真夜中の太陽

2014年07月06日 | Japanese

このまま終わってほしくない。
眠って起きてそのまま明日になってほしくない。
そんな悪あがきの夜。

The Who聴いて、んで、The Collectorsを聴いてる。
どちらも久しぶりに聴く。

ザ・コレクターズ。
私にとってどれだけ大切なバンドなのかは、ずぅっと以前にここに書いたのだけど。


彼らはモッズ・バンドとして87年のメジャーデビュー以来、ずっとコンスタントにアルバムやライブ、はたまたいくつかの別名義の活動など、精力的に今も活動している。

リーダーの加藤さんは1960年生まれだから、今年で54歳だけれど、年齢を重ねれば重ねるほどアグレッシブに活動していて、で、そのつどその時その時の若いファンを獲得していってて、元・若い人だった大ファンとしても、とても誇らしい気持ちになる。

ちょっと間が開いていたというか、契約を切られて苦戦していた時代もあったと思うのだけど、ここ10年位、作品で言えば2005年の「夜明けと未来と未来のカタチ」くらいからかな?のリリース・ラッシュは正直ビックリする。

本当に私が大好きだった90年代にこれだけの数のアルバムやライブ映像作品が毎年発表されていれば、どれほど狂喜乱舞してたことだろう。

作品の数と比例して、どんどん歌自体も吹っ切れていってて、身軽になっていってて、こうなんかバンドの核にフォーカスされていってて、なんともよい塩梅。昔より売れてるっぽいし。

ロックってこういう可能性があるんだから、素敵です。


このバンドの核。
それは加藤さんの描く歌詞の世界。
なんたって歌詞にやられちゃうんだよなぁ~。

90年代に聴いていたときは、若い時固有の「孤独感」を歌った歌詞にやられてた。
加藤さんも若かった。

今はその時の自分から「年を重ねる」ということに、いや、年を重ねるということについての焦燥感やなんともいえないやるせなさを、そのまま嘆くのではなくて、素晴らしき過去を愛おしむことで表現している歌詞にやられている。

同時代に年を重ねていけてるんだなー。
こんな長いつきあいになるとは思いもせなんだなー。


無邪気だったあの頃
好きで好きで仕方なかった
遠い過去の日々
色褪せた今の自分

あの頃の輝いていた二人
あの頃の輝いていた自分
あの頃の輝いていた日々

日々の重みに押しつぶされて
無くしてしまった
失われてしまった
自ら手を放してしまった
それどころじゃないと
言い訳しながら
どれほど大切だったか
今ならわかる
だけど二度と取り戻せない
本当に大好きだったよ

的な。
全然上手く書けないけど。

つまり「昨日」と「今日」における切なさ、みたいなもの。

本気の季節がいかに人生にとって大切だったかってこと。

曲で言ったら”キミノカケラ”とか”未来のカタチ”とか。
”真夜中の太陽”とか”GLORY DAYS”とか。

 

輝いている「今日」や「明日」だけを描いている、最近の若い人よりも精神的に若い、元気な曲も必ずある。
それは超恋愛賛歌的な曲が多い。
ハッピーで青い青い「大好き」がぎゅーっと詰まってる。
こっちも大好きだ。

アルバムの割合的にはそういうポジティブな曲7割、切ない系3割くらいなのだけど、どっちも実にコレクターズらしい。

加藤さんのスウィートなヴォーカルやコータローの紡ぎ出すギターは、子供の無邪気さと大人の滋味が入り交じってて、そんであの歌詞が歌われるんだから、笑いながら泣く。切なすぎて幸せになる。く~~~~っとなる。


とか言いつつ、吹っ切れたように見える2005年以降のコレクターズ作品は「夜明けと未来と未来のカタチ」と2011年の「地球の歩き方」しか持ってないんです。

ぜんぜん追いつかない、どんどん出すから。

でも知ってる。全部等しく良い作品であることを。
どれを聴いても変わらず好調で、同じ魅力の金太郎飴状態であることを。

ゆっくり聴いていきたい。

そんで今年は買いたいな。
もうすぐ発売する、ニュー・アルバム。タイトルは『鳴り止まないラブソング』だって!

実はほぼ毎日彼らのニュー・ソングを聴いてる日々です。
子供が見ているNHKのEテレのアニメ、「おじゃる丸」のエンディングソングがコレクターズの新曲なのです。

”Da!Da!!Da!!!”という曲。
これがまたね、素晴らしいの。
これは本当に青い「大好き」の歌。
ブルーハーツの”キスしてほしい(トゥー・トゥートゥー)”級の、人を好きになった時の真っ直ぐな気持ちを真空パックして、とびきりポップにしたプリミティブな魅力いっぱいで。

言葉遊びみたいな歌詞だから、息子もしょっちゅう「だ、だ、だ!」て歌ってて。楽しそうで。

息子がコレクターズの歌(それも新曲!)を歌っている、という現実に、その時の流れに一瞬クラクラしそうになる。

10代20代のあの頃の自分に教えたくなる。
ビックリするだろうな。

そしてこんな年になっても、未だそのまま明日になるのが怖い夜があって。
よせばいいのに夜更かしして、悪あがきしてるお供にコレクターズ聴いてるってことも。

ビックリするだろうなー。

 

 



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