八百長問題がまだ解決せず、しかし相撲取り組みの場を開催しないわけにいかないの理由で開かれた、平成23年大相撲五月技量審査場所。
まだ調査途上で疑惑が100%取り去られたわけではないので、本場所興行としては開催せず、本場所の大きな目的である「力士の技量を審査」する場のみに絞って開催し、一般には公開するものの、「お客様を迎えて」という興行としての入場料を得ないという、大変特異な場所として初日に望み、昨日無事千秋楽となりました。
まぁそれなりに盛り上がったんじゃないでしょうか。盛り上がったものの、何処か喉に骨が刺さったような気持ちが私の中にあるままです。
幕内最高優勝 横綱白鵬 13勝2敗
殊勲賞 該当者無し
敢闘賞 西前6栃ノ心12勝3敗 西前16魁聖10勝5敗
技能賞 東小結鶴竜12勝3敗 東前1豪栄道11勝4敗
栃ノ心、粘りましたね。白鵬の好調さから13日目で優勝決まってしまうような勢いだったものの、白鵬自身がコケて千秋楽まで持ち越し。千秋楽で日馬富士に黒星をつけられたことで白鵬の優勝が決まり、その白鵬も千秋楽結びで黒星と、ちょっと水を指すような星取りだったのは、これも水物で大相撲の楽しさの一つです。
・・・という結果は、本日未明に協会公式サイトを見るまで知りませんでした。つまり今場所はNHKでは一切放送が無かったんです。勿論定時ニュースではスポーツの一部分として取り組み結果を伝えてはいましたが、何故か昨日はラジオ聴いてなかったか聴き逃してました。
テレビでは以前から日付上は翌日になる深夜にダイジェスト版を放送していましたけど、今回はそれも無し。そして私が毎場所一番楽しみにしているラジオの中継も行われず、喉に骨が刺さった感じの一つはここに原因があります。テレビでは放送せずとも、ラジオではやってほしかったな。
八百長疑惑の防止策で、今場所は力士の支度部屋への携帯電話持込を一切禁じたそうです。互いにやり取りをさせないためだそうで。同じ理由で、東西の支度部屋間の移動も禁止だそうな。
これまで構造的にユルユルだったこの社会、この際きちっとけじめを付ける意味は分かります。しかし相撲は一重に「粋」の社会ではないでしょうか。あれ禁止、これ禁止では、粋の世界ではないですね。こんな事書くと語弊を生むかもしれませんが、八百長ができるものの、敢えて自分の意思で行わないのが、粋ではないかと思います。
ただ昨今は相撲を取り巻く社会環境も変わっていますからね。いわゆる「タニマチ」と呼ばれている後援者も減っていると聞きますし、これは書きたくないですが、お金が第一とする風もありますし。私が子どもの頃に見聞きした相撲の良さは、次第に変わっているのでしょうか。
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さて、NHKで取組中継が無かったので、相撲協会公式サイトとニコニコ動画で前相撲から取組の動画配信がありました。前相撲は序ノ口の前にある番付外の力士による取組。これ、力士の後援者や家族には、取り組みの姿が見られて良かったのでは。
次の七月場所も、序ノ口からネット中継を望みたいです。