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超心理マニアのためのブログ

マット・イシカワによる超能力研究の文献ガイド

間奏曲(40)人文死生学研究会開催

2008-03-28 | 間奏曲
明日午後、明治大学で、人文死生学研究会と心の科学の基礎論研究会の
合同研究会が開催されます。

(趣旨) かって死はタブーでしたが、近年は死生学の研究も盛んになって
おり、その多くは臨床死生学です。しかし、自分自身の死についての洞察が
臨床死生学の基礎には必要と思われます。人文死生学研究会は、そうした
一人称の死に焦点を当て、哲学、倫理学、宗教学、心理学、人類学、精神
医学から宇宙論にまで及ぶ、学際的な思索と研究の場として発足しました。
http://www.01.246.ne.jp/~koma2/kokoro/

1 宗教人類学特集
   話題提供「シャーマニズム、死、沖縄、平和学」
                佐藤壮広(東邦大学、宗教人類学)
   話題提供「一人称的実験心理学としてのフィールドワーク
        ~臨死体験と過去生記憶体験を例に~」
                 蛭川立(明治大学、宗教人類学)
2 合評会『多宇宙と輪廻転生』(三浦俊彦、青土社、2007年)
   話題提供(書評担当)       重久俊夫(西洋史、哲学)
   指定討論       三浦俊彦(和洋女子大、論理学、哲学)


間奏曲(39)ストークスの記事をめぐって

2008-03-24 | 間奏曲
衒学鬼さんより、以下のお知らせがあり、
『新・トンデモ超常現象56の真相』によると、2001年にダグラス・
ストークスが「報告バイアスの計算式自体が間違っており、お蔵入りに
なった実験は423件ではなくて62件で十分」という論文がある。

その論文の出典をNICEさんに教えてもらいました。本日それを読んで、
事情がおよそわかりましたので、報告します。

まず前置き:
そのストークスのまともそうな論文が、まさかスケプティカル・インクワイ
アラーの記事だったとは思いませんでした。ダンボールをひっくり返したら
その号、所有してました。該当記事の挿絵には、手品師がウォンド(杖)
を振ってシルクハットからウサギを何匹も出しているイラストが描かれ、
その前の記事は有名な幽霊伝説の発端を追う、で、次の記事はポケモン
マンガで日本では数千人の児童が不調を訴えたのが集団ヒステリーじゃ
ないの、で、その次の記事は、無作為に作った詩がノストラダムスの予言
のような効果を持つか、でした。 体裁上は、論文ではなく記事です。
超心理学者がまともに反論をしなかったとしても、当然だと思いました。

で、内容です。第1段階:
ストークスの記事は2000年のSPR掲載の論文をとりあげます。この論文で
は、実験方法を広く告知し、実験結果を報告してきた12人のデータを集め、
それらを総計して2778分の1で有意になった、加えて12×2778人もが
この実験をやっているはずない(問い合わせの数からして)ので、選択的
報告も含めても有意だと主張しているのだそうです。ストークスはこの掛算
部分を批判し、組み合わせの統計計算をして異議を唱えます。このSPR
論文の論理は、ストークスの主張の通りだとすると、確かに奇妙です。

第2段階:
このような事態がガンツフェルト実験で起きているとして、ストークスは、
同様の計算をガンツフェルトにそのまま適用したと言います。上のような
荒っぽい推測は、ガンツフェルト実験の分析にはないはずです。が、彼は
論理的推論ではなく、コンピュータシミュレーションをして、無作為な
90実験分のデータを生成し、そのうちの上位28実験をとったら10億分
の1程度の有意性が出たので、お蔵入りは62でよい、と言っています。

問題の評価:
コンピュータシミュレーションの細部が書かれてないので、はっきり評価
できませんが、ガンツフェルト実験のデータは、今や上位をとった固まり
ではなく、じょうごプロットになだらかに分布していることが示されています
(『量子の宇宙でからみあう心たち』176ページ)。すなわち、同じ
10億分の1のデータでも、高いデータと低いデータがそこそこ分布して
いるものは、90実験などの少ないシミュレーションでは出てこないと
言えましょう。また、ストークスの主張は結果としてシミュレーションに
よるお蔵入り推定という、全然別の方式を提案していることになり、超心理
学者がメタ分析の計算を間違えたかどうかという水準でなく、メタ分析法に
対して新たな異論を唱えていることになるでしょう。これは私の推測ですが、
ストークスの方法は、「後付データ選択」(たくさんのデータから作為的に
いいものだけ選ぶ)が起きていると想定する試算で(この想定はほとんど
データ捏造を想定するに等しく)、メタ分析の研究家は賛成しないと思います。


