時事解説「ディストピア」

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リビア問題からわかる日本左翼の欠陥

2014-02-24 01:02:18 | リビア・ウクライナ・南米・中東
先日、古本屋で池上彰氏の著作を見かけた。

『池上彰の「ニュース、そこからですか!?」』という題名で、
 文春新書の1冊として出版されたものである。

文芸春秋といえば、戦前から日本のアジア侵略に加担し、
積極的にプロバガンダに協力し、戦後は右翼の宣伝部と化している
出版社だ。こういう会社が戦後日本の文学をけん引してきたというのも
凄まじい事実であるのだが、そこから出版した以上、いよいよもって
ろくでもない内容が書いてあるのだなと思い、興味をひかれて立ち読みしてみた。



「凄い」の一言だった。


 彼によると、人口600万の国に1日あたり130回もの爆撃を病院や学校に
 行われ、多くの民間人が民主主義諸国によって殺害されたあのリビアが、
 アフリカで最も豊かな国と評価され、水道やガス、電気、医療、教育費
 全てが無償だったあのリビアが「アフリカの北朝鮮のような国」と
 太文字で書かれていたのだ。
これほどふざけた評価はないと思う。


ということもあり、リビアについて改めて調べていたところ、
ちょうど良いタイミングで以下の記事が翻訳されて紹介されていた。

http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2014/02/post-4acf.html


実のところ、リビア消滅を大喜びしたのは池上氏だけではない。
日本の自称平和主義者、マルクス主義者、左翼、リベラルといった
抵抗勢力を気取っている連中のほぼ全部がそうだったのだ。

大規模な組織ながら違う反応を示していたのは共産党ぐらいなもので、
これはリビア消滅が他ならぬアメリカ率いるNATOだったためだと思われる。
非武装、平和外交、反米を基軸とする同党ならではの反応だった。

とはいえ、それも根本的な批判とは言い難く、この点、すなわち
「なぜリビア侵略を反戦を主張する左翼が大絶賛したのか」という点に
 ついて、あらためて語る必要がある気がする。


何度も言うが、リビアは文字通り、強国によって滅ぼされたのである。
これは19世紀以降続く欧米列強の侵略政策の一端とも言える。

にも関わらず、それを傍目で見て「やったぞぅっ!」と叫べる左翼とは
いったい何なのか?彼らが守りたい平和とは何なのか?はたして彼らは
左翼と呼べるのか?こういった疑問はリビア問題を通じて明らかになると思う。


というわけで、次回からは前掲の翻訳文を部分抜粋し、
この問題について考察を練っていこうと思う。