時事解説「ディストピア」

ロシア、イラン、中国等の海外ニュースサイトの記事を紹介します。国内政治、メディア批判の記事もあります。

アメリカが去年からシリア軍を攻撃していたことを指摘しない内藤正典氏

2017-04-10 22:14:11 | 中東
先日の米軍のシリア軍への攻撃について新聞・テレビ等のマスメディアが騒いでいるが、
実はシリア軍への攻撃はオバマ政権期からあったということをどの機関も指摘していない。




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ロシアのラブロフ外務大臣が、
「アメリカのオバマ大統領は
 シリア軍に対するアメリカ軍の戦闘機の攻撃のために、
 シリアのアサド大統領に謝罪した」と語りました。


タスニーム通信によりますと、ラブロフ外相は、ロシアのテレビのインタビューで、
オバマ大統領が、アメリカの戦闘機がシリア軍を攻撃したことにより、
アサド大統領に謝罪したことを認めました。


また、シリアの情報筋も、オバマ大統領はアメリカの戦闘機のシリア軍に対する攻撃について、
非公式な形でアサド大統領に謝罪したとしています。


アメリカ主導の有志連合の戦闘機は、
先週、シリア東部デリゾールの空港付近にある政府軍の拠点を空爆しました。

これにより、シリア軍兵士90人が死亡しました。
アメリカ当局は、有志連合の戦闘機はシリア軍の拠点を誤爆したと発表しました。


軍事専門家は、アメリカは最新の装備を有していることから、
この攻撃が誤爆である可能性は0だと強調しています。



http://parstoday.com/ja/news/world-i17224
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先ほど何気なく見ていた報道ステーションでトルコを専門とする内藤正典氏が
「アメリカ軍がシリア軍を攻撃したのは今回が初めてです!」と力説していたが、それは間違い。


オバマ政権の時代には、すでに「誤爆」と称してシリア軍を攻撃していた。


これに限らず、アメリカが主導する有志連合軍は
無許可でシリアの領空に侵犯し、市民を『誤爆』している。





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シリアで、アメリカ主導の連合軍の攻撃により、
およそ250人の子供が死亡


シリアの人権監視団が、シリアにおけるアメリカ軍の空爆により、
これまでにおよそ子供250人が死亡していることを明らかにしました。


ファールス通信によりますと、シリアの人権監視団は19日水曜、
報告の中で、シリアにおけるアメリカ主導の連合軍の攻撃により
シリアの民間人およそ650人が死亡しており、このうち244人が子供、
132人が女性となっているとしました。


この報告では、アメリカ主導の連合軍は2014年9月から、
テロ組織ISISとの戦いを口実に、シリアに入り、この攻撃により
2015年末までに民間人649人が死亡しているとされています。

シリアの人権監視団はさらに、
「連合軍の戦闘機は、重要な施設を攻撃し、
 このうち、28回の空爆により、多数の民間人が死亡した」としています。


http://parstoday.com/ja/news/middle_east-i18952
(2016年10月の記事)
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アメリカ主導有志連合軍、「シリアとイラクで民間人が犠牲に」


アメリカ軍が声明を発表し、イラクとシリアにおいて
アメリカ主導の有志連合軍の攻撃より、少なくとも188人の民間人が犠牲となっている事実を認めました。


ファールス通信によりますと、アメリカ軍は、
イラクとシリアにおける2015年の攻撃1件と、2016年における4件の攻撃による、
民間人の殺害を調査中であると主張しています。



有志連合軍は、2014年から
テロとの戦いというスローガンにより、活動を開始しました。


イギリス・ロンドンに本拠地を置くNGOエアウォーズも、
シリアとイラクでの有志連合軍の攻撃で、2000人以上の民間人が死亡したと発表しています。



アメリカ主導の有志連合軍は、民間人の殺害のみならず、
テロ組織ISISに対する作戦で使用されるイラク軍の拠点をも、何度も爆撃しています。




アメリカ政府はこうした事例を、誤爆であると表明しています。



これ以前に、中東にあるアメリカ軍司令部は、有志連合軍の戦闘機が
イラク北部の町モスルのある地区で、ISISのメンバーを乗せた車両1台を攻撃したものの、
後になってこの地区が病院の駐車場だったことに気づき、
結局これにより民間人の犠牲者を出したと発表しています。


http://parstoday.com/ja/news/middle_east-i23974

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アメリカ主導の有志連合の戦闘機がシリア北部で民間人を虐殺




アメリカ主導の有志連合の戦闘機が、シリア北部で再び民間人を虐殺しました。

シリア国営通信によりますと、アメリカ主導の対ISIS有志連合の戦闘機は、
5日水曜夜、アレッポから北50キロの地点にある村を空爆しました。


この空爆で数名の子供を含む60人が死亡し、数十人が負傷しました。
一部の負傷者が重体となっていることから、この空爆による死者の数は増える可能性があります。
この攻撃により、この村の中心部の住宅数十棟が破壊されました。



