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超心理マニアのためのブログ

マット・イシカワによる超能力研究の文献ガイド

遠隔視線探知と予感実験における無意識的応答

2010-06-12 | 論文ガイド
<PA2009(5)>

米国ノースウエスタン大学心理学部
●モスブリッジ&グラボウェッキー&スズキ
 「遠隔視線探知と予感実験における無意識的応答」

20名の学部生に次の3つの実験を行ない、その間の心拍と
皮膚電気伝導を測定した。

1)カメラを介して20秒間の前半10秒かまたは後半10秒
 のどちらかで誰かが見つめているので、見つめられている
 のは前半か後半かを当てる。正解のフィードバックあり。
2)上の対照実験:上とまったく同じことを要求するのだが、
 じつは前半も後半も誰も見つめていない。「正解」のフィード
 バックはあるのだが、架空のものである。
3)4つの図柄のうち、将来ターゲットになる図柄を当てる
 予感実験。正解のフィードバックあり。

結果:(意識的過程である)回答は偶然期待値にとどまった。
(無意識過程である)前半の10秒の心拍間隔が、見つめられて
いるときが見つめられてないときに比べて有意に長く、後半の
10秒の心拍間隔は、見つめられているときが見つめられてない
ときに比べて有意に短かった。対照実験ではこの差は無かった。
予感実験でも、ターゲットが決まる前に正答と誤答時の、心拍の
部分的差異が見られたが、1回前の回答の影響が及んでいるの
かもしれない。


関節炎患者への遠隔ヒーリング実験

2010-06-11 | 論文ガイド
<PA2009(4)>

英国エジンバラ大学超心理学研究室
●イースター&ワット
 「関節炎患者への遠隔ヒーリング実験」

関節炎患者60名に6名のヒーラー(4名は全米スピリチュアル
・ヒーラー会員で、2名は認証レイキ・マスター)が一定期間
週1回以上の遠隔ヒーリングを行なった。半数の患者は、いつ
ヒーリングがなされているか知らされていた。

患者は全般健康度(GHQ)、痛み、超常信奉、性格検査などに
ついて回答し、ヒーリングの効果があったかどうかを調べた。

分析の結果、ヒーリングの前後で向上効果は見られなかった。
ヒーリングを知らされている患者群は健康度が向上している
傾向が見られたが、このデータ量からは統計的に有意な水準
には至っていなかった。


超心理の先行判断理論の展開

2010-06-10 | 論文ガイド
<PA2009(3)>

ライン研究センター
●ジム・カーペンター
 「超心理の先行判断理論の展開」

2004年の超心理学論文誌JPに「Psi as First Sight」の理論を
発表して以来、理論の洗練化を行なっているが、これもその一環。

超心理は、生体が備えている無意識的な過程であり、生体は生き
抜くうえで、日常的にこの過程を利用している。超心理は世界全般
を非局所的に評価する先行判断過程であり、意識や目標指向的
体験を生成する。この無意識の過程には以下の特徴がある。

現象的特徴:生化学よりも人格的意味の観点で理解できる。
人格的特徴:意識過程より人格や意志が希薄であるわけではない。
遍在的特徴:感覚情報に先行して能動的に世界の普遍的評価をする。
統合的特徴:超心理情報も心理情報も一緒に統合処理される。
予期的特徴:体験の内容と環境に応じた行動を最適に発見する。
総和的特徴:多くの意味を全体論的に重ね合わせる。
双極的特徴:上の総和では意味の親和/相反性によって加減される。
志向的特徴:特定の潜在的意味を抽出する。
反転的特徴:上の志向姿勢は対象によって一貫性を失うことがある。
終末的特徴:理由もなく一貫性を失うことがある。
遺漏的特徴:この無意識であるはずのものが期待的連想に現れる。
境界的特徴:意識的興味によってこの超心理情報が利用できる。


実験室のESP効果の実践的応用

2010-06-09 | 論文ガイド
<PA2009(2)>

ライン研究センター
●ジム・カーペンター
 「実験室のESP効果の実践的応用」

ESP実験の結果から間接的に経済指標の変動を予知する
実験を試験的に行なった。

被験者にあらかじめ気分と超常信奉を聞いたうえで、透視
実験を行なってもらう。一連のESPターゲットは、過去の経済
指標変動に対応させたものであるが、最後のひとつは将来の
指標変動に対応させたものであり、ターゲットはまだ確定して
おらずこの部分は予知になる。透視のコールと、気分と超常信奉
の回答結果を独立変数として、過去の指標変動を従属変数として
重回帰分析を行ない回帰式を作成する。その回帰式に予知の
コールをあてはめて将来の変動を予測する。この手順を同一
ターゲットで、多くの被験者に対して行ない、将来変動の予測を
平均(多数決投票)し、最終予測とする。

実験を2回行なったところ、最初は12の指標変動のうち11の
予測が合致し、きわめて有意な予測となった。次は12中7つが
合致し平均以上であるが、有意ではなかった。

