京都新聞3月26日配信記事からです。京都市内でも中心部の昔からのエリアは、所表記に通り名の組み合わせと「上ル、下ル、西入ル、東入ル」が用いられ、その表記も同じところを指し示すのに幾つかの通りがあって、カーナビなど地図検索では馴染めません。
それを京都のIT企業が共同で、通り名を使った表記で電子地図上の位置を表示する仕組みを開発したとのことです。
記事http://www.kyoto-np.co.jp/economy/article/20130326000081
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このサイト、「ジオどす」といい、既に3年前に開発されています。2010年7月に讀賣online記事で、この「上ル・下ル」が地図検索では使えず、結果的に通り名表記の使われようが減っているとの記事があり、弊ブログでもこの讀賣記事を元にブログ記事を書きました。
こちらです:http://blog.goo.ne.jp/mitake3067/d/20100731
その記事に、なんと「ジオどす」を開発されている方からコメントを頂き、そこで初めてジオどすを知りました。以来3年。英語表記にも対応したとのことで、かなりバージョンアップしています。
改めて京都市中心部の所表記は、一例を京都市役所で、
- 「中京区 寺町通 御池上ル 上本能寺前町 488番地
を普通の検索ではエラーが返されます。「寺町通御池上ル」の部分が余計で、これを外した
だと検索できます。しかしこれではいくら正式な名前が町名だけであっても、織豊時代から続く京都の伝統にそむくことになります。なんとか「寺町通御池上ル」を含む文字列で検索できないかと開発したのが、ジオどす。
しかし大きな困難が。それはこの「上ル・下ル」の種類の大さ。京都市役所のある上本能寺町でも、
- 中京区 御池通寺町西入 上本能寺前町
- 中京区 寺町通御池上る 上本能寺前町
- 中京区 寺町通押小路下る 上本能寺前町
の三通りがあります。三通りは少ない方で多いところでは、下京区東塩小路町。列記しましょうか(笑)。
- 不明門通木津屋橋上る 東塩小路町
- 不明門通木津屋橋下る 東塩小路町
- 不明門通塩小路上る 東塩小路町
- 不明門通七条下る2丁目 東塩小路町
- 不明門通七条下る 東塩小路町
- 烏丸通木津屋橋上る 東塩小路町
- 烏丸通木津屋橋下る 東塩小路町
- 烏丸通塩小路上る西入 東塩小路町
- 烏丸通塩小路上る 東塩小路町
- 烏丸通塩小路下る 東塩小路町
- 烏丸通七条下る西入上る 東塩小路町
- 烏丸通七条下る西入 東塩小路町
- 烏丸通七条下る 東塩小路町
- 河原町通七条下る 東塩小路町
- 木津屋橋通不明門西入 東塩小路町
- 木津屋橋通不明門東入 東塩小路町
- 木津屋橋通烏丸西入下る 東塩小路町
- 木津屋橋通烏丸西入 東塩小路町
- 木津屋橋通烏丸東入 東塩小路町
- 木津屋橋通新町西入上る 東塩小路町
- 木津屋橋通新町西入 東塩小路町
- 木津屋橋通新町東入 東塩小路町
- 木津屋橋通西洞院東入 東塩小路町
- 木津屋橋通東洞院西入 東塩小路町
- 木津屋橋通室町西入 東塩小路町
- 木津屋橋通室町東入 東塩小路町
- 塩小路通間之町西入 東塩小路町
- 塩小路通間之町東入 東塩小路町
- 塩小路通不明門西入 東塩小路町
- 塩小路通不明門東入 東塩小路町
- 塩小路通烏丸西入 東塩小路町
- 塩小路通烏丸東入 東塩小路町
- 塩小路通新町西入 東塩小路町
- 塩小路通新町東入 東塩小路町
- 塩小路通高倉西入 東塩小路町
- 塩小路通西洞院東入 東塩小路町
- 塩小路通東洞院西入 東塩小路町
- 塩小路通東洞院東入 東塩小路町
- 塩小路通室町西入 東塩小路町
- 塩小路通室町東入 東塩小路町
- 七条通新町東入 東塩小路町
- 七条通東洞院東入 東塩小路町
- 新町通木津屋橋上る 東塩小路町
- 新町通木津屋橋下る 東塩小路町
- 新町通塩小路上る 東塩小路町
- 新町通七条下る3筋目東入 東塩小路町
- 新町通七条下る東入 東塩小路町
- 新町通七条下る 東塩小路町
- 高倉通塩小路下る 東塩小路町
- 西洞院通木津屋橋上る 東塩小路町
- 西洞院通木津屋橋下る 東塩小路町
- 西洞院通塩小路上る 東塩小路町
- 西洞院通塩小路下る 東塩小路町
- 西洞院通七条下る 東塩小路町
- 東洞院通塩小路上る東入 東塩小路町
- 東洞院通塩小路上る 東塩小路町
- 東洞院通塩小路下る東入 東塩小路町
- 東洞院通塩小路下る 東塩小路町
- 東洞院通七条下る2丁目 東塩小路町
- 東洞院通七条下る3丁目 東塩小路町
- 東洞院通七条下る 東塩小路町
携帯で閲覧の方、すいません。64通りかな。手持ちの地名資料から列記(コピペ)しました。東塩小路町は京都タワーのある一角。範囲が広くこのようになってしまいますが、このような幾パターンに対応させねばなりませんでした。
しかも、ジオどすいじめではありませんが、誤まった表記で出来るかやってみました。何度も例にしてる京都市役所。見かけは御池通に面して、石造りの重厚な庁舎がそびえています。なのでここを
- 御池通 河原町西入 上本能寺前町(誤り)
- 御池通 寺町東入 上本能寺前町(誤り)
と誤認識しそうですし、実際にいらっしゃいました。これをジオどすで検索可能かとやってみたら、ちゃんと認識しましたね。おそらくは通り名の文字列認識ではないかと思います。市が公式に用いている通り名による表記というものがありますが、実際にはそれにとらわれずに、使われている方もいて、それらも検索可能になっています。
この「上ル・下ル」は公式には上京区、中京区と下京区の一部ですが、周辺部でもこの「上ル・下ル」を部分的に使っているようで、ジオどすの使用例として「左京区 百万遍」とあり、そうしたものにも対応させているようです。
ジオどすのwebサイトはこちら:http://geodosu.com/