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超心理マニアのためのブログ

マット・イシカワによる超能力研究の文献ガイド

超心理と拡張物理学、霊魂と新パラダイム

2010-07-08 | 論文ガイド
<PA2009(15-3)>

パネル討論「超心理、霊魂、物理法則」(3)
●ジーン・バーンズ
 「超心理と拡張物理学、霊魂と新パラダイム」

超心理を説明する物理学の拡張は、法則に意識を導入すること
である。現在の物理学では物質と意識の相互作用はないとされる
が、量子的な非局所性に意識が情報をのせられるとすることで、
ESPが説明でき、量子的な重ね合わせ確率を意識が変更できる
とすることで、PKが説明できる。

しかし、霊魂の説明にはさらなる物理法則の拡張が必要であろう。

http://www.kisc.meiji.ac.jp/~metapsi/psi/5-6.htm


超心理を説明し、霊魂を考える

2010-07-07 | 論文ガイド
<PA2009(15-2)>

パネル討論「超心理、霊魂、物理法則」(2)
●リチャード・シャウプ
 「超心理を説明し、霊魂を考える」

超心理と物理学の関連を探るキーワードは因果性とランダム性
である。量子物理学の波束の収縮が、過去だけでなく未来の
出来事で起きるように拡張することで、超心理現象の大部分が
説明できるのではないかと思う。また霊魂現象とされるものも、
物理現象としてとらえられるのではないか。


超心理が物理法則と和解するには法則拡張ですむのか

2010-07-06 | 論文ガイド
<PA2009(15-1)>

パネル討論「超心理、霊魂、物理法則」(1)
●チャールズ・タート
 「超心理が物理法則と和解するには法則拡張ですむのか」

心には独自の世界があるという宗教ではごく当たり前の考えが
現在の物理法則とは折り合いが悪い。かつての心霊研究は、
物理学の方法で超心理現象を追究し、ESPやPK、ヒーリング
があることの確実な証拠をつかんだ。

こうした超心理が物理法則と和解するには法則拡張ですむのか、
それとも新しいパラダイムが必要なのか。近刊の『唯物論の終焉』
で議論した内容を紹介する。


臨死体験と体脱体験の差異

2010-07-04 | 論文ガイド
<PA2009(14-4)>

パネル討論「体脱体験の現象学」(4)
●キンベリー・クラーク・シャープ
 「臨死体験と体脱体験の差異」

臨死体験は文字どおりの意味では体脱体験の一種であるが、
切迫感、時空間の認識、幻覚の度合い、人生の意味の認識
などのさまざまな違いがある。調査の結果から見えてくること
をまとめる。

http://www.kisc.meiji.ac.jp/~metapsi/psi/7-2.htm


体脱体験より体内体験

2010-07-03 | 論文ガイド
<PA2009(14-3)>

パネル討論「体脱体験の現象学」(3)
●チャールズ・タート
 「体脱体験より体内体験」

体脱体験を吟味するには、体内体験にも同じように注目する
必要がある。意識が自由に空間の位置を占めることができる
ならば、なぜ普通は体内にあるように感じられるのだろうか。
意識が、身体の位置の現実感シミュレーションを感じている
からだろう。もし体脱体験が、身体の位置でないところで、
身体もなく現実感シミュレーションを感じているのであれば、
かなり複雑なことが起きている。ことはそう単純ではない。


体脱体験に類似した実験的現象

2010-07-02 | 論文ガイド
<PA2009(14-2)>

パネル討論「体脱体験の現象学」(2)
●アーサー・ヘイスティング
 「体脱体験に類似した実験的現象」

触覚的仮想現実では、ゴーグルタイプのCGディスプレーを
かぶって、CGのキャラクターが棒で突かれたときに、操作
者の身体も棒で突く。それによって、キャラクターへと意識
移入がなされる。

人工体脱体験では、上のゴーグルに操作者の後ろ姿を映して
操作者の視点がその身体の2メートル後ろになるようにした
状態で、背中を棒で突く。そして、ゴーグルの画面を消して
目隠し状態のまま2メートル後退して、視点と身体の位置が
一致した状態に戻ってもらう。すると、体脱体験をしていた
ように感じる。