※気分がのらない時や、超常現象を疑う人は、反対の予測をする
 ミッシング傾向が知られているので、その要素を分析で引き出して
 予測に使う、たくみな方法である。

ジム・カーペンター
http://www.kisc.meiji.ac.jp/~metapsi/psi/6-2.htm

無意識の選好形成におけるESPの寄与実験

2010-06-06 | 論文ガイド
<PA2009(1)>

米英合同
●カーペンター&シモンズムーア&ムーア
 「無意識の選好形成におけるESPの寄与実験」

認知心理学では、単に刺激を繰返し呈示するだけで、その刺激
の選好度合いが向上すること(単純呈示効果)が知られる。

本実験では、被験者にターゲット画像をサブリミナルで単純
呈示した場合、透視状態で単純呈示した場合(画像をブロック
に貼って紙で覆って机に置いておく)のターゲット画像の選好
度合いの向上を、次の2条件で測定した。

(A群)暖かく開放的な雰囲気の条件
(B群)孤独で警戒的な雰囲気の条件

結果:残念ながらサブリミナル呈示も、ESP呈示も、選好度合い
は偶然平均よりも顕著に高くはなかった。しかし、予測したように、
A群はB群よりも選好度合いが(とくにESP呈示で)高かった。


自発的PK現象の質的分析

2009-11-12 | 論文ガイド
<PA2008(30)>

英米合同
●シモンズムーア&ラインフェザー&ハミルトン
 「自発的PK現象の質的分析」

自発的PK現象を体験した9名にインタヴューし、グラウンデッド
・セオリーと、トランスパーソナル研究法を用いて質的分析した。
その結果、まずその体験は多次元的であり、社会的、人格的、
生物学的属性をもっていることが判明した。今後、追加の分析を
さらに行なう。


サブリミナル・プライミング画像を用いたガンツフェルト実験

2009-11-09 | 論文ガイド
<PA2008(29)>

スウェーデンより
●パーカー&スヨーデン
 「サブリミナル・プライミング画像を用いたガンツフェルト実験」

サブリミナル・プライミング画像を見せた被験者に、その画像を
ターゲットにしてガンツフェルト実験を行なったところ、偶然25%
のところ、13.7%の正答率で、異様に低かった。サイ・ミッシング
の可能性がある。あるいは、通常の心理実験で最近知られる
逆プライミング現象とも関係があるかもしれない。


明晰夢と超常体験の調査

2009-10-31 | 論文ガイド
<PA2008(26)>

英ノーザンプトン大学異常心理学センターより
●ルイーズ・ファレル
 「明晰夢と超常体験の調査」

明晰夢体験と通常の夢体験と、超常体験についての
質問紙調査を、ノーザンプトン居住者に対してランダム
サンプリングをかけて行なう計画についての報告。
明晰夢体験と超常体験は関係が深いとされる点などを
分析する。質問紙の設計が書かれている。


関節炎患者のヒーリングと超常信奉

2009-10-29 | 論文ガイド
<PA2008(25)>

エジンバラ大学超心理学ユニットより
●イースター&ワット
 「関節炎患者のヒーリングと超常信奉」

関節炎の患者たちの半分に遠隔ヒーリングを行なうが、
ヒーリングを行なう患者の半分には、遠隔ヒーリングを
行なうと伝え、ヒーリングを行なわない患者の半分には、
遠隔ヒーリングを行なうと(ニセの情報を)伝える。
これらをブラインド条件で行なった前後で、関節炎の
状態を答えて比較する。これにより、ヒーリング効果と
プラセボ効果を分離できる。現在は実験計画の段階。


ケルト文学における超心理

2009-10-27 | 論文ガイド
<PA2008(24)>

アイルランドより
●ウエンディ・カズンズ
 「ケルト文学における超心理」

クイーンズ大学のソマーヴィル&ロス文庫には、1873-1948の
75年間にわたる未刊のケルト資料が眠っている。またコークの
アイルランド国立古文書館にもクミンズのコレクションが、
イェーツのオカルト文書も国立図書館に収蔵されている。
これらの資料に描かれた交霊会などの記録を通して得られた
知見を報告する。


超常現象と医学の統合者フェレイラ

2009-10-25 | 論文ガイド
<PA2008(23)>

ブラジルUFJF
●アルメイダ&モレイラ=アルメイダ
 「超常現象と医学の統合者フェレイラ」

スピリティスト精神病院の医長を1988年まで務めた
イナシオ・フェレイラの心霊主義と伝統医療を統合しよう
とした業績の報告。死後生存と前世体験の扱いが
ポイントになっている。


ガンツフェルト独白の分析

2009-10-23 | 論文ガイド
<PA2008(22)>

英ヨーク大学
●ウーフィット&ホルト
 「ガンツフェルト独白の分析」

90年代にエジンバラ大学で行なわれたガンツフェルト実験で、
受け手が報告していたイメージ内容の独白を分析した。

1)イメージの時間的な組織化の過程を分析。
2)イメージにおけるスタンスを形成する談話戦略の検討。
3)イメージ描写の詩的な特徴の指摘。