アラン・カルディックとスピリティズム 2011-08-09 | 論文ガイド <PA2010(11)> ●モレイラ=アルメイダ、アルベルト 「アラン・カルディックとスピリティズム」 スピリティズムを提唱したアラン・カルディックの 著作を精査して、彼がスピリティズムの仮説を いかに経験的に検証したかを述べる。
心拍数を測定した予感実験 2011-08-05 | 論文ガイド <PA2010(10)> ●ローバック、ビエールマン 「心拍数を測定した予感実験」 心拍数を測定しながら予感実験をおこなったところ、 将来呈示される刺激を見ているときに、心拍数が 向上した。しかし、それはヨガなどの瞑想経験者に 限られた。心拍数は向上しても意識的な選択の偏り は顕れなかった。性格検査もしたが、関連性は見い 出せなかった。 ※ ビエールマンは予感現象を 「物理的な時間対象性を意識が顕現させる」 という仮説で説明しようとしている。 この仮説を提案する論文は、次に収録されている: Journal of Parapsychology, Vol.74, No.2 (2010) (なおこの巻は、本要旨が掲載されている巻と同一)
ヒーリングのセンサとしてのキュウリから由来するガスの測定 2011-08-04 | 論文ガイド <PA2010(9)> ●小久保、高木、小山、山本 「ヒーリングのセンサとしてのキュウリから由来するガスの測定」 小久保らはこれまで、キュウリをヒーリングの度合いを検出する センサに用いて成功をおさめている。具体的には、キュウリから 発生するバイオフォトンを測定することで、熟練したヒーラーが キュウリを長持ちさせられる傾向を検出している。 今回は、バイオフォトンの測定に代えて、酢酸エチルのガス測定管 を用いたところ、同様の傾向が検出できることを見い出した。ガス 測定管は安価に入手できるので、キュウリをたくさん用意して多点 同時計測が可能となる。 関連する日本語の論文: http://homepage2.nifty.com/anomalousphenomena/KokuboGasMethod_No1J.pdf
超心理的情報は潜在的抑制刺激と同様に処理されるか 2011-08-03 | 論文ガイド <PA2010(8)> ●ホルト、シモンズ、ムーア 「超心理的情報は潜在的抑制刺激と同様に処理されるか」 超心理的情報は獲得されても、潜在的に抑制されてしまい 意識にのぼらない、という仮説が、超心理学分野ではよく 支持されている。 今回、超心理的情報が心のうちで潜在的抑制刺激と同様に 処理されていることを示唆する実験結果が得られた。 ※ 要旨のみのため、実験設定の詳細は記載されていない。
超心理実験から得られる平均値の統計的扱い 2011-08-02 | 論文ガイド <PA2010(7)> ●ヴォルフガング・ヘルフリッヒ 「超心理実験から得られる平均値の統計的扱い」 ガンツフェルト実験では、4分の1より少し大きな値、 視線感知実験では、2分の1より少し大きな値、 サイコロPK実験では、6分の1より少し大きな値、 というように、ターゲットの数によって成功率の平均値 が大きく異なる。統計的な分析では、それをz値などに 変換して分析するが、それでは十分でない可能性がある。 ※ 可能性の指摘にとどまっているのか、具体的な提案 があるのか不明。
火事の遠隔描写は霊による通信か 2011-07-26 | 論文ガイド <PA2010(6)> ●アーレンダー・ハラルドソン 「火事の遠隔描写は霊による通信か」 1905年に霊媒インドリダソンが、レイキャビックにおける交霊会で デーンマーク語をしゃべる霊が降りてきて、コペンハーゲンの工場から 出火して、火事が起きていると語った。また1時間後には鎮火したと 語った。この内容には、多くの証言者がいる。火事は翌日の新聞で アイスランドにも知られ、交霊どおりだと大騒ぎになった。 記録によるとその霊は、エミール・ヤンセンという工員を名乗ったが、 実在する人物かどうか調査されてなかった。今回、著者が過去の デンマーク国勢調査を調べたところ、エミール・ヤンセンは1人しか おらず、たしかに工員であり、1898年に50歳で未婚で死亡している (このとき霊媒インドリダソンはわずか15歳であった)。エミール には6人のきょうだいがいたが、交霊会のときはいずれも存命であった。 エミールの住んでいた家は、なんと火事で焼けた2軒隣であった。 この事例は、かのスウェーデンボルグが、ストックホルムの自宅付近 の火事を、旅先から遠隔透視した事例と似ている。インドリダソンも 遠隔透視をしていた可能性も否定できない。
フランス科学者たちによる霊媒パラディーノの研究 2011-07-25 | 論文ガイド <PA2010(5)> ●ルノー・エヴラール 「フランス科学者たちによる霊媒パラディーノの研究」 1905-1908にわたり、Institut General Psychologique に霊媒 ユーサピア・パラディーノが招かれ、6人のノーベル賞受賞 学者を含めたフランスの科学者たちによって、パラディーノ が起こすとされた超常的物理現象の研究が行なわれた。 交霊会は3年間で総計43回がなされ、なかでも研究に 熱心に取り組んだのはキュリー夫妻であった。彼らは超常的 現象の実在を確信するに至っていたことが、文献記録から 判明している。