間奏曲(38)ヒーリング効果指標の開発

2008-03-15 | 間奏曲
間奏曲(38)ヒーリング効果指標の開発

本日と明日、東京電機大学で国際生命情報科学会シンポジウム
が開催される。
http://wwwsoc.nii.ac.jp/islis/sjis/islis.htm

小久保秀之氏の研究:
きゅうりに光続けるようにヒーリングしたもののバイオフォトンを
対照測定することで、J値という指標を算出すると、ヒーラーの
熟練度とよく相関するそうだ。統計値ではないので、一回の
実験でヒーラーの能力を査定できる可能性が出てくる。

#参加した方は感想を教えてください。


間奏曲(37)火星効果スキャンダルに寄せて

2008-03-09 | 間奏曲
間奏曲(37)火星効果スキャンダルに寄せて

カーツの意図に反して、ゴクランの主張には分があるようだが、
占星術がそれによって正当化されるわけではないことに注意!

占星術への実験的支持は、あったとしてもゴクラン程度であり、
ほとんどないに等しい。ゴクランの説は、占星術の体系から
すると、ほんの片隅にすぎない。かりにゴクランの主張が正しい
としても、強いアスリートになる可能性を偶然よりも、たった
5ポイント高く予想できるにすぎない。それでは占星術は役に
立たないだろう。

またカーツに反旗を翻してサイコップを脱退した、ローリンズや
カマンは、信奉者ではない。より正当な懐疑論者なのである。

サイコップの機関誌である、雑誌『スケプティカル・インクワイアラー
(懐疑的な探究者)』については、私も、数十冊所有しているが、
どの号も読むに耐えない。間奏曲(35)のメイヤー『心の科学』
の6章では、127ページから同雑誌の批判が、次のようにある。

「原理主義者の伝道パンフレットみたいだった。それは驚くほど
悪意に満ち、皮肉と自己満足と刺々しいコメントを随所にちりばめ
ながら、科学の威厳を振りまいていた。」


間奏曲(36)無意識と無形物質の両義性

2008-01-31 | 間奏曲
メイヤー『心の科学~戻ってきたハープ』(講談社)の続きの続き

9章:祈りとヒーリング
不妊治療を受けた女性の妊娠率が受けなかった女性の約2倍。
祈りは遠隔で行なわれるので、プラセーボ効果が防止されている。

10章:夢およびガンツフェルト実験
ホノートンらの一連の実験と懐疑論争。無意識過程の意識化。
うまくいくときの「引き込み」のフィーリングを議論している。

11章:予感実験
ラディンやベムの一連の実験。無意識に現れる超心理。

12章:乱数実験と量子モデル
プリンストンのプロジェクトを中心に紹介。
無意識と無形物質を特異現象が結びつけるという図解あり。


間奏曲(35)証拠を否定する米国政府の公式報告

2008-01-30 | 間奏曲
メイヤー『心の科学~戻ってきたハープ』(講談社)の続き

5章:
能力が発揮される心理状態を、一心不乱、ありのままを見る、
リアリティと一体化、と要約している。

6-7章:
超心理学の研究データが「科学者」によって不当に抹殺され
ている現状を述べている。とくに163ページ記載の米国政府
NRCのイカサマ報告書の実態暴露は圧巻。
http://www.kisc.meiji.ac.jp/~metapsi/psi/1-4.htm

8章:
通常の科学を認識する眼と、超心理現象を認識する眼が別々
に(われわれのうちに)存在しているのでは、と指摘する。



間奏曲(34)ダウジングで盗まれたハープが見つかった!?

2008-01-29 | 間奏曲
先週出版されたメイヤー『心の科学~戻ってきたハープ』(講談社)
はおもしろい。

1章:
盗まれたハープがダウジングで見つかった、という自分の体験で
苦悩し、超心理学の研究につき当たり、その実績に驚く科学者の
報告である。
http://www.kisc.meiji.ac.jp/~metapsi/psi/2-6.htm

2-4章:
仲間に話を聞いて回ると、臨床の場でテレパシー様の体験をした
カウンセラーが意外に多いのを知る。そうした人の多くは社会で
受け入れられないと思い、体験を隠していることもわかる。


間奏曲(33)RNGの偏りは検出されず(その2)

2008-01-01 | 間奏曲
あけましておめでとうございます。

昨夜仕掛けたRNGの分析結果を報告します。

どの分析方法でも顕著な偏りは見られませんでした。

2年続けて挑戦しましたが、年明け時のRNGの偏りは
再現しないという結果になりました。

手軽に再現できる方法の開発が、超心理学の責務ですね。

※地球意識プロジェクトでも、単年度では再現せずでした。
 が、十年分の積算できわだった偏りが出ています。
http://noosphere.princeton.edu/ny2008.2figs.html
↑の最後のグラフをご覧ください。(1月5日追記)


