昨日のYahoo!トピックにあった記事からです。ニッポン放送、文化放送、TBSラジオなどのAMラジオ放送局がFMラジオへの移行を検討しているのだそうです。
昨今のデジタル機器の普及、都市部では高層ビルによる難聴対策として、雑音を受けやすいAM放送波から、雑音を受けにくいFM放送波に移行し、聞き易さを強調してラジオ放送としての生き残りを目指す。そして災害に強いラジオ放送として政府もこのFM化を後押しする方針なのだそうです。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130228-00000014-asahi-ind
このFM化は在京のラジオ局のほか、関西や地方局にもそんな動きがあるそうで、早ければ数年後の移行を目指すとの事。 現在のAM放送をFM化にしても当分の間はAM・FMを共に送出するものの、AM送信設備の老朽化もあり、FMのみに移行する局もあるそうです。
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このFM放送化の少し前に、ラジオ放送のデジタル化全国規模での実施が困難とのニュースがありました。ニッポン放送やCBCラジオなどの中波放送のAMとは、振幅変調と呼ばれるもので、その場所場所ごとの電界の影響を受けやすいものです。そのため伝播距離は大きいものの、結果として雑音が混じりやすく、デジタル機器による音楽聴取の機会が多い現代では、必ずしも受け入れられる放送媒体ではなくなっています。いやそうなのだそうです。
そのためにテレビ放送のデジタル化で空いたエリアに、新たにデジタルラジオ放送エリアを作り、デジタル変調によるラジオ放送と共にいろんな情報を送ろうとする試みがあります。これがデジタルラジオと呼ばれるもので、当然ながら専用の受信機が必要です。
しかし価格が高い上に、送出側にも負担がかかり、全国規模での実施が困難とされています。そこで単に音質向上だけならAM変調をやめてFM変調に移行すれば、さほどの負担をかけずに実施できます。
その辺りを狙ってのFM化後押しなのでしょうけど、AMラジオ放送をこよなく愛する典型的なラジオ人間とすれば、この案、断固反対です。だってそうでしょ、AM放送は雑音こそ入るものの、いつでもどこでも誰でも手軽に聞ける放送媒体です。
私の住まいする一宮市。市でも岐阜県境に近い場所で、FM放送も名古屋と岐阜とが入ります。しかし「入る」だけでラジオ受信機を持ってチューナーを回して同期させたときは綺麗に入ります。でも手を離すと私がアンテナになっていたようで、とたんにシャーとかシャシャシャとかの雑音が入ります。FMなのに雑音?電波が弱いんです。境目に近い場所ゆえのことですね。
FM化なんて、普段地球に足をつけて暮らしていない方の発想でしょう。AMラジオは、それこそいろんな人が、いろんな場所で聞いておられます。最近でこそ外回りの方はFMラジオを付けてる方が多いそうですけど、農家の方や工場、農家でもハウスや露地など、音量を大きくすれば、AM変調のあのスピーカーからの音は案外、うるさい場所でも聞けるんです。FMのスピーカーからの音は良くても、遠くまで届かない音ではねぇ。
それとAM放送は、遠くまで電波が届きます。昼間と夜間では伝播が変わりますが、FMよりうははるかに広いエリアです。それが逆に言えば、きめ細かくCMを打てないにも繋がりますが。ABCラジオやKBS京都が聴けるのも、この広い伝搬性です。また夜間になればもっと遠いラジオが入ります。そのような汎用性の大きいのがAM放送なのです。