集団感性テレパシー実験 2011-07-22 | 論文ガイド <PA2010(4)> ●ジャン・ダルキヴィスト 「集団感性テレパシー実験」 十数人の学生を集め、ランダムに2グループに分け、別々の感覚遮断 実験室に隔離して、送り手グループと受け手グループとする。送り手は 与えられたターゲット写真を心に思い続ける。受け手はその写真が 肯定的か否定的かを当てる。ターゲット写真は30枚で、半数ずつが 肯定的と否定的であり、30秒ごとにランダムに20秒呈示される。 写真の肯定的/否定的度合いは、別途査定されている。一部の受け手 には、皮膚電気伝導度や心拍の生理測定を行なった。 1497人に対して4万5千試行を行なったが、特徴的な関係は見いだせ なかった。否定的写真のデータを、否定的度合いの高低に分けて分析 すると若干の傾向がみられた。 <PA2004(23)>の続きの報告である
霊媒ジェアンヌ・ラプラス 2011-07-20 | 論文ガイド <PA2010(3)> ●カラテリ&フェリシ 「霊媒ジェアンヌ・ラプラス」 1920年代に活躍した霊媒ジェアンヌ・ラプラスは、パリの Institut Metapsychique Internationalでユージーン・オスティ の精査を受け、ティラール博士の交通事故死を予知したり、 心霊診断をしたりと、評価が高まった。霊媒として活動した ものの、能力を死者の魂のおかげとすることはなかった。
脳波駆動の乱数発生器 2011-07-17 | 論文ガイド <PA2010(2)> ●ブラウニッヒ&ファウル 「脳波駆動の乱数発生器」 被験者の脳波データから乱数が駆動される乱数発生器を走らせ、 その累積変動を音で被験者に知らせるバイオフィードバック ループを形成した。累積変動が大きくなれば、超心理効果が 見られたことになる。しかし、今回実験した範囲では、その効果 は見られなかった。
ネッカー・キュ-ブに現れる予感 2011-07-16 | 論文ガイド <PA2010(1)> ●ディック・ビエールマン 「ネッカー・キュ-ブに現れる予感」 ネッカー・キュ-ブ(立方体の枠)を見ると普通は「上から見た 立方体」に見えるが、しばらく見続けると「下から見た立方体」 に反転して見える。 実験:この反転に要する時間を測定した直後、ランダムに 「上から見た立方体の外観」かまたは「下から見た立方体の 外観」を表示する。 仮説:「下から見た立方体の外観」が表示される前には、その 予感によって、反転に要する時間が短くなる傾向がある。 検証:グローニンゲン大学とアムステルダム大学で実験し、 総計165人の実験データから、反転時間が安定していない人 を除外し、153人のデータでp=0.026の有意な結果が得られた。
PA2010・PA2011 2011-07-15 | 論文ガイド <PA2010(0)> 昨年7月22-25日にパリで開かれた超心理学協会(PA)の 年次研究大会で発表された研究報告の概要を紹介しよう。 今年のPA年次大会(第54回)は、ブラジルのクリチバで、 8月の18-21日に開催されます。 PAのHP: http://www.parapsych.org/
シュマイドラー:心理学と超心理学 2010-07-11 | 論文ガイド <PA2009(16-3)> パネル討論「ヤギとヒツジの分離:シュマイドラーを偲んで」(3) ●ジェームス・カーペンター 「シュマイドラー:心理学と超心理学」 シュマイドラー女史は、半世紀以上にわたって、心理学と超心理学を 橋渡しすることに努めた、超心理学にもっとも貢献した「心理学者」だ と言えよう。もし超心理現象が存在するのであれば、それは神秘的な ものではなく、人間が日常に活用するものにかかわっていると推測し、 人間の認知的、感情的、社会的機能の理解に新たな観点を提起した。 ※これにてPA2009の紹介を終わります。PA2010は今月末に行な われます。プログラムによると日本からも研究発表があるようです。 http://www.parapsych.org/convention/program.html
シュマイドラーとヒツジ=ヤギ効果 2010-07-10 | 論文ガイド <PA2009(16-2)> パネル討論「ヤギとヒツジの分離:シュマイドラーを偲んで」(2) ●ジョン・パーマー 「シュマイドラーとヒツジ=ヤギ効果」 シュマイドラー女史は、1942年からカード当て実験を精力的に行ない、 151人の個別実験と、14期にわたる1157人の学生集合実験で、ヒツジ (信奉群)では、平均値以上の有意な高得点が、ヤギ(非信奉群)では、 平均値以下の有意な低得点が得られた。 誤解が大きいのだが、ヒツジとは本来「今回の一連の実験が全体として 成功するかどうか」にYESと答える者である。その後彼女は、社交性が 高く快活な被験者が高得点をとるという関係を主張した。その結果は、 私(パーマー)が実験結果からまとめた特性とおおよそ一致していた。 http://www.kisc.meiji.ac.jp/~metapsi/psi/4-1.htm
心理学者、超心理学、そして良き師としてのシュマイドラー 2010-07-09 | 論文ガイド <PA2009(16-1)> パネル討論「ヤギとヒツジの分離:シュマイドラーを偲んで」(1) ●ラス・ラインセル 「心理学者、超心理学、そして良き師としてのシュマイドラー」 ゲートルード・シュマイドラー女史は、米国心理学協会会長のガードナー・ マーフィーによって、新設されたニューヨーク市立大学の心理学科に1942 年に赴任した。以来1982年に退官するまで、社会心理学・人格心理学の 博士課程の指導を続けた。実験心理や、知覚心理、超心理、意識研究に 数々の業績を残した。退官後は2009年に逝去するまで名誉教授として 活躍を続けた。 超心理学では、ESPにおける人格、態度、社会的影響において大きな成果 をあげた。PAで1959年と1971年に、米国心霊研究協会では1981年から 4年間、会長を務めた。 http://www.parapsych.org/members/g_schmeidler.html