時事解説「ディストピア」

ロシア、イラン、中国等の海外ニュースサイトの記事を紹介します。国内政治、メディア批判の記事もあります。

中国、一人っ子政策の「全面」撤廃政策について

2015-10-31 22:40:40 | 中国(反共批判)
何を今更という話だったりする。


テレビのニュース番組をいくつか見る限り、
一人っ子政策の「全面」撤廃と正しく表現する局はなかった。


実のところ、中国では二年前から
単独二孩(夫婦のいずれか一人っ子の場合、2人目の出産を認める)
という政策が導入されている。

人民網によれば、2人目を産もうとする家庭は全体の25(24.9)%を占める。意外と少ない。


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中国青年報社会調査センターは先週、世論調査の民意中国網と
マーケティングリサーチの北京益派市場咨詢有限公司(益派諮訊)を通じて、
全国の住民2052人を対象とした調査を行った。

調査から、「単独二孩」の申請条件を満たす調査対象者のうち、
実際に申請を行った人は24.9%にとどまったことが明らかになった。中国青年報が伝えた。

「申請しなかった理由」のトップは、「養育費が高すぎる(58.1%)」で、
「育てるのに膨大な時間がかかる(36.5%)」がこれに続いた。

第3位以下には、「子供は一人で十分(32.3%)」、
「育児観が変わり、多くの子供を望む人が減った(29.0%)」
「急ぐ必要はない。十分に考える時間をとるべき(28.8%)」
「申請手続きが煩雑(23.4%)」「住宅が狭い(23.0%)」
「仕事による制約がある(22.4%)」「女性側の負担が大きすぎる(15.1%)」などが挙がった。


北京市人口研究所の馬小紅署長は、
「『単独二孩』の申請者が少ない状況は、それほど不思議でもない。
  というのも、数年続けて北京で行われたサンプリング調査によると、
 『2人目が欲しい』と希望する人の割合は、ずっと25%前後だったからだ。

 多くの人が二人目を生みたがらない理由は、
 経済的コスト、教育コスト、時間的コストなど、数え上げればきりがない」と指摘した。

http://j.people.com.cn/n/2015/1030/c94475-8969298.html
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結果の詳細は明らかではないが、恐らく開発が進んでいない内陸部では
低所得者を中心に、今後、多産が増えていくのではないかと思う。


一般的な傾向として、もともと教育に出費する余裕がない家庭は、
子どもを多く産み、義務教育を修了してまもなく労働に従事させる。

特に農家の場合、子どもが多ければ多いほど家の手伝いをさせることが出来る。
結果的に児童労働者や退学者が増えるデメリットが出来るが、
多産は工夫次第で農業労働者に大きな利益を与えることが可能になる。


2012年時点で中国の農業就業人口は約2億6000万人。
大体、中国人の6人に1人は農家だということになる。

今回の一人っ子政策の全面解禁は、彼ら農業従事者を主な受益者と想定してはいないか?
と邪推してみたりする。


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