脳刺激実験では、右半球側頭葉の大脳皮質を刺激したところ、
自己の身体意識が50センチメートルほど、左後部にずれて
感じられた。

こうした実験と、超心理学的な現象を比較して議論してみる。


体脱体験の多要因論

2010-07-01 | 論文ガイド
<PA2009(14-1)>

パネル討論「体脱体験の現象学」(1)
●ヴァーノン・ネッペ
 「体脱体験の多要因論」

体脱体験には、心理モデル、脳モデル、精神病理の観点、
主観的超常体験の観点などから、多くの説明が林立して
いるが、複数の要因から起きているという可能性のもと
要因論を整理してみる。


人工直観装置のその後

2010-06-27 | 論文ガイド
<PA2009(13)>

カナダの独立研究者
●マーク・ジルバーマン
 「人工直観装置のその後」

3つ数字を当てるロトを3時間前に人工直観装置で予想し、
損得を計算し続けているが、2009年3月時点で1440ドルの
利益が出ている。偶然期待値は336ドルの損失であり、
p=0.036となる。

※1年前よりも低下した模様。
<PA2008(19)>

http://www.intuitiontest.com/


写真媒体による特異画像の評価

2010-06-26 | 論文ガイド
<PA2009(12)>

米とスウェーデンより
●ヴェントゥーラ&テルフネ
 「写真媒体による特異画像の評価」

白黒写真、カラー写真、赤外線写真、ポラロイド写真、電子写真
のそれぞれについて、特異画像が撮れるとされる場所で撮影した
実験画像と、そうでない場所で撮影した対照画像で特異性を比較
評価した。

その結果、実験画像は対照画像より特異性が高かった。撮影者に
よる違いはなかった。特異画像のうち、黒点は赤外線写真と電子
写真に多く、光跡は白黒写真とポラロイド写真に多く、影はカラー
写真に多く、霧状のもやは赤外線写真に多かった。

幽霊屋敷の調査の際に参考になるだろう。


連想遠隔視実験の提案

2010-06-24 | 論文ガイド
<PA2009(11)>

米国テキサス大学
●ポール・スミス
 「連想遠隔視実験の提案」

手軽な実験で確実な成果をあげ、懐疑論者を説得できる連想遠隔視
を提案する。特徴のある1対のターゲット(物体や場所や写真、将来の
イベントなど)を用意し、遠隔視のやり方で応答を記録し、ジャッジが
どちらかを決定し、成否を判断する。

偶然50%のところ、52%から80%の正答率をあげられ、試行実験
では、最初に偶然比5000、次に偶然比90000をあげた。

※SAICの改良遠隔視実験のターゲット数を2つに減らしただけのように
 思え、とくに新味は感じられない。
http://www.kisc.meiji.ac.jp/~metapsi/psi/3-3.htm


薬効のキネシオ(Oリング)による診断の妥当性

2010-06-20 | 論文ガイド
<PA2009(10)>

米国より
●スティーヴン・シュバルツ&アッツ&スポティスウッド
 &シェイド&トゥリー&モリス&ナックマン
 「薬効のキネシオによる診断の妥当性」

キネシオ(日本ではOリングとして知られる)は、薬を握ったときに
その薬の効果が筋肉の弱まりによって判別できる技術で、統合医療
のコミュニティではよく行なわれている。

51名の被験者がそれぞれ3つの試行を行なった。初めの試行では
キネシオ師に筋肉の弱まり具合を調べてもらい、次の試行では別の
キネシオ師に調べてもらい、最後は被験者が自分で器具をどれだけ
開けられるかで自己判断した。

各試行では、不透明の袋に水入り瓶が入ったもののうちひとつを握る
が、その水に毒物が加わっている瓶が半数ある。どの瓶に毒物がある
のかは、被験者もキネシオ師も、実験者もわからない状態で実験する。

