時事解説「ディストピア」

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西ヨーロッパ中心史観とウクライナ民衆弾圧

2015-06-09 00:00:37 | ロシア・ウクライナ
ロシア外務省情報印刷局は、ウクライナ最高会議が4月9日に採択した、
ウクライナにおける共産主義と国家社会全体主義体制、そしてその象徴を禁止する法案
についてコメントした。

情報印刷局の声明の中では、
自国の過去を歪曲しようとする試みは現代社会を深い分裂に導くだけだ、と述べられている。

同時にキエフの新政権は、ウクライナが内戦状態に陥っている間に、歴史の書き換えを行っている。


2014年5月、選挙で200万票以上を得票した

ウクライナ共産党の活動を禁止する法的プロセスが始まった。


共産主義者が二度とウクライナ最高会議に戻ってこないことを確かなものとするために、
12月2日、最高会議に司祭が招かれ、「無神論者たち」が座っていた席に聖水が振りまかれた。


また、ソ連時代にウクライナの通りにつけられた共産主義の指導者や
記念日と関連した地理的名称の多くが残されていたが、4月10日、
それらの名称を変更する命令が出された。


続きを読む http://jp.sputniknews.com/politics/20150411/182949.html#ixzz3cTxW6fWJ


実際にはナチス協力者を民族運動家とアイコンを書き換えて称える始末。
実に巧妙だ。だが、冷静に考えれば、ヒトラーとスターリンを同一視する考えは
日本やロシアの一部知識人も含め、世界的に多く散見される。


私は、そのような動きは結果的に第二次世界大戦前に
彼ら同士を戦わせて漁夫の利を得ようとしていた英米仏侵略トリオの
植民地支配の責任やその後の侵略的外交を度外視させてしまうのではと危惧していた。


その予感が的中するかのごとく、今ウクライナでは
ナチスとソ連を同一視し、その歴史観を利用して国内の民衆弾圧を推し進めている。

そういうわけだから、この弾圧の責任の一端は、
とりあえずナチスやソ連を全体主義国家の枠にはめ、
自分たちを枠外にした西ヨーロッパ中心史観にあるのではないだろうか?


・追記

スプートニクのオピニオン記事より。


ウクライナ政府が、ソビエト崩壊以来24年間、ウクライナ人に植え付けられてきた
ロシア人への憎悪を一層募らせるべく、さらなる一手を指した。

ウクライナ教育・科学省は11年生(高校3年生に相当)向け歴史教科書に新たに一章を書き加えた。


その章は、キエフ中心部独立広場(マイダン)における、
ヤヌコヴィチ大統領退陣とEU加盟を求めた、2013年秋の抗議行動に始まり、
ウクライナ南部・東部戦争に終わる。ここに示されている記述法は、
二語をもって性格づけることが出来る。すなわち、冷笑的な嘘。


そこにはたとえば、戦士2万20000人からなるロシアの特殊部隊が
マイダン撲滅秘密作戦「ブーメラン」を準備していた、と記されている。


また、オデッサの「労働組合の家」がウクライナのナチ信奉者に放火され、
中にいた数十人のマイダン反対派が焼死した一件は、誰が誰に殺されたのかが明記されず、
「親ウクライナ平和デモ隊」の銃撃で死者が出たことしか分からない書き方になっている。


また、ロシアの侵略者らが平和なウクライナの都市をロケットランチャーで攻撃しているとある。
ロシアのエージェントらが鉄道、行政機関のオフィスを爆破し、平和な市民を殺傷し、
恐怖と不安を煽ろうとして、ついに成功していない、とも。


キエフのクーデターを支持しないドンバス市民に対し、キエフは懲罰作戦を展開した。
その懲罰作戦は、「ウクライナの民衆による、ロシアの侵略に対する戦争」と名付けられている。

その戦争は「ウクライナのみならず、欧州や世界の現代史における最重要の出来事である」という。


モスクワ国際関係大学国際研究所主任研究員アンドレイ・イワノフは、
この章の執筆者は冷笑的な嘘をついており、
また、これ以外の書き方では彼らは書けないのである、と見ている。



「ヤヌコヴィチとウクライナ臨時政府および西側の関係は
 当初の当初から嘘を土台としていた。

ロシアはウクライナの欧州入りを許さないとか、キエフの抗議行動は平和的なものだったとか、
ウクライナ市民は誰もがそれを支持していたとか、ロシアはクリミアを占領したとか、
ウクライナ南部・東部ではウクライナ軍とナショナリスト軍団が
ロシアの侵略を撃退しているのであって、平和市民を迫害しているのではない、
とかといった嘘を、ウクライナの政治家やメディアは拡散している。

彼らはこうした嘘を、それでなくてさえ朦朧としているウクライナ人の意識に、
今度は学校の教科書を通じて植え付けようとしている。


このような嘘の前には、たとえば、日本の歴史教科書における、
たとえば南京大虐殺や朝鮮の従軍慰安婦に関する穏やかでない記述も蒼褪めてしまう



ではロシアは今、この侮辱的な攻撃に、どのように反応すべきか。
ウクライナ人の若い世代が、ロシアに対する何の根拠も正当性もない
憎悪を植え付けられようとしている。ロシアはどうしてこれを容認できるだろう。」


ウクライナのメディアや教科書における虚偽は極めて危険である。

なぜならこの嘘は、ウクライナ人をロシアとの戦争に向けて準備するからである。
今のところ西側はこの準備を静観している印象である。

しかし、西側の承認とともにウクライナが開始するだろうロシアとの戦争は、
欧州にも波及するのだということを悟るべき時ではないのか。

戦争回避には一つの方法しかない。

いまウクライナを統治しているのは「革命家」でも「民主派」でもない、
嘘つきとナチスであると認めること。ウクライナの現政権を支持することは
嘘つきやナチスと手を組むことと同じであると、理解することだ。

続きを読む http://jp.sputniknews.com/opinion/20150410/179174.html#ixzz3cU1Cfv61



結局、日本であれウクライナであれ、保護国、従属国は
どこも似たり寄ったりのことをしているのだなぁと思う。


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