間奏曲(32)年末カウントダウンでRNGが偏るか(その2)

2007-12-31 | 間奏曲
いよいよ今年もあと3時間を切った。多くの人々が騒ぐと乱数発生器
(RNG)が偏るという仮説がある。その典型的な場合に年明けが指摘
されている。昨年の測定では偏りは検出されなかった(間奏曲11・12)
が、今年は32台並列の最新RNGがあるので、それでもう一度挑戦だ。

分析は地球意識プロジェクトの方法と、ラディンの方法(「量子の宇宙で
からみあう心たち」の267ページ)である。すでに2日前から対照データも
とっている。これで追試できなかったら、おかしいよなぁ。


間奏曲(31)高速乱数発生器による測定事例

2007-12-08 | 間奏曲
本日、日本超心理学会が第40回の年次大会(初日)を開催した。
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jspp2/japanese/event/program/40program.html

冒頭の研究発表では、日本のテクノロジーによって、従来の100倍の
速度での測定を可能にした並列RNGを用いたフィールド実験が報告された。

使用RNGは㈱FDK製:
http://www.fdk.co.jp/cyber-j/pdf/RPG105.pdf

気功やヨガなどの実践会場で1%有意の偏りが得られたそうだ。
測定した会場の写真:
http://wwwsoc.nii.ac.jp/islis/sjis/24sympo-picpage.html

明日(2日目)は「念写」に関する講演が、朝からあるようだ。

間奏曲(30)乱数が大統領の支持率と同期?

2007-11-19 | 間奏曲
地球意識プロジェクトの乱数発生データのバンセルによる
最新分析によると、9・11のテロ以降、全乱数の偏りは
低下傾向にあるそうだ。
http://noosphere.princeton.edu/pab/longtrend/

その傾向が、なんと大統領支持率と同期しているとか。
http://noosphere.princeton.edu/pab/longtrend/poll.gcp.html

こじつけのように思えるが、次期大統領の改選に伴って
その偏りが上昇すれば、おもしろい。

地球意識プロジェクトの解説:
http://www.kisc.meiji.ac.jp/~metapsi/psi/3-7.htm


間奏曲(29)ヒーラーの能力査定

2007-11-18 | 間奏曲
本日、千葉の国際総合研究機構を訪問した。
きゅうりを使って、ヒーラーの治療能力が判定できるのだそうだ。
B級は初心者、A級はベテラン、S級はスーパー級ヒーラーと
3段階に分けられている。

なかでもおもしろかったのは、慎重なヒーラーより、そそっかしい
ヒーラーのほうが成績がいい傾向があるということだ。慎重に
あれこれ考えると、潜在意識の働きを抑圧してしまうのだろうか。

http://www.kisc.meiji.ac.jp/~metapsi/jspp/MM0710.htm


間奏曲(28)テレパシーの真相

2007-10-12 | 間奏曲
本日夜6時半から「テレパシーの真相」という講演会が明治大学
で行なわれた。
http://www.meiji.ac.jp/jinbun/symposium/index.html

1時間15分、テレパシー研究の歴史・実験・解釈と話が続いて
45分間の質問時間で10人ほどの質疑応答があった。
参加者は全部で130名ほどだった。

歴史:心霊研究・福来・明治大学の伝統・シンクレア・ライン
実験:遠隔視・ガンツフェルト・予感実験
解釈:不思議さの起源・科学者社会・量子からみあいの応用

配布資料
http://www.kisc.meiji.ac.jp/~metapsi/data/report0704.htm

注目)
本日深夜フジテレビの「ガリレオ特別講義」で「スプーン曲げ」
がとりあげられるようです。



間奏曲(27)公開ESP実験で優秀賞

2007-10-07 | 間奏曲
日本超心理学会HPで行なっている公開ESP実験で、
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jspp2/japanese/exp/exp.html
第6回目にして初めて優秀賞が出た模様だ。

応募数が少ない中で考えると、そこそこ当たっていると
思える透視内容だが、どうだろうか。偶然だろうか。

もし「どーんどんと、お腹の底から何か響きわたる感じ」
などと透視してくれていたら確実なのだがなー。

ターゲット決定時の模様もあり:
http://www.kisc.meiji.ac.jp/~metapsi/jspp/MM0709.htm


間奏曲(26)祝―1周年

2007-08-30 | 間奏曲
今月末で、このブログも1年を経過する。
長期間読んでいただいている方ありがとう。
いろいろコメントいただけるとうれしいなあ。

 『量子の宇宙でからみあう心たち―超能力研究最前線』
  監修:竹内薫、翻訳:石川幹人、徳間書店(2007)
  本日発売!!
  すでにアマゾンのランキング上昇中。

さて、
3日間のお休みをいただき、そのあと今年のPA大会の
論文紹介を行なっていく予定だ。