中期的にどのような町づくりをしていくのかが議論されている。9月には基本的な計画案がまとめられ、9月議会に上程される予定で、総合計画審議会の検討も佳境に入っている感じである。
だが、1日目の一般質問を見る限り、正面から総合計画に対する意見や提案をぶつける議員は無く、住民の要望や道路などの質問が多かった。
総合計画のこれまでの審議経過を見ている(表に出てきた情報でしかないが)と、審議はかなり進んでいるように思う。
だが、宮代町のこれからの10年を審議するとき、避けて通れない問題は「合併」に対するスタンスである。庄司町長は「合併は究極の行財政改革」との持論である。この首長を持つ宮代町がこれからの10年を論議するとき「合併を見て見ぬふり」で論議しないまま計画を策定して良いのだろうか。
合併問題が表面化すれば、またぞろ、町づくり計画は霧散し、10年計画は絵に描いた餅になる。それは、ここ数年の宮代町の町づくりの遅れとして現れていることを見れば明らかだろう。こうした問題こそ、議会できっちりと方向性を確認してから10年計画の策定に入るべきと思われるが・・・。
何処とも具体的な名前が挙がっていない今だからこそ、「絶対単独で」だとか、「合併という選択肢」をチョイスするとするならば「合併が究極の行財政改革」という漠としたものでなく、例えば「何処からか提案があればダボハゼのごとく食いつく」というのか「小と小が合併しても・・」というのか「中核市規模になるなら」なのか「政令市規模の大合併ならば」なのか、あるいは「他から言ってくれば」なのか「こちらから主体的に」なのか、具体名のない何にもとらわれない「合併とは何か、宮代町はどうする」という基本方針を論議するチャンスでもあるとも思うのだが(一部に具体的名前を挙げている議員もいるが、それは別として)・・・。
その方針がないなかで、10年を論議しろといわれてもというのが、町民としては正直なところだろう。
ところで、今日の一般質問では、わずかに人口増問題が論議になった。
先の国勢調査速報値で、近隣の町としては、白岡町、杉戸町、松伏町は人口を増加させたのに宮代町は減少となった。市としては春日部市、久喜市とも減となった。
一般的に問題が発生したときは、その原因を調査・分析しそれを改善することによって、問題点を解消し、次につなげていくというのが常套手段だと思う。
だが、宮代町は「その分析はいまだ行っていない」という。科学的分析なしで、人口増加策を検討する。それは、我田引水的作文計画といえないだろうかという疑問を傍聴席で感じながら一般質問を聞いた。