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超心理マニアのためのブログ

マット・イシカワによる超能力研究の文献ガイド

間奏曲(25)からみあう心たち―ついに発売

2007-08-16 | 間奏曲
昨年アメリカで発売されて好評を博している
 デーン・ラディン著『エンタングルド・マインズ』
ついに8月30日に日本語版が1890円で発売される。

 『量子の宇宙でからみあう心たち―超能力研究最前線』
 監修:竹内薫、翻訳:石川幹人、徳間書店(2007)

この本は次の点を明確に論じており、これまでにない画期的な書である
・超能力は1世紀にわたり、実証的な科学方法論で研究されている
・その結果、信頼性の高い肯定的なデータが積み重なっている
そして
・超能力現象を説明するこれまでの理論を総括している
・量子論を手がかりに「からみあう心たち」という世界観を提唱している
・懐疑的見方の発生要因を探り、健全な懐疑へと誘導している
結果として
・超能力研究に実用的な価値、人類としての倫理的な価値があると主張!

すでにいくつかの書籍購入サイトでは予約を受け付けているので、
検索してみていただきたい。

間奏曲(24)乱数変動のイベント後補償効果

2007-07-07 | 間奏曲
<速報>

地球意識プロジェクトから、バンセルによる乱数変動のイベント後
補償効果のメタ分析が有意に出た、と報じられている。
http://noosphere.princeton.edu/updates.html#update070706

かねてより、蛭川氏らから、イベント中の乱数の偏りは、イベント
後にそれを相殺するように平均に引き戻される傾向があると指摘が
あったが、今回それを裏付けるような結果が報告された。

間奏曲(23)正統超心理学がランディに挑戦すると

2007-06-20 | 間奏曲
昨日のつづき、

やはり「能力者」が挑戦するのは問題が大きいので、
一般人を相手にする超心理実験でランディに挑戦すると
したらどうなるかを考えてみた。

一番簡素な超心理実験は、遠隔凝視実験であり、2つの
離れた部屋に受け手と送り手をいれ、前者の部屋には
受け手の顔を写すカメラを、後者の部屋にはその映像を
映すモニタをおく。送り手はランダムな二者択一の信号の
タイミングでモニタの受け手を凝視するかしないかを繰り返す。
受け手は各タイミングで見つめられているか否かを答える。

シェルドレイクらの視線探知実験と同様な超心理が働くと
仮定すると、この修正推定真値は、偶然50%に対して
54.5%とされている(ラディンの本より)。そうすると、
5000回の実験をやると、99%以上1000分の1未満の
有意性が得られる。

この一連の実験は、1分1試行を50試行で1ラン、1日に
2ラン行なって50日かかる。受け手と送り手、受け手側の
実験者、送り手側の実験者、両者を照合する立会い人を雇って
5人で謝金・交通費1日4万円かかると試算し、総計200万円
である。あと、機材と場所代が少々、必要だ。

100万ドルを獲得できるとすれば有利な投資に思える。 だが、
おのおの実験に奇術師が立ち会わなければならないとなったら、
人件費がはねあがるだろうなあ。

テレビ番組にならないのも明らかである。

間奏曲(22)湧き上がってきた疑問

2007-06-19 | 間奏曲
昨日のつづき

奇術師ランディは、なんで偶然でも当たってしまう確率
が結構ある課題(1/388.5)で、了解したのだろうか。

ランディのオフィスの映像が流されたが、これまでの
100万ドル挑戦者は、あのファイルの山からして、
500件はくだらない。この確率では、偶然でも「能力者」
がそのうち数名出てしまう、おそまつな設定に思える。

いくつか仮説を考えてみた。

(1)ランディはそろそろ「能力者」が出てもいいと
思っている。・・・これまでの経緯から考えにくい。

(2)ランディが確率計算を間違っている。・・・
テレビ局の表示は正しいのでそれも考えにくい。

(3)ランディは20枚中10枚を当てることを挑戦条件と
した(これなら理解できる)が、あまりにも当たらなかった
ので、テレビ局が事後的に条件を5枚に引き下げて
「演出」した。

(4)ランディには当たらない確信があった。つまり
出演者はサクラで、回答はあらかじめ指示してあった。
挑戦者はアメリカ人であり、対戦をやるために、ランディ
とともに(?)わざわざ来日という点もひっかかる。

間奏曲(21)まともな番組でした

2007-06-18 | 間奏曲
前々回の間奏曲で示した番組が上映されましたが、
ほぼ前回の間奏曲で示したような合意事項のもとに
奇術師vs超能力者の構図で行なわれていました。

偶然でも当たってしまう確率が結構ある課題(1/388.5)
になっており、奇術師ランディに若干不利とも言え、
全体としてはフェアな構図でありました。

番組側もそうならそのように言えばいいのに・・・
なぜ伏せているのだろうか疑問でした。⇒(19)