この村には、
ほかの地域からテロ組織ISISを恐れて逃げてきた人を受け入れていました。



アメリカ主導の有志連合は、これ以前にも、アレッポ北部近郊でシリアの民間人を虐殺しています。




アメリカとその同盟国は、ISISとの戦いを主張していますが、
これらの連合の戦闘機は9月17日にも、
東部デリゾール近郊のシリア軍の拠点を空爆し、
ISISによる占領の下地を整えました。


http://parstoday.com/ja/news/middle_east-i18004
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アメリカがシリア住宅地を再び空爆
(http://parstoday.com/ja/news/middle_east-i20437)


アメリカの戦闘機、シリアの難民を攻撃
(http://parstoday.com/ja/news/middle_east-i21382)


ここ数日、テレビのニュース番組や新聞の社説では、
「平和の使者オバマは空爆には慎重だったが、トランプは…」
という主張がよくされているが、これは事実に反している


実際には、すでに見てきたように
少なくとも去年からアメリカ軍はシリア軍や国民を何度も空爆している。



これは当のアメリカも認めていることである。


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アメリカ国防総省、シリアの民間人殺害を認める




アメリカ国防総省が、アメリカ主導の有志連合による最近のシリア攻撃の中で、
多くの民間人が死亡したことを認めました。


イルナー通信によりますと、アメリカ軍の中東司令部は、
13日火曜、声明を発表し、最近、シリアのテロ組織ISISの拠点に対して行われた6日間の空爆で、
数人の民間人が死亡した可能性があると発表しました。



この声明によりますと、今月7日、シリア東部デリゾール付近の
ISISの拠点に対して行われた空爆の中で、戦闘機のミサイル攻撃により、
この地域に侵入した民間人の自動車一台が攻撃されたということです。



また、この司令部は、今月10日のシリア北部ラッカ付近の空爆でも、
現場付近にいた民間人2名がこの攻撃で死亡したとしています。



アメリカなどの西側の支援を受けたテロ組織への攻撃は、
特にアメリカを始めとしたテロとの戦いを主張する連合による攻撃である一方で、
これらの連合は、数千人の民間人を殺害しています。


http://parstoday.com/ja/news/middle_east-i16606
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アメリカ主導の有志連合、シリアとイラクの民間人虐殺を認める



アメリカ主導の有志連合が、声明を発表し、
2014年から2017年のシリアとイラクの空爆で、数百人の民間人が死亡したことを認めました。


アルアーラムチャンネルによりますと、この声明では、
2014年8月から2017年2月までの間に、テロ組織ISISに対する国際的有志連合は、
アメリカの主導により、1万8600回の空爆をシリアとイラクで行っており、
これにより民間人396人が死亡しました。

こうした中、有識者はこの有志連合による見積もりは、実際の死者の数よりも大幅に少ないとしています。

あるNGOの調査によりますと、少なくとも2500人が
イラクとシリアにおける有志連合の空爆で死亡しています。

この連合は、アメリカのオバマ政権時代に、
イラクとシリアのISIS対策を口実として結成されました。

一方、公式報告によりますと、アメリカなどの西側諸国やアラブ諸国は、
ISISなどのテロ組織の創設者であり、また兵器や資金の援助者とされています。

http://parstoday.com/ja/news/middle_east-i28392
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以上の事実に全く触れずに、
内藤氏のようなテレビに御呼ばれする御用学者たちはシリアを非難し、
遠回しにトランプ政権を支持する。そのスタンスは日本政府と軌を一にする。



アメリカの人権活動家、ノーム・チョムスキーは
知識人がゴーサインを送ると、大衆は簡単に政府の扇動に流されてしまうとコメントしたことがある。


これを踏まえた上で、過去の内藤氏のtwitterの発言を列挙してみよう。


「アサド政権が倒れて、ヌスラ戦線のようなイスラーム主義過激派が台頭したらどうするのだ?、
 とトルコの世俗派知識人は必ず言う。何度でも言うが、仁義も倫理もないシリア内線において、
 唯一、法の支配(イスラーム法)を受け入れているのはヌスラ戦線だけなのである。

https://twitter.com/masanorinaito/status/373564284032143360


「トルコ、世俗主義&ナショナリズムの野党CHPの党首、
 エルドアン首相を「シリアのテロリストの頭目」と非難。
 多分、ヌスラ戦線をトルコ政権が支援してるという意味だろうが、
 それではこの野党はアサド支持?世俗主義政党がとっくに終わってる証拠」

https://twitter.com/masanorinaito/status/338655224623407106

「アサド政権が倒れても、報復合戦はしばらく続くが、シリア人は、
 元来、武力衝突を嫌うから、一定の方向に落ち着いていく。
 それまで、国際社会が武力によらない介入と支援を続けるしかない。
 シリアという国は、ダーテイ・ビジネスを得意とするが、自分の国を戦場にしたいわけではない。」

https://twitter.com/masanorinaito/status/373926557087068161


「日本の隣国である北朝鮮、中国、ロシアの三国が、
 これだけ残忍で非道な政権であるアサド政権のバックについているということについて、
 日本では議論しないのか?」

https://twitter.com/masanorinaito/status/373104492872359936

「化学兵器について、北朝鮮の関与は中東でもしばしば議論に上っている。
 日本では北朝鮮の武器供与や技術支援、直接的軍事支援について、
 どういう議論がなされているのか?聞いたこともない。」

https://twitter.com/masanorinaito/status/373104859571949569


以上の発言は4年前にされたものであるが、要するに、内藤氏は日本のメディアでさえ
過激派と認めているヌスラ戦線を全面的に支持し、アサド政権を滅ぼせと主張していたのである。



