道を踏み外した 相撲道

原点に立ち帰れ！！



　国技と言われている、相撲界が大揺れに揺れている。存続の危機さえ叫ばれているのである。



　TVなどは連日、お相撲さんの生活態度や、巡業中の朝稽古など、日ごろの行動について厳しさが、だんだんと無くなってきていると嘆いていた。　　厳しくすると、やめてしまうというのです・・・。



（相撲道本来はお相撲さんたちが厳しい修行の中から勝ち取った技とその体とを極めつくしそれらを完成たらしめる「心」｛我が身をなげうってでも人の命を守り、社会に貢献していこうとする心｝を、観客に見てもらいそうした技や体を通して「心」を掴み取って頂いていたのです。）





　話を聞いていて、これは他人事ではなく、どこの社会でも抱えている大きな問題である様に思うのです。



　自由主義社会で、社会全体が、肥大化し、利益優先主義の価値教育がなされてきました。


その一方で、日本古来の伝統を重んじた○○道と云う、人間を育てる、生き方を極めるそうしたものの存在感が薄くなってまいりました。それを挽回をして行こうと、若い方々の価値基準にあわして、ハードルを下げて若者受けを狙ったのですが、結果的に大切のものが、ほど遠くなり見失ってしまったのではないかと思われるのです。



　　　　　　
（柔道も剣道もその秘めたるものは、相撲道と同じです。しかし今ではその「心」がすっかり形骸化してしまい、ショー化　して利害が優先をしてしまっているのです。道を究めようとする人間が、利害で道を踏み外してしまった結果なのです。）




　多くの方が、若い人の問題点を指摘していますが、今回の問題と同じように、それを糾弾し、いくら罰しても根本的には一つも解決は、できないのではないでしょうか。




　やはりこんな時は、今一度原点に立ち返って、何が問題でこのようになったのか、その原因の根本にしっかりと焦点を当てて、考えて手を入れていかなければなりません。




　仏法の教えの中に、『無量義は、一法より生ず・・・。』（一つの道を極めつくすと、必ず行きつくのは、仏法に繋がっていくのですよ。）と教えています。



（古民家も住まう人の命を守り、一家の団欒に大きく貢献をしてきました。この古民家には住まう人の命を大事にする心。人を思いやる心。また作り手の人の幸福を祈る心など、そうした人を思いやる温かい心で、何十年と引き継がれてきたものです。そんな素晴らしい空間に建つと、心が感動しないわけはありません。心が癒されないわけはないのです。まして、人間に込めた「心」は、それら以上に、大きな人間力となって、人々を精神的に潤わしていかないわけはありません。）




　一人の人の命を守るために、社会の平和と繁栄の為に、一個の人間としていかに貢献をしていくか、その目標に向けての行動自体に、自身の最高の幸せを勝ち取ることができることを教えているのが、東洋の英知と言われる仏法なのです。




　日本には相撲道をはじめ柔道、剣道、華道、合気道、などの人間の可能性を磨き追及する仏法の考え方に通ずる道があります。つまり物事の本質技術を極める以前に、人間としての道を学び教え、それを悟ることで、技術の本質を掴んでいたのです。当然そこには厳しい修行があり、それを抜きにしては、人間学（仏法の最高の英知）は、体得することはできないのです。




（技とその心によって、同じ生け花でも、まったく違った雰囲気と空間を作り上げてしまいます。「心」こそ最も重要な奥儀なのです。今後、日本が世界に誇れるものは、この「心」です。　この仏法に通ずる○○道を極めること、またそうした文化に触れて、心の安らぎを感じて頂くことは、日本の大きな財産で、今後世界の人々が、必ず求めだしてくる大切なものではないかと思います。）



　「厳しすぎると、若い人が育たずにすぐにやめてしまう・・・。」しかし、そうした厳しさを取り除いて行ってしまうと、何とやらに刃物ではないですが、人を貶めるものに使われていく可能性が高くなります。こうしたジレンマに終止符を打つためにも、何のための道かを、「先ず、隗より始めよ」で、トップ自らが、しっかりと命に刻み原点に立ち返って人間としての心を磨き込んで、いくことが根本的な大事な解決になって行くのです。




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