結局、奇術師側が勝ちました。ランディは依然として
強力ですね。超心理学はこのようなことを説明する
理論を確立せねばならないでしょう。

実はあるのですが、言い訳にしか聞こえないでしょうか。
http://www.kisc.meiji.ac.jp/~metapsi/psi/5-1.htm

間奏曲(20)超能力検証番組の作り方

2007-06-13 | 間奏曲
昨日のつづき。
批判しているばかりではなんだから、企画を考えてみた。

<奇術師Aと能力者Bとの対決番組>
判定者Cを導入し、まずBが能力発揮の実験状況をCに提案する。
CはAにその実験状況を示し、この状況で能力発揮できたら
超能力と認められるかと問う。
Aが認める場合、その実験状況でBに能力発揮してもらう。

Aが認めない場合、CはAにどのようなトリックが可能か示してもらう。
それが妥当ならば、さらにAにどのような対処をすれば、トリックが
不可能な実験状況になるか提案してもらう。

CはBに、前の実験状況ではトリックが可能であるので、新しくAが
提案した実験状況で能力発揮が可能か問う。
Bが能力発揮可能な場合、その実験状況でBに能力発揮してもらう。

Bがそれではダメだという場合、CはBに、どのような変更をすれば
能力発揮が可能かを問い、別な実験状況を提案してもらう。
(⇒最初に戻る)

AとBで実験状況の合意ができて能力発揮に至った場合、能力発揮
できたら、能力者Bの勝ち、できなかったら奇術師Aの勝ち。

AとBで実験状況の合意ができなかった場合、番組制作はできない。
(ほとんどこれに至るだろうから、やっぱりダメかな)

間奏曲(19)またキターッ

2007-06-12 | 間奏曲
あるある事件以降、ちょっと静かだったが、また来ました。

某Nテレビ社から、来週ゲツヨルの番組にコメントが欲しい
とメールが来た。番組の「企画書」と称するものが添付されて
いたので、見てみたら、またもや企画ではなく「番組概要書」
だった。

「超能力」とは本当にあるのか?ということを検証しよう
という番組だそうだが、どのように「検証」するかが書かれて
ない。もう、かの有名手品師ランディを呼んで実験を行なって
いるそうだが、その結果についても書かれていない。ランディ
のような強硬な否定論者を呼んだら最後、まったく否定の番組
にならざるを得ないのが、目に見えているのだが。。。
http://www.kisc.meiji.ac.jp/~metapsi/psi/1-4.htm

「番組概要書」によると、現代における超能力実験や、どんな
結果が得られているかが知りたいそうだが、それも知らずに
なんで「検証」の番組を企画・制作できるのだろうか。放映
直前に、なにをいまさら言っているんだろう。

間奏曲(18)訃報:橋本健氏

2007-02-27 | 間奏曲
去る2月22日、サボテン博士として庶民に知られる橋本健氏(83)が逝去
されました。橋本博士は、サボテンと会話する機械や、超能力測定器、α波
を誘導するアルファコイルなど、超心理学にかかわるさまざまな機器を製作
され、研究の進展に尽力されました。http://www.alphacoil.com/

また、電光ニュースや大型表示装置、色が段階的に変わるネオンなど、
数々の発明をされ、500を超える特許を取得し、1982年には黄綬褒章を
受賞されています。われわれは偉大なる発明家を失ったと言えましょう。

心よりご冥福をお祈り申し上げます。

※論文ガイドは3日間お休みします。

間奏曲(17)超心理学会の紹介記事

2007-02-09 | 間奏曲
本日発売の学研「ムー」3月号に日本超心理学会の紹介が載っている。

怪しい記事の真ん中で、厳格な実験についてなど、異彩を放っている。
112-115の4ページ、立ち読みだけでもどうだろうか。

1点気になったのは、地球意識プロジェクトの説明記事で、
 「新年には決まって乱数の偏りが見られる」
とあることだ。本ブログの間奏曲(11)ー(13)で紹介したように必ずしも
いつも偏りが見られるわけではない。メタ分析すると相違は出るので
あろうが、プリンストンのサイトでも、年によって違いが見られる。
 「新年にはたびたび乱数の偏りが見られる」
くらいの表現がよかっただろう。


間奏曲(16)あるある事件に寄せて

2007-02-08 | 間奏曲
[昨日は体調不良でお休みした。お休みついでに]

読書ガイド53、52、51、間奏曲(6)-(1)でメディアにかかわる諸問題
について議論したが、そのうちの、番組制作の現場での科学的方法の悪用、
下請けによる短期間での決め打ち的な制作が、今回の「あるある事件」で
まさに露呈したかたちになった。

