ならなしとり

外来生物問題を主に扱います。ときどきその他のことも。このブログでは基本的に名無しさんは相手にしませんのであしからず。

科学ジャーナリストの明暗

2009-06-02 22:08:37 | Weblog
 最近よく見るブログを見たらこんなことがあったようで。
発信箱:むなしい科学=元村有希子(科学環境部)

>そして今月、北朝鮮が地下核実験を実施した。「成功」を伝える発表文は「科学者、技術者らの要求に従い」と始まる。作っては試し、改良してまた試す。こうした試行錯誤なしに科学の発展はない。だが、科学者たちは結果の深刻さについて一度でも想像したことがあるだろうか。そう考えたらむなしくなった。

科学者に倫理観がないと言っているようなものですね。実際にはES細胞を用いた研究などのように倫理的制約で研究に足止めがかかっているケースもあるんですが。

>人間はこの60年間、同じことを繰り返してきた。政治家が科学者を利用し、科学者は無邪気に目標を追いかけ、多くの命を奪い、地球を汚し、誰ひとり幸せにしなかった。どう考えても、これ以上むなしい営みはない。

・・・いくらなんでも極端すぎますって。科学の進歩によって人が助かっている面をまったくとらえていませんがな。たとえばペニシリンに代表される抗生物質によってどれだけの人が助かったと思っているのですか?輸送手段の発達によって山奥でも刺身が食べられるということをどうお考えですか?こういった科学の進歩で人が助かっている実例なんて身近にいくらでも見つけられます。これが科学の恩恵を全く受けられないような紛争地帯に住む人の言葉ならまだ理解できますが今の日本に住んでいる“科学ジャーナリスト”が言う言葉ですか?
自分が飯を食べるためのネタを出してくれる人たちを馬鹿にし自分は科学の恩恵を受けておきながら科学をむなしいものでしかないと全否定するこの人の精神がわかりません。科学ジャーナリストというのは一般の人に科学の成果を分かりやすく伝えるある種のプロだと思っていましたがこんな科学について無知な文章を書くとはね。
本当にむなしいのは“科学ジャーナリスト”を名乗りながらこんな貧弱な発想しかできない元村氏の方でしょう。
科学ジャーナリストなんてほんの少し科学についての雑学があれば誰でもなれるなんて言われてしまいそうですね。(続く)