分析結果では、どのキネシオ師判断も自己判断も期待値にとどまった。
唯一女性(2人)のキネシオ師が、被験者が女性より男性のときに
高ヒットをあげた。

キネシオは、診断に有用なレベルの効果をあげていないと言える。


宇宙線パターンに現れるヒーリング効果

2010-06-19 | 論文ガイド
<PA2009(9)>

米国アリゾナ大学
●ゲイリー・シュバルツ&ボキュッツィ
 「宇宙線パターンに現れるヒーリング効果」

CCDカメラをマイナス77に冷却して暗闇で測定すると、宇宙ガンマ線
のバーストが見られる。通常の撮影ではこれはノイズとして消去する
ような処理がなされている。この現象を積極的に利用して、ヒーリング
パワーを検知することに成功した。

信号をFFT(フーリエ変換)したスペクトルで、ヒーリング施術群では
高周波信号が、対照群に比べて有意に高く現れた。


量子波束収縮への意識寄与実験

2010-06-17 | 論文ガイド
<PA2009(8)>

米国カリフォルニアより
●ラディン&ウエンドランド&リッケンバック
 「量子波束収縮への意識寄与実験」

量子物理学で有名な光子の2重スリット実験を行ない、
干渉によって発生する縞模様の程度を高感度カメラで
測定する。「観測」が起きると縞模様が消滅することが
知られているのであるが、もし「意識」が観測に必要で
あるとすれば、人間がこの実験を見つめているかいない
かで、縞模様の濃さに差が出るはずである。

第1実験:12人の被験者が、40回の実験を行なった。
各回では、15秒実験系を見つめ、15秒見つめなかった。
両者で縞模様の差異は統計的にp=0.005で有意であった。
また被験者なしで同数回の実験を行なったが、予想通り
差異はp=0.734で有意でなかった。

第2実験:5人の被験者が、20回の実験を行なった。
各回では、目を閉じた状態で30秒実験系の音を聞かせ、
30秒は何も聞かせなかった。両者で縞模様の差異は
p=0.017で有意であった。

両実験を通じて60回のうち、43回は「意識的観測」を
したほうが縞模様が小さかったので、上の差異は安定して
見られたと考えられる。また瞑想経験がある被験者6名の
実験11回に限っていえば、うち10回に予想した差異が
見られた。

http://www.kisc.meiji.ac.jp/~metapsi/psi/5-6.htm


現象学的特異心理学のための主観記述法

2010-06-16 | 論文ガイド
<PA2009(7)>

米国シアトルの神経精神科医
●ヴァーノン・ネッペ
 「現象学的特異心理学のための主観記述法」

特異的体験や主観的体験を記述する方法を提案する。
SEATTLE A to Z と呼ぶ26項目の評価軸からなる。
10軸は、報告人物の特徴記述。
7軸は、生物心理社会的特徴記述。
9軸は、専門家による現象解釈。

超心理実験はよく再現性が無いと言われるが、現象学
的状況が再現されてないからだと推測できる。本記述
方法を使うことで、現象学的に再現されているかどうか
が確認でき、再現性が向上するにちがいない。

http://www.pni.org/research/anomalous/


還元主義的な神経科学解釈の危険性

2010-06-15 | 論文ガイド
<PA2009(6)>

米国シアトルより
●ヴァーノン・ネッペ
 「還元主義的な神経科学解釈の危険性」

脳研究技術の発展により、脳機能を測定した超心理実験の報告が
たびたび見られるようになってきた。しかし、脳の特定部位が超心理
現象を引き起こすというような、還元主義的な説明が行なわれるので
あれば、超心理学研究の方向を誤らせるであろう。

特異的体験や主観的体験は、脳の機能部位の特定との間には説明
上の大きな溝がある。それは哲学的な議論となっているので、慎重に
扱う必要がある。そもそも体験が脳に閉じているのは奇妙である。

脳科学の知見を取り入れながらも、現象学的方法をとる研究路線に
見込みがある。

http://www.kisc.meiji.ac.jp/~metapsi/psi/6-3.htm