メディアは反省のうえ、番組制作の正常化に向けて努力して欲しい。だが、
「ありがとうの氷の結晶」事件とあいまって、疑似科学の排斥で、ことを
すませてしまう方向性がかいま見える。問題はもっと大きくて構造的である。
その実態から目をそらさないでもらいたい。

間奏曲(15)超心理学者とは誰か

2007-02-02 | 間奏曲
ここまでで、2003年度の超心理学協会(PA)年次大会論文集の
内容紹介を終了する。この大会は例年8月に開催され、この年は、
カナダの西端ヴァンクーヴァ―で開催された。日本からの参加者は
小久保秀之国際総合研究機構主任研究員だけであったと聞いている。

この超心理学協会はアメリカの学術会議(AAAS)に登録されている
学術団体であり、このメンバーになることで超心理学者として正式に
認められるのだが、メンバーになるには相応の研究発表など、かなりの
実績が要求される。現在のメンバーリストは次のページにある。
http://www.parapsych.org/member_index.html

マルセロ・トロッチィも、これを見ると超心理学者の一員である。
日本人の正会員は、大谷宗司、恩田彰、萩尾重樹の諸氏、
日本人の準会員は、東長人、小久保秀之の諸氏である。
当然ながら、このブログの読書ガイドに現れた方々であるし、
日本超心理学会の歴代役員に名前を連ねた方々でもある。現役員↓
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jspp2/japanese/aboutus/about_us.html#staff

明日からは2004年のPA発表論文集の紹介に入る。この年はオース
トリアのウイーンで開催された。日本からは蛭川立明治大学助教授が
参加されたが、ほとんどヨーロッパからの参加者で占められており、
アメリカからの参加者はわずかであったと聞いている。

間奏曲(14)インターネットを使った超心理実験

2007-01-03 | 間奏曲
地球意識プロジェクトは、インターネットを利用してデータを蓄積して
いるが、このようにインターネットの利用で、超心理実験に新しい
局面が生まれている。うまく工夫すれば、実験の公共性や厳密性を
高めた大量のデータを、インターネットを介して収集できる。実験や
研究に多くの人々が参加でき、分野の興隆にも貢献しそうである。

海外実験リンク集は次にある。
http://www.kisc.meiji.ac.jp/~metapsi/psi/2-7.htm

日本では、あまり行なわれていないが、日本超心理学会では、次の
ESP実験を行なっている。1月25日締め切り。
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jspp2/japanese/exp/exp.html

間奏曲(13)地球意識プロジェクト

2007-01-02 | 間奏曲
わたしのRNGでは、今年の年明けの偏りは検出されなかったが、
プリンストン大学の地球意識プロジェクトでは、1998年から全世界
の60以上のRNGからインターネットを介してデータを蓄積している。

データはリアルタイムで見ることもできるし、ダウンロードして分析も
(知識と技能があれば)できる。プリンストンでは、年明けや、地震が
起きたときや、オリンピックなどの世界的な行事があるときの全RNG
の偏りを調べている。これまで216のイベントが分析され、総計の
Z値が4.67、p値にして0.0000015、極めて有意だそうである。
http://noosphere.princeton.edu/results.html

なかでも2001年の9.11テロのデータはすごい。その日に年間で
もっとも大きい変動を記録している。
http://noosphere.princeton.edu/terror.html

間奏曲(12)RNGの偏りは検出されず

2007-01-01 | 間奏曲
あけましておめでとうございます。

先ほど終了した乱数発生器(RNG)実験の報告です。

期間:12月31日23時から1月1日1時までの2時間
分析:1秒ごとのZ2乗値から自由度7200のカイ2乗分布を参照
結果:1階に設置したRNG⇒Z=-0.49
  屋根裏に設置したRNG⇒Z=1.22
  よってどちらにも有意な偏りは見られない。
  (注)Zがおよそ2以上の場合に有意となる。

残念な結果に終った。
近くのお寺に2年参りに行って留守したためだろうか。

間奏曲(11)年末カウントダウンでRNGが偏るか?

2006-12-31 | 間奏曲
いよいよ今年もあと3時間を切った。新年に向けたカウントダウンの準備
も整っただろうか。さて、多くの人々が騒ぐと乱数発生器(RNG)が偏る
という仮説がある。その典型的な場合に年明けが指摘されている。
http://www.kisc.meiji.ac.jp/~metapsi/psi/3-7.htm

日本でも世一秀雄・小久保秀之・山本幹男が、年明けにおけるRNGの
変則的な偏りをISLIS論文誌に報告している。
http://wwwsoc.nii.ac.jp/islis/sjis/journalJ/abst0403J.htm

今わたしの家にはRNGが2台あるので、それぞれ別なパソコンに接続し、
1階と屋根裏に設置して測定を開始した。年明け前後の1時間に両方の
パソコンで変則的データが検出されれば驚きだ。さてどうなるか。結果は
来年のお楽しみ。