ならなしとり

外来生物問題を主に扱います。ときどきその他のことも。このブログでは基本的に名無しさんは相手にしませんのであしからず。

たとえ被災しようがペットを捨てるのは甘えです

2011-03-21 20:31:24 | 外来生物
 今回の地震で被災された方には心よりお見舞い申し上げますし、被災して生活がつらいのもわかります。
とはいえ、やっていいことと悪いことは当然あります。今回はやってはいけないことの話です。

■飼育魚「いらない」急増 おさかなポスト 震災後1週間で2000匹(2011.3.21. 東京新聞)

以下引用
飼えなくなった魚を無償で引き取る川崎市多摩区の「おさかなポスト」には震災発生後、捨てられる魚が急増している。その数は、11日の震災発生から1週間で約2000匹にも上るという。

中略

引き取りを希望する人たちも、関東だけでなく、広く被災地の福島県にまで及んでいる。
引用終わり

地震により魚が飼えなくなった人たちが多数いて、そういった人たちが魚を送っているようですね。
この人たちへの感想を一言で言うなら“甘え”です。それも唾棄すべき類のもの。
僕は一度命を預かった以上、死ぬまで面倒をみるというのは生き物を飼う上での鉄則と考えています。そして飼いきれないなら自分の手でケリをつけろとも。見ず知らずの他人に勝手にゆだねるなんてまねはたとえ被災地の人であっても甘えです。
確かに地震にあったのはどうしようもないことですが、自分でケリをつけずに他人に放り投げるという決断をしたのは飼育者なわけで。事情があって飼えなくなった魚を泣く泣く処分した経験のある僕からすれば、なにを馬鹿なことをしているのかと。
おさかなポストに送る人はまだましな方で、それすらできない人は近くの川や池に“投棄”しているでしょう。地震がおさまって魚類調査をしたら知らない魚がたくさんいたなんてことになりかねません。おそらく今後の東北の魚類相は外来生物が多く見られるようになるでしょう(一時的かそれとも定着するかまでは分かりませんが)。
 正直なところ“飼いきれなくなったらどうするか”まで考えて、始めて生き物を飼うスタートラインなのですが、安易に他人にゆだねたり野外に放つのは、そこまで考えていなかったことを雄弁に示しています。そういう人はそもそも飼わなきゃいいです。自分が命に責任が持てない人間ってことですからね。そういう連中が外来生物を数多く生み出して他人に尻拭いさせる現状を作り上げてきたわけです。本当に(野生動物を含む)誰にとっても迷惑にしかならないので安易な自己満足は止めてほしいですね。

三重大の淀先生も今回の状況を憂いています。だいたい一緒の見解です。
ペットを,捨てないで