時事解説「ディストピア」

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被爆70年、今後の課題

2015-08-06 23:55:14 | 浅学なる道(コラム)
赤十字社の報告書によると、2014年の一年間だけで、
広島・長崎の赤十字病院でそれぞれ4657人、6030人の原爆症患者が治療を受けたらしい。


まるでアメリカの罪を忘れていないかのように人体から消えず患者を苛む放射能。

原爆に限らず、ベトナムの枯葉剤、イラクの劣化ウラン弾と、
人体に長期間の障害を負わせる残虐兵器が今も使われ続けている。


韓国の基地内で無断で細菌兵器の実験が行われたことが先日、ニュースになった。
その後の調査によると、少なくとも2年前から黙認されていたそうだ。


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在韓米軍が生物兵器への対応の一環として、生きている炭疽菌だけでなく、
地球上で最も強力な毒素とされるボツリヌスも韓国に事前通知なく持ち込んで
実験したとする疑惑が持ち上がっている。

先月27日、「韓国で初めて炭疽菌の実験を行った」
という在韓米軍の釈明に対する不信も一層増幅されている。


ハンギョレが3日、米国の防衛産業の業界団体ホームページと
米国の軍事メディアなどを通じて確認したところによると、在韓米軍は、
2013年6月から、北朝鮮による生物兵器攻撃に対する防御を目的とし、
ソウル・龍山(ヨンサン)や京畿道・烏山(オサン)など
国内3カ所の米軍基地内の研究室で生物戦への対応実験を行う
「ジュピター(JUPITR、連合在韓米軍のポータルと統合脅威認識)プログラム」
を進めてきたことが明らかになった。

先月27日に問題になった烏山空軍基地内の炭疽菌のサンプルの実験も、
このジュピタープログラムの一環であった。


http://japan.hani.co.kr/arti/politics/20890.html
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こうしてみると、戦後70年とは、アメリカの
大量虐殺兵器の使用が70年間黙認され続けてきた歴史だとも言える。




スプートニクの世論調査によると、
原爆投下についてアメリカが謝罪すべきだと考えている日本人が
全体の6割を占めるようなのだが、この6割の声に日米両政府は応えていない。

(なお、同調査では「わからない」が3割、「謝る必要は無い」が1割を占めている)


それどころか、歴史的に見れば、アメリカ・日本両政府は
被爆者の陳情を無視、運動を妨害し続けてきたのである。原爆投下直後から。



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現時点での日本被団協の課題は何だとお考えか。
この問いに、木戸氏は次のように答えている。

「広島・長崎から70年なんですが、被団協ができたのは1956年です。
1945年から11年後に出来たということになりますね。


その11年間、何をしてたんだ、ということがひとつ、あるわけですが、
それは、GHQが原爆に関する報道を禁止していたんです。



国際赤十字のジュノー博士をはじめとして、
救援のための食糧・医薬品を送って欲しいというお願いが
マッカーサーになされたんですが、拒否されました。


原爆に関する報道が一切禁止され、被爆者の救援も一切行われないようにしました。


たとえば、放射能の被害についても、一切知らされなかった。

だから私たちは爆心地に畑をつくって、
オイモつくったりカボチャつくったりして、それを一杯食べていたんです。


私の言葉で言えば、被爆者は10年間を見捨てられた、遺棄された。
それが被爆者の最初の10年でした。



しかし1954年にビキニ事件が起き、日本で原水爆禁止の波が大きく盛り上がります。
そういう中で「被爆者の話を聞こう」ということになり、
被爆者も原水爆禁止のために、話し始める。
それまで全く見捨てられていた被爆者が、話し始める。

すると、聞く方も涙、語る方も涙。なんと惨たらしい、
原爆というものは何と非人間的なものであるかということで、大変な反響を呼ぶわけです。


そういう中で1956年の8月10日に、
長崎で日本原水爆被害者団体協議会、日本被団が結成されます。
そこで「世界への挨拶」という設立宣言を採択し、世界の人々に訴えました。

「世界に訴えるべきは訴え、国に求めるべきは求める。
そして私たち自らを救うとともに、私たちの体験を通して、人類の危機を救おう」
という呼びかけをしたんです。

本当に、もし再び核戦争が起こったら、人類は滅亡してしまいます。
「再び被爆者をつくるな」というのが、私たちの願いなのです。


今年で被団協結成59年ですが、この間、運動をずっと続けてきました。
広島・長崎に次ぐ第3の核戦争は、どうにか阻止されてきました。

しかし、核兵器はいっぱい残っていますし、国家補償についても、
日本政府はずっと拒否し続けてきた。そういう状況です。」

続きを読む http://jp.sputniknews.com/japan/20150806/706531.html#ixzz3i359teel

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私は原爆投下のみならず、1945年~1956年の期間に日米政府が行った
被爆者への仕打ちに対しても何らかの責任を取るべきだと考える。



被害者を苦しめたのは、原爆症だけでなく、
政府の「忘れろ」という圧力もあったのだ。




こういう状況のなか、現在、アメリカやイギリス、フランスが
テロ対策、民主化など色々と都合をつけて、中東や中央アジアで
民間人を殺害し続けている。彼らに経済制裁など一切ない。ペナルティはゼロだ。



世界平和を思えば、
アメリカのほうがよっぽど脅威である。

(そのお仲間のイギリスやフランスもしかり)



結局、戦後70年(被爆70年)の歴史とは、70年間
アメリカが負うべき責任から逃げ続けてきた歴史だった。



それはアメリカの戦争犯罪を黙認してきた歴史だとも言える。


これまで私たち日本人は、あまりにも寛容だった。
何が悪いかを問いかけ、誰が悪いかを問うのは控えてきた。


これから必要になってくるのは、
アメリカ(英米仏侵略トリオ)の暴走を止める運動だと思う。


単に「戦争反対」、「核反対」と叫ぶだけの運動から脱皮して
より具体的にアメリカの戦争犯罪の責任を追及する運動へと変わらなければならない。


少なくとも私はそう感じる。


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