時事解説「ディストピア」

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新版・「位置づけ国家と革命」 その3

2013-07-05 19:42:04 | 反共左翼
前回、K・M氏の『国家と革命』論の致命的な問題点・・・というよりも
意図的なレーニン国家論の改ざんを暴露したが、
いま、改めて同氏の主張を読むと、言いがかりとしか思えない箇所が
散見して、レーニンどころかマルクスすら読んでいないんじゃと思う。


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1989年~91年、東欧・ソ連10カ国とその前衛党がいっせい崩壊した。

14カ国中、残存するするのは、
中国共産党・ベトナム共産党・キューバ共産党・朝鮮労働党の4つだけになった。

21世紀の20XX年において、残存する4つのレーニン型暴力依存・一党独裁・党治国家がすべて崩壊した暁には、
レーニンの『国家と革命』はユートピア小説のジャンルの中にも正当に位置づけられよう。


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わざわざ赤字でレーニン型暴力依存・一党独裁・統治国家と書いてあるが、
いくらなんでも、キューバとソ連を同一視するのは乱暴すぎるだろう。

キューバは、何だかんだで革命前の比較にならないほどの
社会福祉を実現し、またここは軍事政権も核ミサイルも存在しない。

同じく、ベトナムも第二次世界大戦後、30年かけてようやく
自国の主権を回復させた国であり、ここではスターリンが行った
大粛清のような現象は起きていない。内戦も生じてはいない。

また、ソ連や中国と異なり典型的な多民族国家というわけでもない。

北朝鮮もソ連と同一かといえば、今まで大々的な国民虐殺も
内戦も起こしていない。冷戦時代のいずれの戦争にも参加はしていない。


立憲君主制のイギリスと民主主義制のアメリカが
同じ資本主義国家であることを理由に全く同じだとは言えないように、
歩んだ歴史も政治体制も異なる社会主義諸国家を全て同じだとは言えるわけがない。


一党独裁=悪であるかのように語っているが、なら多党制が正しいかと
いえば、アメリカやイギリス、フランス、ドイツ、日本など先進諸国が
先進国陣営の利害に基づいて途上国を駆逐している現状を見る限り
とてもそうだとも思えない。

要するに、M氏は暴力依存だとか独裁だといった物騒な言葉をもってしか
批判(というより全否定)ができないのである。70半ばの老害の悲しき性だ。

しかし、これは何もM氏に限った話ではなく、ほとんどの共産主義論が
この手の論法(ソ連や中国は地獄!アメリカや日本は・・知らん!)
で語られている。彼らのほとんどは、実のところ程度の甚だしさは
資本主義国のほうが大きい(資本主義国は自国の暴力を締め出して
途上国へ輸出する)という事実を隠ぺいして話を進めているのだ。

結果的に、これは日米をはじめとした侵略国家の片棒を担ぐことになり、
当然の帰結だが、日本においては急速な右傾化が進んだ。

自分たちで右傾化に拍車をかけたくせに、慰安婦や沖縄問題に対しての
世間の態度に対して「けしからん!」と顔をしからめてほざく。

この手の権力者に対して拒否のポーズを部分的にとりながら
その実、裏側では自ら首輪をはめてしっぽを振っている犬ジジイどもが
本当に腹が立って仕方がない。とっとと鬼籍に入ってもらいたいものである。

追記・
このK・M氏、これでもリベラルを自称している。
極右の文章として紹介しても違和感を感じないのだが(汗)