mitakeつれづれなる抄

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バス運賃下げても利用者増には必ずしも繋がらず

2013年01月21日 | バス

 京都新聞web版、2013年1月18日記事からです。京都府京丹波町の町営バスが、昨年5月から半年間、運賃を半額にした交通実験がまとまったとのことで、運賃半額で乗客増を目論んだものの、実際の増加率は約1割だったとのことです。
記事→http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20130118000055

 12の路線がある京丹波町営バス。バス運行の将来像を考える参考にしようと、現金乗車に限り100円~400円の料金を半額にした。

 そして実験では、期間中の乗客数は平均141人。昨年より14人増え、高原下山線では4人の増であったものの、他の路線は増えなかったり、増えても数人の程度であったとのことです。

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 地方の過疎バス、乗客数が少ないのは共通の悩みです。以前のような路線バスだけで対応するのは少なくなり、地域振興名目の補助を受けて、自治体運営バスとして運行する例が増えています。しかしそれでも乗客が少ないと補助が打ち切られたり、減額されることもあり、乗客数の増加を狙って、あの手この手の知恵を出し合っています。その一つが運賃を引き下げる案です。

 この運賃を引き下げるのは、見た目は効果ありそうですが、実際には必ずしも効果が現れるどころか、むしろ運賃引き下げによる減収の恐れがあったりするものです。

 この京丹波町のバス、運賃が最低100円で、100円区分で最高400円の4区分。つまり最大でも400円です。これが半額になっても200円。一寸印象が薄いですね。強烈さが必ずしも出ていません。それと運行ダイヤ。通学と通院輸送を主眼としており、引き下げ前でこの運賃であることから、乗られる方は既に乗っていると考えられます。

 記事にあった町の企画政策課の弁として、「実験中も大きな変化は見られず、運賃と乗客数はあまり関係がないのでは」とする一方、「一定の住民にとって、日常的な移動手段となっていることもあらためて確認できた。引き続き、安定したバスの運行に努めたい」とあり、今回の京丹波町での運賃引き下げは、さほど効果がありませんでした。

 一方で都市部のバスでも極近距離特定範囲内を100円の特定運賃にする社会実験があったりします。福岡市のバスで始めたものが比較的好調で、他都市でもやってみようとの動きがありました。しかし単に運賃を安くしただけでは、既存の利用者の財布が助かるだけで、どう普段乗らない方がお乗りいただけるか。その要素が伴わなければなりません。

 運賃が500円を越えたり、運行便が2時間に一回以上確保されている路線なら、運賃引き下げの効果が現れて来ると思います。私が時々乗る、長野県木曽町の町営バス開田高原線。町営バス移管前はおんたけ交通の路線バスでした。木曽病院~西野の全線乗ると当時で1510円。それが今は200円です。回数もそこそこあり、町営バスになって運賃が下がり、お客さんが増えた例であります。

 というわけで、バスの乗客増で運賃を下げるのは、状況次第で効果が現れる程度のもので、多くの場合は、さほどの効果は無いもの考えた方がよさそうです。運賃引き下げは所詮は一過性のもので、ただ安いだけでなく『使い易さ』が重要です。
<使い易さ=路線、時刻(頻度)、車両、停留所の待ち環境>


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