2013年9月5日に放送されたNHKの「視点・論点「緊迫するシリア情勢」でも彼は

「私は、軍事介入による紛争解決には反対です。
 軍事介入をすれば、アサド政権側は、市民の中に戦闘員を紛れ込ませますから、市民の犠牲も増えます。

 しかし、ことここに至っては、強力な軍事介入によって
 アサド政権側の軍事拠点を無力化する以外に方策はありません
。」

と発言している。



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アメリカの攻撃に対するシリア人のデモ




シリアの人々が首都ダマスカスの通りで、
シリアの空軍基地に対するアメリカの攻撃を非難しました。



シリアの人々はこのデモの中で、この侵略に対する反応を求めました。
このデモに参加した市民はこのように語っています。



「この空爆で死亡したシリアの兵士は我々の国民であることから、
 この攻撃は戦争犯罪であり、われわれは決してそれを許さない」



シリア政府もまた、はっきりと、
「アメリカの侵略は、シリアのあらゆる場所にいるテロリストの弾圧に向け、
 この国の決意を増すことになった」と強調しています。



アメリカは7日金曜未明、先週火曜のイドリブに対してシリアが化学兵器による攻撃を行ったと主張して、
地中海から59発のミサイルをホムスのシリア空軍基地に向けて発射しました。



この攻撃により、
子供4人を含む9人が死亡、数名が負傷しました。



アメリカの空爆により、空軍基地の近くの村には大きな被害がもたらされました。



シリアにおけるアメリカの干渉的な動きは
シリアの主権の大規模な侵害であり、国際法への明らかな違反です。


この攻撃はテロ対策の前線で戦っているシリア軍兵士、
そしてシリアの民間人数百人の死亡、さらにはこの国の民家や公共施設の破壊につながっています。


http://parstoday.com/ja/news/middle_east-i28664
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日本のメディアはシリア軍の空爆を表現する際に必ずと言って良いほど
「幼い子どもを含んだ多くの市民が殺されている」というフレーズを使う。


だが、なぜか彼らは
先日の米軍の空爆が幼い子供を殺したことは伝えようとしない。



事実を切り貼りして、虚像を生み出し、一つの見解に向けて
読者や視聴者を誘導する。これは「プロパガンダ」というものではないだろうか。



アメリカによるシリアへのミサイル攻撃を受け、ISISがパルミラを攻撃
(http://parstoday.com/ja/news/middle_east-i28616)

トルコ大統領、「アメリカはテロ組織ISISを支援」
(http://parstoday.com/ja/news/middle_east-i23644)

加えて、アメリカ軍がシリア軍を空爆したちょうどその時、
ISがシリア中部にあるパルミラを攻撃したことにも言及しない。


内藤氏は米軍の空爆を知り、シリアの難民は喝采したとコメントしたが、
実際に喝采したのは、反体制派の武装組織だ。すべてアベコベの解説。

内藤氏が登場した時、私は、
「なぜシリア情勢の専門家である青山弘之氏を招かなかったのか」と疑問に感じた。

同氏は先月、岩波新書から『シリア情勢』という著書を発表しているが、
この本は、いわゆる世間に蔓延るシリアバッシングとはレベルそのものが違い、、
アサド政権の負の側面にも言及しながらも、アメリカを主とする他国の干渉行為、
そして「穏健派勢力」という言葉の虚妄についても論じている。


真剣にシリアを語りたいなら、青山氏を呼ぶべきではなかったか?


どうも今夜の報道ステーションは、
暗に安倍・トランプ政権を支持するために意図的に人間が選ばれた気がする。


さらに言うならば、アサド政権の非難と合わせて北朝鮮への攻撃も
それとなく支持するような報道がされていて、大変、危険である。


オバマは弱腰だった、だがトランプは違う。
(この言葉は過去のアメリカ軍のシリア空爆を完全に透明化し、免罪するものである)


こういう嘘が吹聴され、池上彰をはじめ、政治バラエティ番組では
北朝鮮バッシングが喜々として行われ、韓国市民の民主化運動の結果であるはずの
朴槿恵逮捕を残念がり、親北派の大統領が就くのではと不安がる日本のメディアと知識人。


着々とシリア・北朝鮮を滅ぼす準備が出来上がっているように感じるのは私だけだろうか?


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